2003年8月21日(木) 【台風被害状況】

※ 面識はありませんが、郷土岡山出身で、同じ学年の巨人軍
  川相選手の世界的偉業達成を心からお祝いいたします!!

 2日間の農林水産委員会の調査から帰りました。当初、他議員から、なぜ、岡山駅前の人間(敢えて言えば、シティー・ボーイなの。)が、農林水産なのか、また、職員の方からは、あまり勉強しないように(質問するから)、言われたりもしたのですが、実におもしろいというのが、率直な感想です。

 また、井原市青野地区の様々な葡萄を直売する「葡萄浪漫館」や、お茶どころの高梁市宇治で、「いい旅ゆめ気分」に出てきそうな地域の方が運営される農村型リゾート「元仲田邸くらやしき」など、まだまだ、実に良い所があります。

 ここから本格的に晴れてくれりゃぁ、米も、野菜も、果物も、なんとか盛り返すかのぉ・・・、という感覚も、誠に新鮮です。


 などと言いながら、台風10号の被害は、農地の畦畔崩壊や、ため池の漏水などの農地・農業施設や、山腹崩壊など治山・林道関係等々で、約13億8400万円。

 11月に災害査定が行われ、予算の不足額は、12月定例会で補正される流れです。


 ちなみに、いわゆる笠岡湾干拓地が、映画「ひまわり」のように、あたり一面、ひまわりで埋まる「べい・ふぁーむ花のパノラマ事業」は、今年は、大幅会期延長、この24日から31日まで開催されますが、今のところ、ひまわりは、なぎ倒されている状況です。自力で立ってもらうしかありません。

 もっとも、昭和41年からのこの国営笠岡湾干拓地、減反政策に転じる直前に埋め立てられた、農地としての日本3番目の大干拓地ですが、遠浅の漁場をつぶし、煮ても焼いても食えないカブトガニを壊滅した後に、酪農地と農業空港とペンペン草が広がる・・・県・市の持ち分は、3:2ということですが、どないしますのん?
 中四国州州都建設をという珍説もある中、いずれ、2号バイパスが、中を抜けます。



【栄農王国】

 ところで、19日に、オープンした備中町の「栄農王国山光園」には驚きました。陥没する地域と全国に名を派し、いまや、岡山の果物4天王入りを狙うサクランボに挑戦する平川地区も、非常に山の中なのですが、西山地区も、なかなかどうして、標高が、480mの山の中です。


 備中町は、トマトの生産量・販売額とも、県内一が、ピオーネは、第6位ですが、国の新山村振興等農林漁業特別対策事業などにより、国・県・町で、総事業費約3億3300万円で、約20haを開墾、就農者住宅を建設、トマト農家8組、ピオーネ農家3組を雑誌などで募集。

 研修機関2年間は、月額15万円の支給をはじめ、奨励金が、100万円、さらには、例えば、5年後には、土地450uと約17坪の平家住宅を495万円で、農地も、10aあたり50万円で、購入できるという特典があり、500万円以上所有し、200万円を保証金として出せる、という条件に対して、多くの希望者がありました。
 そして、いわゆる、20代から30代の都会の企業戦士と言ったような方が、ご夫婦、御家族で、入植されています。

 好条件なのか、どうなのか、私には、わかりません。ただ、はっきりしていることは、地域あげて、地域に骨を埋める方として、本当に暖かく大切にお迎えしているということでしょう。

 そして、本当に大きな人生の決断をされて、岡山県を選んで下さったことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
ttp://www.town.bitchu.okayama.jp/news/..%5Csangyoka%5Cbit-zouseipage1.htm


 個人的には、一方で、笠岡湾干拓地があり、一方で、深刻な後継者不足や担い手育成のために、こうした新しい農地を開墾して作るということが、全体としてはどうなのか。これから土地を肥やすことを考えれば、既存の工業団地が、農地でいけない理由があるのか。入植者は、日本人でないといけないのか。特に、地域独自で、勝ち残るという施策を取った時のバランスはどうなのか、それどころではないのか、正直、わかりません。

 少なくとも、就農人口を増やすということで、できる限りの、お膳立てすることは、有効な施策に違いありませんが、むしろ、答えは、新しい村に育った子供が、どういう選択をしていたのか、30年先でないとわからないのかもしれません。

 ただ、それぞれの人生ですし、なにをもって幸せというのか、行政の費用対効果でどうのこうのという話のはずもなく、なんとも難しいです。


 いずれにせよ、心から、家族が幸せになることを祈りたいと思います。
 なぜだかちょっと、全然違うとわかっていながら、「北の国から」のメロディーを口ずさみつつ・・・。

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