2003年1月30日(木) 【中四国州推進派宣言】

 本日は、今日明日の話ではなく、10年先、20年先の話です。

 本日の山陽新聞朝刊にありますように、岡山県の「21世紀の地方自治を考える懇談会」が、「中四国州」を提唱する報告書案をまとめました。

 3月末に石井知事に提出するとのことですが、岡崎記者の指摘通り、「お国意識を捨てた関係各県のネットワーク強化、中央集権システムを破壊しながらの県から市町村への権限委譲など、道州制に向かう県の決意、本気度が問われ」ます。

 さて、案によれば、全国を7〜10ブロックに分割することを想定すると、中四国州の人口は、1188万人。総生産41兆円。
 税財源は、消費税や所得税で、主要税目は国との共同税で、道州で集め国に拠出。
 国の省庁の出先機関を統合して権限、財源を移管。続いて、都道府県合併、道州制を試行するというステップです。

 また、国は、外交、年金、医療、金融、高速道路整備など。道州は、土地利用、国道や港湾、一級河川の維持管理、運輸政策、大学事務、景気・雇用対策。市町村は、保健・衛生や福祉、教育、地域のまちづくりなどの役割を負う、としています。
 住民サービスの担い手としての基礎的自治体である市町村で、大概のことは自立して決定できるということです。それで良いと思います。


 私は、この案に賛成です。推進派宣言を致します。

 そして、これを推進するためには、できれば岡山市の政令指定都市化を伴い岡山市を州都にするという夢を描きたいと思います。ただ、政令指定都市化は、州都の絶対要件ではありません。その方が、蓋然性が高くなると思うのです。

 願わくば、州都岡山市において、国の省庁の出先機関の統合を例えば、民地ですが、ザ・ハヤシバラシティー構想がある地域、あるいは、または加えて、吉備高原都市で行えば、中心市街地の活性化、遊休地の高度利用ができます。さいたま市が、良い例でしょう。
 いわば岡山に州政府をもって来るのです。

 中四国州において、岡山空港3000mも、玉島ハーバーアイランドも、真庭工業団地も、チボリ公園も、活きてきます。中四国州の陸海空の交通の結節点は、世界に結ばれています。
 与島フィッシャーマンズワーフ跡に、カジノがあれば、なお良いです。
 そして、中四国情報ハイウエイの核、岡山には、世界屈指の高度化した岡山情報ハイウエイがあり、IT産業・企業が立地し、世界の研究者が集う、マスカット・バレーがあります。

 今のままなら、岡山県という枠組みで、来年度も、二百数十億を上乗せした1兆円以上の負債を負の遺産ともども、子ども達に委ねることになります。そうでなくても、日々の金利が1億円にもなるのに、手を拱いたまま岡山は、地域間競争の負け組みです。
 放っておけば、全部、広島で、岡山地域は沈没です。競争なのです。

 あるいは、夢は夢かもしれませんが、座して死ぬぐらいなら、突き進む方が遥かにましです。


 もちろん、これは、岡山「県」は消滅し、公務員の方は、ステージが変わることになるのでしょうが、県議会議員は、まともに要らなくなるという話です。しかし、市町村合併の本来のターゲットは、市町村を生かし、県を殺すということで、「県」であるのは自明です。
 己が不要になるその議論を県議会議員が出来るかどうか、そこに未来がかかっています。
 政治家が、自ら首を絞める話を進めることができない限り、絶対に政治は変わりません。

 実は、そのための試金石は、岡山市の政令指定都市化を推進できるかだと思います。玉野市・灘崎町と難しいのであれば、単独で、7万人を呼び込む努力も良い、倉敷と組むのも良い、地方自治法通り、50万人で認めろと言っても良い、まずは、県という仕組みを揺さぶることが必要です。
 逆に、県のそういう姿勢が見えないと、市町村は、進んで合併はしません。

 私は、現在の中央集権的な地方自治制度を維持していたら、国・地方もろとも財政崩壊する、日本という国の行政組織・税の使い方を根本的に組み替えなければ、この国はもたないのではないか、と危惧します。
 そして、国を変えるには、地方を変えないといけません。まずは、県です。


 それにしても、イデオロギーによるものでなく、国家体制そのものでなく、行政組織の変革を行おうとするその時に、政党は、どういう役割を果たすべきでしょうか。

 地方議員は、地方議員の本来すべきこと、決めるべきこと、できることがあるような気がしてなりません。
 永田町の話と地方議員の課題が、どうリンクするのだろう?あるいは、どうリンクすべきなのか、正直に書いて、わからない部分もあります。

 国を飛び越えて、地方が世界と繋がったって良いのです。県を越えた地域間連携を議員が、どんどんしていくことが重要です。財界もしかりかもしれませんが。

 日本の文化・伝統を守ること、国や家族を大切に思うことを保守する意味では、保守ですが、この場合、私は、革新になるのでしょうか?
 ただ、いわゆる革新政党が、政令指定都市化賛成、道州制賛成と言うとは思えません。
 正直、よくわかりません。


 いずれにせよ、岡山県は、飛躍のチャンスである岡山までの新幹線開通、瀬戸大橋開通を十分に活かしきれぬままに、「燃えろ岡山」を叫びました。将来振り返れば、政令指定都市化の議論、これがまさに、3度目の正直ではなかったのかと評価される日が来るような気もします。

 まさに、今が、変革の時です。

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