2003年11月28日(金) 【国際平和創造県に!!】

 「未来にはまだ失敗がない それだけで生きる価値がある」青春ど真ん中飲料「がぶ飲みミルクコーヒー」ラベルより。
 ・・・「てるてる家族」か!

 いよいよ本日、私にとっては、19回目になる11月定例会が開会しました。まずは、知事より、提案説明で、サーブ。来週から、質問戦に入ります。

 今回は、相手陣営の中から、レシーブ及びアタックの仕方について要請があったりするのですが、変なサーブだなぁ、と心配に思うのが、「岡山県国際貢献活動の推進に関する条例(仮称)」。
ttp://www.pref.okayama.jp/kikaku/kokusai/p-com/ic-j-siryou1.pdf

 都道府県レベルでは全国初となる国際貢献活動の推進を目的とした条例ということで、来年2月の定例県議会への上程を目指し、現在パブリックコメントを募集中です。

 ただ、議員立法をするなら国際貢献の精神条例として考えられるなぁ、とは思っていたものの、いざ出てくると、多分、NGO関係者の皆様からしても、具体性に欠けて、あまり新鮮味のない感じではないでしょうか。


 岡山県では、「国際貢献先進県・おかやま」を目指して有識者から創意ある意見・提言を伺うために設置した「岡山発の国際貢献を考える会」が、「21世紀初頭における岡山県の取り組むべき国際貢献のあり方について」と題した報告書をとりまとめ、どうもその具体化としての条例案のようです。

 ただ、既に、青年海外協力隊などを「おかやま国際協力大使」に任命し、赴任国の情報や活動報告、支援物資の要請を受けていますし、多分に、AMDAの、というか、AMDAにしてみれば、目立ちはするけれども、地道な活動の中の一部である緊急救援活動のイメージに引っ張られている感は否めませんが、国際支援物資などを県が集め、保管までしています。
 行政の動きとしても、条例を提出しようとするぐらいですから、そんなに鈍くありません。

 NGOの側は、いずれにせよ、AMDA自体は、もはや別格。
 加えて、岡山県独自のNGO、国際貢献NGOサミットを主催してきた国際貢献トピア岡山構想を推進する会、環境、姉妹校縁組み等で大きな成果を上げている岡山ユネスコ協会、AEA、黒住教や金光教をはじめとする宗教者の方々のネットワーク、カンボジアの村を支援する会等々、また、南北ネットワークのように、ある意味、本当に地道な草の根的なNGOのグループも、活動しています。
 リコーダーを送る会、WFWP、さらには、国際交流ということになれば、インターキッズ・・・・・・。枚挙に暇がありません。

 さらに、特筆すべき動きとして、有森裕子会長のハート・オブ・ゴールドは、岡山発のスポーツを通した国際協力・国際交流を進められています。
 特に、今週末には、第8回アンコールワット国際ハーフマラソンに参加され、第3回青少年スポーツ祭には、岡山県大学スポーツ国際交流推進機構というコンソーシアムも、共催。
 産(協力企業)、官(外務省・在カンボディア大使館、岡山県、JICAなど)、学(岡山県大学コンソーシアム)、NPOとネットワークを組んだ国際的な取組みを行っておられます。


 私の中では、特に若い世代を中心にした次代を担う人材育成が、喫緊の課題で、そのためにも、場所や活動資金のサポートが必要である、還元すれば、産学官との連携が重要である、という認識なのですが、どうも、条例(案)は、当然の前提のようで、いまさら宣言条例が出てきてもなぁ・・・という感じがしています。

 また、不況というのは、精神条例としても、少なからず、国際貢献という「余裕」を失わせるかもしれません。

 皆様、如何お考えでしょうか?私は、御託は良いから、行政は、具体的に何すんだよ、と、言いたいです。


 ところで、イラク戦争に自衛隊派遣ということになれば、「国際貢献活動」とは何か、緊急救援物資は、イラクへ送れるものなのか、非常に生々しい話になります。

 「社会の様々な分野で国際化が進み、地球規模での相互依存関係が深まる中、地球環境の保全や貧困の解消等人類の生存と尊厳に関わる共通の諸課題を解決するため、人間本位の視点に立った地域や個人による国際貢献活動が、これまで以上に必要とされています。」という認識を(案)は、示していますが、むしろ直接生存に関わる戦争が問題になっているのです。

 そういう意味では、「国際貢献」という言葉が、タイムリーに気持ち良く認識されるか微妙な時期にはなります。
 来年2月には、下手をすれば、東京で自爆テロが起きていても不思議ではないのですから。


 県民に、国際貢献で、イラク戦争の後方支援を頼むわけではないでしょうが、緊急救援物資を、イラクの民衆に差し上げたいけれど、行政が音頭を取れるのか?救援物資を行政が集めた時点で、NGOでなくなるわけですが、仮に、AMDAが、イラクに、持っていくならどうするのか?赤新月社に送れるのか?

 天災でなく、最たる人災の戦争に対して、非政府の活動を行政が条例で、歌って良いのでしょうか?


 環境、医療・福祉、教育、文化、スポーツ・・・・・・突き詰めれば、全て「国際平和」であり、なにか、受動的義務的自己犠牲的な「貢献」という言葉よりも、岡山から、世界の平和を「創造」していくような、そういう「てるてる家族」な言葉の方が良いと思います。

 国際貢献先進県は、国際平和創造県でないといけません。

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