2001年9月3日(月)
【スーパー・サイエンス・ハイスクール】

                   略

 さて、青少年の科学技術・理科離れを食い止めるべく、文部科学省は、理科系のトップエリートを育成するための高校、「スーパーサイエンス・ハイスクール」を来年度から設立すべく、必要予算を来年度予算の概算要求を盛り込みました。

 典型的情緒型文系人間の私は、この夏、重点的に、雇用開発や最先端工場をまわらさせて頂く中で、やはり、基礎的な理数系の知識の重要性、また、生き残りをかけた産業振興のためにも、科学技術の発展が不可欠であることを痛感しました。
 エリートという言葉には、ひっかりますが、文部科学省の方向性には、非常に共感できます。

 日本という国の未来を考えた時、どうしても、理数系離れを食い止め、科学最先端国にしていかなくてはいけない、そしてそれは、ひとり教育問題ではなく、医療、福祉、環境、産業その他もろもろ、要するに、全てに関わってくる問題です。


 本日は、理数科を持つ母校岡山一宮高校の取り組みをじっくりと伺いましたが、その先進的な岡山大学や岡山理科大学との相互連携は、母校というお手盛りでなく、素晴らしいと思いました。
 実は、今年が3年目ですから、進学校としての実績が出ているわけではありませんが、大切なことは、生徒達が、本当に自分の好きなことを見極めて進学できる可能性が、飛躍的に高まることです。

 大学が、レジャーランド、モラトリアムの場と言われて久しいのですが、なぜ自分が大学に行くのか、その大学が、自分の将来の職業にどう結びつくのか、最も大切なことを考える間すら与えられず、闇雲な偏差値の競争の中で、多くの人間が傷ついてきました。
 ただ、そこに行けば何かあるかもしれない、そんな漠然とした希望にかけていたのです。

 受験戦争に勝ち抜き、一流大学へ行って、一流企業に入る、そのことが、安定的な生活、幸せな生活を必ずしも保証しないことは、もう誰もが分かっています。
 自分らしい生き方を誰もが、模索しています。

 もしも、彼らの中に、大学教授の一言で、進路選択の道が開けたら、ああ、この教授のもとへ行きたい、このことを勉強したい、この先にある職業に就きたい、そう具体的に感じられて、頑張ることができたら素晴らしいことだと思います。
 それは、文系でも変わらないかもしれません。やはり、目標が要るのです。

 中学2年生の職場体験事業も盛んに行われていますが、自分が将来どうありたいか、ゆえに今どうするか、こんな不安な世の中だからこそ、具体的に、考えられる材料を指し示すことが、大人の責務かもしれません。
 進学であれ、就職であれ、彼らが生きるべき社会の姿、可能性を示さないといけません。


 小中、中高、高大、産学の様々な連携が、本当に重要になっていると思います。その中で、「科学技術・理数離れ」を食い止めることは、まさに、一貫した目標であると思います。


 ちなみに、スーパーサイエンス高校の指定は、全国20校。岡山県から必ず取りに行って下さい、と強く担当課長にお願いしました。本会議でも、取り上げる予定です。

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