2004年1月5日(月) 【中央卸売市場初せり】

 本日は、午前4時スタートの岡山市中央卸売市場の初せり及び新年互例会。市場にしてみれば、毎日のことでも、岡山市主催の公式行事としては、一番朝早いものかもしれません。

 市場の活気が、景気を一番反映するということで、さすれば、昨年来の景気回復基調は、なかなか地方には、及んでいないという感じのようです。


 岡山市議会議員議員の先生方が、市議会が開けるほど多数参加されていましたが、管理は市でも、実は、全国の中央卸売市場の所管自体は、農林水産省。端的には、農政局になりますが、認可の関係で県も絡みます。

 ちなみに、県内70を越える地方市場の所管は、県で、食肉市場も、県管理です。


 それにしても、私が、新聞配達をしていたのは、ほんの10年前のことで、その時は、午前3時40分起きを1年8ヶ月続けましたので、朝が早いのは、大丈夫なのですが、やはり、この時期、明け方に、ぐっと冷え込みます。

 選挙期間中は、早起きの方の安眠妨害をしていたのではないか、と非常に気になります。
 市場での仕事というのは、本当にたいへんなことだと思います。



 本日は、4時過ぎから水産物部、5時過ぎから青果部、9時過ぎから花き部の初せりが行われました。途中、8時からは、運営協議会の新年互例会が行われるのが、恒例になっています。

 ちなみに、花きについては、午後1時が、午前11時、午前9時になったわけですが、さらに、もっと早くできないか検討されています。これが、7時から、せりなら、産地からは、5時までには、入らないといけない、ということで、なかなかにたいへんなことになります。



 現在の市場の課題というと、市場外流通と、手数料率自由化に伴う市場間競争への対応です。

 いわゆる流通チャンネルの多様化で、市場を通るのは、7割。大手物販店は、安定供給を図るため、産地との相対や、岡山より大きな市場における取引きが進んでいます。


 さらに、この3年半にわたる規制緩和というよりも、構造改革の流れは、卸売りと産地の手数料率(いわば産地へのキックバック)について、自由化を進める大改正の方向に進んでいます。

 逆に言えば、ある意味で、中央卸売市場については、今までの国の保護がなくなると言えるかもしれません。株式市場に例えるのが、適当かはわかりませんが・・・。

 早ければ、この通常国会で、来年以降の品目別の段階的な手数料の自由化が始まります。すなわち、産地にしてみれば、より安い手数料の市場を目指すことになり、文字通りの市場間競争が本格化します。

 県管理の地方市場についても、手数料については、連動する傾向があるため、地産地消、安定的な供給の確保という点では、従来に増しての努力が必要になります。


 こうした中、市は、市場管理者を設けて、黒字経営を目指そうと努力されていますが、流通システムのIT化、さらには、市場間の連携等が、より一層図られる必要があり、なによりも、さらなる食の安全が確保されるシステムでないといけません。

 それにしても、卸売、仲売りという流通システムが、変わって行く中で、非常に厳しい風が吹いているということですが、行政サイドは、足腰の強い業態にと言い放ちますが、私は、20年も前に、我が家が、家業である陶器の卸を辞めた頃のことを思い出し、はいさようですか、これも時代の流れで、仕方ないですわな、とは、とても言えません。

 いずれにせよ、市場そのものの機能の見直しがなされる大転換期にあるのは間違いありません。
 しかし、行政のバックアップは、どうしても必要です。

 また、米改革大綱でもそうですが、産地の側に、今にも増して、常に市場を見ながら生産するという、工場のラインのマネージメント的な発想も、必要になると思われます。
 市場が飛びつく、新製品の開発も、今以上に必要になってくるとも思います。

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