過去の岡山県議会一般質問集 <中心市街地活性化>篇

<平成26年2月定例会>(2014年3月6日)

(佐藤)  先ほどの件では,特に公共交通の分担率,この数値目標を持った計画を具体的につくっていただきたいということは要望させていただきたいと思います。
 ところで,今秋,JR岡山駅前に年間2,000万人の来客を見込む西日本最大のショッピングモールの開業を控え,岡山でも生活に必要なさまざまな機能を中心市街地や鉄道の駅など公共交通が利用できる拠点の近くに集めることで,市街地の拡散を予防し,交通機関や自転車,徒歩などで十分に暮らせる街,すなわちコンパクトシティーの議論が盛んになってきました。ショッピングセンターや病院などの公共機関が街の中心ではなく郊外の大きな道路沿いに出店したり移転することが多くなっておりますが,自動車を運転できないと途端に日常生活は非常に不便になってしまいます。また,薄く広く市街地が広がるということは,将来の行政コストを上昇させる要因となります。こうした問題点を解決するために,街をなるべくコンパクトにまとめて,街の中での移動に電車,バスなどの公共交通機関を走らせ,市民の誰もが街の中で自由に移動でき,誰もが住みやすいまちづくりを実現するのがコンパクトシティーの目的です。これに関連して,国土交通省からは都市再生特別措置法と地域公共交通活性化再生法の改正案,経済産業省からは中心市街地活性化法の改正案が提出され,もはやコンパクトシティー化は国策とも言えます。県内でも,岡山市以外にも玉野市,備前市,新見市も集約型のまちづくりの方向に進んでおります。コンパクトシティー化の認識とそれぞれのコンパクトシティーにおける公共交通ネットワークをいかに構築するかを含めて,県が支援すべき内容についてどのようにお考えか御所見をお聞かせください。
 そして,コンパクトシティー構想の中で,岡山市は路面電車のJR岡山駅前東口広場乗り入れを検討しますが,率直な御感想をお聞かせください。
 実は,駅前乗り入れは,さらに,広域に考えたときには,JR岡山駅からは8方面に伸びるJR線と路面電車の相互乗り入れが可能であって,吉備線LRT化,さらには周辺の倉敷,児島,宇野,西大寺までLRT車両が乗り入れていく構想の一部である,駅前乗り入れ構想はその一部だということで,JR岡山駅を中心に放射状に広がる将来的なLRTネットワークの構築についての所見をお聞かせください。
 一方で,人口減少や高齢化が進む過疎地域などの集落地域では,今後,暮らしを続けていくことが危ぶまれる状況が全国各地で一層拡大していくことが懸念されます。こうした状況に対して,地域の再生を目指す新たな取り組みとして,医療,福祉,買い物等の日常生活サービス機能を集約させ,暮らしの安心と希望をつなぐ小さな拠点づくりが始まっています。全国に小さな拠点の取り組み事例として,実は岡山県内では笠岡市の北木島町と新見市の哲西地域,きらめき広場・哲西,道の駅鯉が窪が紹介されております。先日,高知県で「小さな拠点」づくりフォーラムが開催されました。特に地域づくりの中心的な役割を担っている団塊の世代の方々がどんどん高齢化されていくこの10年間が正念場と言われる中,課題解決先進県として高知県はモデルを確立し,全国へ情報を発信し,国等への政策提案するために,平成24年,25年度で13カ所の集落活動センターが設置されていますが,市町村の意見,要望を反映しながら今後10年間で130カ所開所し,高知ふるさと応援隊を10年間で1,000人導入することを数値目標に掲げています。実は,2050年には人口が9,700万人になるということですが,その意味というものは,居住できる地域の66%のエリアで人口が半分になる,そして約2割の地域で実は人口がゼロになるということでございます。確かに住みなれた地域に住み続けることが難しい時代にはなってきておりますが,しかし四季折々の多様性のある集落が衰退,消滅すれば,日本そのものが衰退をしてしまいます。また,このことはいずれ日本中が高齢化率40%を超え,今中山間地域に起きていることは大都市部の郊外では必ず起きてくることだという認識が必要です。既に町なかにもいわゆる限界集落は生まれてきております。先ほどのコンパクトシティーと過疎地域における小さな拠点づくりは問題の本質は実は同じでございまして,人口減少社会を迎える日本の根本的な課題であり,対策であると思います。小さな拠点整備について,その拠点を都市部とどう結ぶかを含めて,知事の思いをお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 コンパクトシティー等についての御質問であります。
 認識等についてでありますが,人口減少,高齢化社会に対応したコンパクトシティー化は非常に重要な方向性であると認識しております。このため,県としては,集約型のまちづくりの方針を示すとともに,市町村に対して先進的な取り組み事例や国の支援制度について引き続き情報提供を行ってまいります。また,歩いて暮らせるまちづくりの観点から,公共交通機関を中心とした交通体系の確立に向けた取り組みについても支援してまいりたいと存じます。
 次に,路面電車の岡山駅東口広場への乗り入れについてでありますが,乗り入れが実現すれば,JR,路面電車双方の利用者にとって利便性が向上するなど,県都である岡山市のイメージアップにもつながるものと期待しているところであります。
 次に,LRTネットワークの構築についてでありますが,LRTは低床式で誰もが利用しやすいなどのメリットがある中で,吉備線への導入については電化など多額の事業費が必要であると聞いており,岡山市とJRとの間で運行区間や事業費等について検討を重ねた上で進められるものと考えております。倉敷等へのさらなる乗り入れについてのお尋ねですが,現在検討されている吉備線の状況等も踏まえ,関係自治体,JR等の考えも聞いた上で検討すべき事柄であると存じます。
 次に,小さな拠点整備についてでありますが,過疎化,高齢化が進む中山間地域では,生活に身近な行政,診療所,介護施設,商店等を一地域に集める小さな拠点の整備は理想的な対策の一つと考えております。こうした地域が高度で多様な機能を持つ都市部との間で,交通の確保を初め,両地域の連携,交流を図ることは極めて重要であり,県としてもこうした取り組みを支援してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  どうもありがとうございます。コンパクトシティーにしても,小さな拠点にしても,これは今まで県のスタンスとして市町村の動向を見守る,あるいは国の政策の打ち出しを待つというふうなことが多いわけでありますが,具体的にも岡山市さんが非常に活発な動きを始めておるということでございまして,岡山県としてもこの応援も必要だということもあると思いますが,知事の役割として,各市町村の首長さん,そして何よりも県がやらなくてはいけないこととして国との連携というのがあると思います。国とのパイプをいかようにつくってそれを市町村とどのように結ぶか,その中で知事自身が果たされる国とのパイプ役としての役割についての御認識を,コンパクトシティーと小さな拠点それぞれについて同じ課題だと思うんですが,お知らせいただければと思います。

(知事)  コンパクトシティー,小さな拠点,それぞれについて私が市町村と国の間に立ってどのような役割が果たせるのか,役割を果たすべきかという御質問に対してお答えをいたします。
 実際,国としても,基礎自治体,市町村大変数が多いものですから,そういう意味でも,ある種問屋的機能として県の役割は重要だと思っております。市町村の中には直接霞ヶ関とのパイプの太い方もいらっしゃいますので,その方がいろいろ工夫をされることを私が何か間に割って入るようなことはあえて必要ないと思いますけれども,何か市町村でやりたいことがあると,直接訴えかける場合でもなかなか響いてこないというときに私が皆様方の声を集約して国にお届けする,もしくは国から聞いてくるというのは私の大切な役目であろうと感じております。
 以上でございます。



<平成25年6月定例会>(2013年6月14日)

(佐藤)  次に,本県の強みを生かした産業の振興の中から,都市機能を充実させるために,今ある既存の地域の資源をいかように生かすかということも重要だと思います。県施設の後楽園,県立博物館,県立美術館,天神山文化プラザ,県立図書館,ルネスホール,そして市の施設の岡山城,シンフォニーホール,オリエント美術館,岡山市民会館,さらに民間の夢二郷土美術館,林原美術館といったカルチャーゾーン,さらに人と科学の未来館サイピア,生涯学習センター,池田動物園,京山ソーラー・グリーン・パーク,岡山光量子科学研究所,岡山国際交流センター,きらめきプラザ,総合グラウンド,これらは全てセンター機能を持っているものなんですが,例えばこれは循環バスが走っててもいいような施設なんですけど,これもない。十分にリンクしておりませんし,また,必ずしも岡山市と県の連携が十分じゃないというふうに思います。加えて,特に指定管理者制度の導入の中で,コストばっかりが重視されて,本来なぜその箱物が必要であるか,そうした理念にさかのぼって考えられるべき施設が必ずしも十分にセンター機能を果たせていないんじゃないか,そうした疑問がある施設もございます。これらの認識と今後の対応についてお伺いをいたします。
 ところで,これに関連して,生物の歴史から人間を考えることをテーマに,恐竜を中心とした古生物,地質学の研究とその研究に基づいた展示,教育活動を行っている林原自然科学博物館についてお伺いいたします。
 同博物館は,常設展示施設は持っておりませんが,大小さまざまな企画展示や講演,ワークショップなどの普及活動を通じて研究成果を公開されております。ただ,ああいうことになりまして,その後,本当に瀬戸内市さんの大変な御努力があって,今,保管していただいているということで,そのことには本当に感謝と敬意を表させていただきたいと思います。その中で,昨秋,林原類人猿研究センターから京都大学へチンパンジーが移動になったことは,記憶に新しいんですが,個人や民間企業のコレクションという域をはるかに超えた学術的に貴重なものであるにもかかわらず,場合によっては譲渡,一部これはモンゴルに返さないけんもんもありますが,県内から散逸するおそれがございます。時代が違うとはいえ,箱物まで建設した岡山市立オリエント美術館を思うときに,こうした場面でやはり県内にある貴重な文化的資源を守るため,私は行政が積極的にそれを譲り受けてその活用を考えるべきではないかというふうに思います。しかし,これは民と民をつなぐ話になるわけでありますが,例えばでありますが,県として譲り受けて,スペース的には十分保管,展示も可能と思われる池田動物園や京山ソーラー・グリーン・パークに,貴重な恐竜の化石標本を展示すれば,問題になっております池田動物園についてもさらなら集客が望めるかもしれませんし,また,サイピアの横には,岡山っ子のシンボルとも言える恐竜の滑り台がございますけれども。恐竜から今に生きる動物,さらには宇宙まで,全国に希有な自然科学,宇宙科学の社会教育ゾーン,生涯学習エリアを大展開することがあの場所にできるんじゃないかというふうに思います。ましてや,周辺には多くの大学や専門学校や高校,中学校,小学校という限りない地域の資源も集積をしております。全てをウイン・ウインの関係で結ぶことができるんじゃないかというふうに思います。知事が顧客重視,コスト意識,スピード感の3つの視点に立って,限られた資源を最大限に活用するとおっしゃっていただいているのならば,まさにこうした場面で私は腕の見せどころじゃないかというふうに思うんですが,御所見をお聞かせください。
 次に,限られた資源という中で,実は岡山県で産出する石でありますけれども,石には全国で有名な北木石と万成石がございます。岡山県は,花崗岩の実は主要産地でございます。例えば,北木石は北木島から産出して,大阪城の石垣や靖国神社の大鳥居でも使用されております。また,万成地区で採掘される花崗岩である万成石は,イサム・ノグチが愛した素材でもあり,石原裕次郎などの実は著名人のお墓の墓石にも使用されているということで,備中青御影石も高級墓石材として使用されているそうでございます。このような形で,岡山の石には実は大変なブランド力があるんでありますが,例えばコスト削減という観点からか,県内の公共事業で行われる観光地の橋などにも,平気で実は中国の石が使われていたりして,見る人が見ると,これは中国の石じゃねえかというのがわかるという状況になっております。本県の強みを生かした産業の振興という意味では,石材に限らず,必ずしもコストだけでは計算できないすばらしい岡山産の素材を使ってブランド力を上げて,全国発信するということを,私は行政が怠るべきではないと考えますが,御所見をお聞かせください。
 加えて,こうして県産材の活用も含めた産業振興の観点から,特に南海トラフ巨大地震を想定して,木造仮設住宅の供給を確保する動きが進んでおります。木造仮設住宅は,解体をして災害公営住宅などに再利用できるというメリットがございまして,既に11県が業界団体と災害協定を結んでいます。もちろんプレハブが迅速に何かあったときに大量供給ができるのに対して,この木造仮設住宅は,その補完という形になるのかもしれませんが,木造仮設住宅に係る災害協定について御所見をお聞かせください。
 最後に,まさに,旧林原のモータープールに2014年11月,イオンモールの大型ショッピングセンターが開業いたします。私は,本会議で,同跡地には県庁の移転を含めて,官公庁施設を集積すべきだと申し上げたこともございますが,店舗数約350,売り場面積約8万8,000平方メートル,駐車場は立体と地下で約2,500台ということで,いずれも同社の施設では西日本最大規模で,西日本の旗艦店と位置づける施設が誕生いたします。1階中央には,約2,000人収容のイベントスペース,5階に600席規模のホールを設けて,コンベンション機能も設置されております。御案内のとおり,2011年には,倉敷チボリ公園跡地にアウトレットモールと大型ショッピングセンターの複合施設が開業しておりますが,既存の百貨店や専門店などを含めて商業機能が高まる一方,店舗間の競争が激化,既存の商店街等への影響は,これはもう必至であろうというふうに見られております。同施設に対して一方での期待,そして一方での懸念,また,岡山市と一体となって考えるべき岡山県としての課題について御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,既存の地域資源の活用のうち,県施設等の連携についてでありますが,市内中心部に設置された各施設については,それぞれの管理者が施設の設置目的に沿った運営を目指しているものと理解しているところです。また,県や岡山市の施設,さらには民間の施設を加えた連携については,岡山カルチャーゾーンなど一部地域では実現しておりますが,全体としてはさらに連携の余地があると考えております。今後,地域の拠点が有機的にネットワーク化したまちづくりのあり方を,岡山市や関係団体等とともに研究する必要があると考えております。
 次に,林原自然科学博物館についてでありますが,林原グループがメセナ活動の一環として取り組んだ古生物の研究成果や発掘された恐竜の化石は,学術の振興や教育の普及に貢献するものであり,県としても,サイピア等で展示を行うなど活用しておりますが,こうした貴重な標本資料等は学術的な研究機関に集約されて保存されることで,多面的な研究や活用が進むものと考えております。林原自然科学博物館では,今後,県内の大学との連携を進めると聞いており,県としては,そうした動向を見守ってまいりたいと存じます。
 次に,岡山産素材についてでありますが,お話のとおり,本県には北木石や万成石等の有名なブランド石材があり,これまで県立図書館を初め数多くの施設等において使用し,アピールに努めてきたところでございます。県では,こうした取り組みに加えて,石材や繊維,耐火物原料等すぐれた素材を生かした魅力ある製品の開発や販路開拓を目指す県内中小企業に対して,きらめき岡山創成ファンドを活用した支援を行っているところであり,さらに国や関係機関と連携して,岡山産素材のブランド力の向上を図ってまいりたいと存じます。
 次に,木造仮設住宅に係る災害協定についてでありますが,県では,災害が発生した際に被災者の応急仮設住宅を確保する必要があるため,既に関係団体とプレハブ仮設住宅の建設や,民間賃貸住宅の提供に関する協定をそれぞれ締結しているところであります。お話の業界団体との木造仮設住宅を供給する災害協定につきましては,当該団体が全国規模であること,また,県内の登録業者が少ないことから,県産材利用などの産業振興の効果は限定的であると考えておりますが,引き続き検討してまいりたいと存じます。
 次に,大型ショッピングセンターへの認識についてでありますが,西日本有数の大規模な商業施設が本県の玄関口である岡山駅前に誕生することは,広域交通網の結節点としての拠点性を高めるとともに,にぎわいの創出や観光産業への波及,雇用の増加などの面で極めて大きな効果があると期待しているところでございます。一方,御指摘のように,既存商店街等への影響が懸念されているところですが,年間2,000万人を超えるとされる集客力は,地元商店街等においても,ビジネス拡大に向けた絶好のチャンスに成り得ると考えております。県としても市や支援機関等と緊密に連携し,大型ショッピングセンターとの相乗効果が発揮できるよう,学生のアイデアを活用した商店街の魅力アップや小売業者の経営安定対策等に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(佐藤)  これは質問というよりは,私がこういう夢を持っておるので,どのようにお感じになられますかというようなことになるかもしれませんが,先ほど来申し上げている岡山市,政令市になってなかなかこのまちづくり等については岡山県が余り物を言う立場にはない状況にはなっておりますが,しかしながら一方で,岡山市内に本当に岡山県のセンター機能を持つ多くの施設が集積しておるということで,先ほどるる申し上げた施設をぐるっとめぐれば,子供たちが本当にあらゆる可能性に触れることができる,文化であったりスポーツであったり,そしてこのたび我々も宇宙少年団の桃太郎分団というのをつくりますが,宇宙に触れていく,科学に触れていく,そして国際交流もできる,ぐるっとめぐるだけで子供の可能性があふれている,そうした地域だというふうに思っております。その中で,特に今本当にこれは瀬戸内市さんの大変な御努力で,この林原自然科学博物館にあったものを管理していただいておるわけでありますが,これはやっぱりそれぞれ思いがあられると思うのでありますが,やはり数も大変膨大にあるということで,そして最終的には半分ぐらいはモンゴルのほうに,これはお返しせにゃあいけんというのもあるんですが。一方で,この施設にあるものが名古屋の科学館に行ったり,よその地域の科学館に行って,岡山から来た化石だというふうなことで,全国に広がっておる。もちろん学術的なそうした意味合いも強いと思うんですが,その中で学術的な研究機関に,動向,推移を見守りたいということであるんですが,願わくば子供たちに触れる場所に置いてもらいたいというふうに思います。やはり子供たちが化石を見て,一方でプラネタリウムを見て,宇宙飛行士になりたいなと思う子もいるかもしれんし,サイピアの横は昔の古代の地層がありますけれども,どこにでも岡山県の中,可能性があるということで,全部が全部,学術的なところに行く必要もないと思いますので,少しでもそれが,例えば池田動物園や知事も行かれたことあると思いますが,京山ロープウエー,恐らく共通の思い出が岡山っ子としてはあると思うのですけれども,岡山市の中心部をめぐると,子供たちの夢がいろんな方向に広がっていくんだ。その中で,化石については倉庫の中,あるいは学術機関の中にずっとあること,守られるのも大切なんですが,できるだけ人目に触れられる場所,願わくば池田動物園なんかにあれば,ナウマン象と象の違いと,一方は化石ですけれども,こっちは生きとるというふうな,キリンと恐竜どっちが大きいとか,あるいは今の爬虫類と昔の爬虫類の化石を比べるとか,いろんなところで子供たちの関心を引いて,そこから夢に広がっていけるもんがあるんじゃないか。そして,池田動物園の話については,なかなかこれは民間の施設でありますから,それを応援するということは難しいかもしれませんけれども,一方でしかしながら行政のほうの形がどっかで絡んでいければ,少し,また,形も変わってくるんじゃないかなというふうに思います。
 いずれにしても,この岡山市中心部のこのエリアについて,それから先ほどね,学術的な研究機関,推移を見守るだけではちょっと寂しい感じがするんですけれども,子供たちにできるだけ触れるような形になることをお考えいただけないかなということで,これはちょっと御感想を聞かさせていただければと思います。

(知事)  せっかくの岡山の財産である化石等をどのように生かしていくのか,また,岡山市との連携について,権限はないにしても,もっともっとできることはあるのではないかという御質問,御要望についてお答えをいたします。
 確かに,岡山市が政令市になって,岡山県として直接権限を持って何かすることができなくなった部分もございますけれども,岡山市は岡山県にとって大変大切なパートナーでありますので,ぜひいろいろな,岡山市民にとって,岡山県民にとってよさそうなことであれば積極的に提言をするですとか,相談するですとか,連携していきたいと思っております。
 また,化石についてでございますが,それぞれの恐竜の化石,もう一億年以上も地中に眠っていたところをせっかく掘り起こしてもらったわけでございます。このまま,また,倉庫の中で眠るということになると,大変もったいないようなこともございますので,ぜひ場面場面で子供たちや市民の目に触れる場面ができるように,岡山県としても働きかけてまいりたいと思います。
 以上でございます。



<平成24年11月定例会>(2012年12月7日)

(佐藤)  どうしても今回の議論というか,これは抽象的な話にならざるを得ないわけでございますが,逆にこれから議会が重ねられて具体的な施策が出てくるうちに,あのときこの議会でおっしゃっていただいたことの理念というのが,あれはどうだったんだろうという原点の部分ということを確認させていただきたくて,今この質問をさせていただいております。
 そしてその中で,次は具体的な話として,特に知事が力を入れられたい施策,産業の振興,教育県岡山の復活,県民が安全・安心に暮らせる地域づくり,県民全てが誇りを持てる岡山県づくりのうち,この中で特に知事が挑戦されたいという,本県の発展の礎となる経済の活性化と教育の再生についてお伺いいたします。
 まずは,産業の振興についてでございますが,ある意味FA宣言した選手を連れてきたり,ドラフト会議で有望選手を指名するような優良企業の誘致を進めて,人・物・金の誘致を図ったり,あるいはオンリーワン企業の転換を支援するということは,これまでもやってきたわけでありますが,これはなかなか成果が出ておらんという現状がある一方で,やはりまずは地域住民であられる地場の中小あるいは零細とも言える,そうした,時には個人の企業に元気になっていただくこと,いわば既存企業の底上げを図っていくことが,私はより現実的なことだというふうに思います。
 そこで,商工会,商工会議所,中小企業団体中央会などとの連携,さらにはこうしたところで地域をリードする人材育成支援についてのお考えをお伺いいたします。
 また,一方で,国内外の地域と競い合いながら積極的な交流を行っていくためには,岡山県の顔となり,発展への原動力となる都市機能の高度化を図る必要があると考えられますが,市街地の再開発,中心市街地活性化,商店街の活性化についての御認識をお伺いいたします。
 加えて,岡山県がその資源を十分に生かし切っていないのが観光産業ではないかというふうに,私は思うんですが,特に後楽園周辺整備事業としての出石町の整備計画を白紙撤回して以来,なかなかこれは兼六園等と比べても後楽園はうまく生かし切れてないんじゃないか,市の所管の岡山城と県の土木部所管の後楽園が,必ずしもうまく連携する形で観光客を呼び込めていないというふうに思いますけれども,この点について今後の方策も含めて御認識をお知らせください。

(知事)  お答えいたします。
 産業の振興についての御質問であります。
 まず,商工会等との連携強化等についてでありますが,厳しい経営環境の中,地域の雇用を支えている中小零細企業の経営改善や新分野にチャレンジする取り組みを積極的に支援するためには,事業者が持つさまざまな課題にきめ細かい経営指導を行う商工会等との連携は欠かせないものと考えております。資金繰りや販路開拓など,さまざまなニーズに的確にお応えするためには,各団体の指導員のさらなる資質の向上を図る必要があることから,現在,県では,若手職員を対象にした専門的な研修や実践的なセミナーなどを行っており,今後とも,商工会等が地域の中小企業から信頼され,地域経済の振興の重要な担い手となるよう,人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
 次に,市街地の再開発等についてでありますが,中心市街地や商店街の活性化,都市機能の高度化などのまちづくりは,地元自治体がみずからの責任において行っていただくことが基本であり,現在,中心市街地活性化法に基づき,県内4カ所で主体的なまちづくりが進められており,県では協議会に参加し,アドバイスを行っております。一方,商店街の多くは,経営者の高齢化や人口減少等により活力を失っていることから,県としては国の支援制度や全国の成功事例等を積極的に紹介するとともに,全県を対象にした個性豊かで頑張る小売店を表彰する制度の創設,高校生や大学生の斬新な発想を生かし,若者が参画した商店街活性化やまちおこしのアイデア募集などを行っており,これらの取り組みを通じて,各地域の元気づくりや魅力の向上を応援してまいりたいと考えております。
 次に,後楽園と岡山城との連携についてでありますが,後楽園の夏の幻想庭園や秋の誘い庭園とあわせて,岡山城においてもイベントの開催や開館時間の延長を行うとともに,年間を通した共通入園券の販売など,岡山市と連携して入園者の増加に努めてきたところでありますが,共通入園券の利用者が後楽園入園者数の約8%程度にとどまるなど,十分とは言えない状況であると認識いたしております。本年度は,市や関係機関との連絡会議を設置し,両施設のホームページを相互に閲覧できるよう改善したところであり,今後は,共通の観光パンフレット,ポスターの作成や観光プロモーションの実施も検討するなど,岡山市との連携をさらに密にし,誘客につなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(佐藤)  今までちょっと抽象的な議論が続いているので,この部分についてはもう少し具体的な答弁が欲しいなあというのが,まことに申しわけないですけど,今の御答弁,今までの御答弁と何も変わらない,特に中心市街地の活性化等については,これは基本的には市町村,基礎自治体がやることですよと,商店街についても言ってみれば県のやられる施策はそうないんだと,それから先ほどの後楽園の問題にしても,もう少し踏み込んだ,特にこれは選挙戦のときにも知事御本人がおっしゃっておられたことでありますから,やはりここはもう超えていっていただかなくちゃいけない。特に,農林水産業の振興,これは岡山県の産業の中枢として,もちろんこれは育てていかなくちゃいけない,ブランド化も進めていかなくちゃいけない,一方でやっぱり農村部が元気になる,中心市街地が元気になる,私はこれはリンクしている問題だと思います。中心市街地,商店街を元気にさせようとしようとすれば,郊外が元気にならなくちゃいけない。郊外が元気になって,農村部が元気になって,公共交通をどのように考えるのか,そうしたことも考えていかなくちゃいけない。だから,全部私はつながっている話だと思います。特に,中心市街地で生まれ育ち,周辺を見てこられた知事の思いを,やはり中心市街地に対する思い,商店街に対する思いというのを,やはりこの場で私は何か熱くなるようなものをおっしゃっていただきたいなという気持ちがあります。ただ,あくまで県という組織でありますから,これは中心部だけがようなりゃあええんじゃという話じゃなくて,そのためにも郊外が,農村部がようならにゃあいけんという話だと思いますが,ちょっと今までと余り答弁変わらんぞということで,ちょっとがっくりしております。
 プラス後楽園の問題につきましても,たちまちすぐに問題なのは,やはり岡山城がこれが市の所管である,そして後楽園についても,これは土木部の方には申しわけないけれども,一方でこれは文化財として守るという,一方の役割がある。しかし一方で,観光施策としては,本当にこれは十分にお客さんを呼び込めとるかな,と考えたときに,やはり県のほうから一歩踏み込んで市のほうに働きかけていかないと,これは兼六園にはとても勝てないよと。ましてや,出石町の再開発,これを白紙撤回した後がこの状態ということで,私は県の責任が多いというふうに思っております。いずれにしても,商店街,中心市街地に対する知事の熱い思い,そして後楽園について,市と組んでどうするのか,それについて再答弁お願いいたします。

(知事)  佐藤議員のまちづくりに対してもっと熱い思いをという質問もしくは要望に関してでございますが,熱い思いは夜になってお酒を飲んでからのほうが適切なのではないかと考えております。一言この厳粛な場で申し上げさせていただくとするならば,後楽園が観光を管轄する場ではなくて,土木を管轄する部署が監督しているということを教えていただいたときには,改善の余地があるのではないかと思った次第でございます。後楽園は,皆様御案内のとおり,日本三名園の一つでございまして,大変な財産でございます。この財産をいかに有効活用して,他県から来ていただくか,県内の方にも楽しんでいただくか,これはもっともっと工夫できる余地が残っていると,私は確信いたしております。

(佐藤)  なるべく議論というのは会議録に残したいというように思っておりまして,私それほどお酒が強うございませんので,できれば本会議場とか委員会で議論を闘わせたいなあというふうな気持ちがあるということは,申し上げたいと思います。



<平成17年11月定例会>(2005年12月8日)

(佐藤)  次に,大型小売店の撤退やシャッター通りの拡大など,商店街の衰退が進む中心市街地の活性化についてお伺いいたします。
 1998年5月に大規模小売店舗法(大店法)の廃止が決まって,これらの法にかわるものとして成立したのが2000年6月に施行された現行の大規模小売店舗立地法,いわゆる大店立地法及び改正都市計画法,中心市街地活性化法のいわゆるまちづくり三法であります。従来の大店法は,営業規制を主にしてきたもので,既存の商業に大きな影響を与える大型店舗の出店については,中小小売店の保護の観点から,商業上の調整が可能とされていましたが,後にできたこの大店立地法は,交通渋滞,騒音,廃棄物問題等,社会環境的な視点で規制していこうとするもので,先ほどの商業調整は禁止して,出店地周辺の生活環境の維持に絞って基準の遵守を自治体が勧告できるとしています。また,中心市街地を活性化するための中心市街地活性化法,そして市町村が独自の判断で土地の用途規制を行える改正都市計画法,このまちづくり三法を活用すれば,大店法が廃止された後でも大型店の立地調整を含むまちづくりには一切支障がないのではないか,そのように考えられていました。ところが,法制定後7年が経過してどうでしょうか。期待された効果が上がらないどころか,むしろ大規模な農地転用や無秩序な郊外開発によって大型店などの大規模集客施設の郊外立地が進んで,その影響でとりわけ中心市街地が破壊されてしまっているのが現状であります。このことは,地域の商店街を直撃するだけではなくて,経済の健全な発展にとっても大きな阻害要因となり,また,コミュニティーの衰退,伝統文化の継承の困難,青少年問題の深刻化,高齢者の生活の不便増大など,社会問題をもたらしています。特に病院や学校などの公共施設も郊外に流出する一方で,高層マンションの再開発ラッシュは,私は新たな課題を生み出しそうな予感もいたします。
 こうした状況の中,国の方でも,国土交通省がまちづくり三法の見直しに入っていますが,国のこうした法整備を待てる状況にはなく,自治体にも大きな動きがございます。福島県では,人口減による中心市街地の空洞化を防ぐため,大型商業施設の郊外進出に対して全国初の規制条例「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」を可決,そして熊本県も条例制定には時間がかかってしまうために,法的な拘束力が弱くても即効性のあるガイドラインによる郊外出店の規制に乗り出したと聞いております。ただ,雇用創出の場にもなるこうした郊外型店舗には,マイカー利用者の支持も強く,また,規制緩和の波に乗って郊外の出店をふやしてきた流通業界からの反発も考えられ,さらには独自の規制強化で,それならばと出店を近隣都道府県に切りかえる動きにもなりかねず,規制についてはその効果を疑問視する声があるのも事実であります。
 まず,空洞化する中心市街地と大型商業施設の郊外進出の状況について,また,その相関関係に対する認識,そのために県として何をなすべきなのかを知事にお伺いいたします。
 また,改正都市計画法について,用途の指定に取り組んでいる市町村はごくわずかなのが実態ですが,まちづくり機関にNPO法人が追加されました。中心市街地の活性化に取り組むTMOなどに対して十分な支援が行えているのでしょうか,産業労働部長にお伺いいたします。
 ところで,大店立地法の最大の欠陥は,これは国にゆだねなくてはいけないことではありますけれども,地元商業者の意見を聞く仕組みを緩めたことにあると思います。また,事業者に対しては,地元商店会や地元町内会への加入,また,地元でつくっているまちづくり協議会などへの負担金,消防警備費の負担など,地域と一体となった企業姿勢を求める必要があります。また,開店及び施設変更後の店舗周辺の生活環境の変化というものについては,出店前にはなかなか把握できない点も多いことから,設置者による出店後の生活環境調査の実施や都道府県,市町村に対する報告,住民等に対する説明会の開催を求めるべきでもあると考えます。こうした点についていかようにお考えでしょうか。
 ところで私は,中心市街地の活性化は農村の活性化と裏腹であると思います。かって歳末の商店街は,秋の実りで収益を得た農村部からのお客様でにぎわいました。都市を支えていたのは農村であり,農村を支えていたのは都市であります。いわゆる食料自給率がわずか40%,しかもこれから人口が半減していこうという我が国において,いたずらに農地や山林をなくしてそれを住居や商業施設にかえていけば,いずれ都市部,農村部両方が持続不可能な時代が来てしまう,私はそのように考えています。一方で私は近い将来,仮に人口がふえなくても,平日は都市部に暮らして,土,日は農村部に,そういった形でコミュニティーを二重に暮らそうという方が出てくるのではないかと考えております。とりわけ交通網が発達した岡山県ならばそれが可能になります。あるいは都市部では賃貸マンションで,農村部では一戸建てを持つ,例えば,都市部も農村部も活性化させる,持続可能な町にする,そういった層にインセンティブを与えて誘導していくということも考えてよいのではないでしょうか。
 一昨年度,「岡山県中山間地域活性化基本方針」が示され,昨年度には「岡山県過疎地域自立促進計画」が示されましたが,むしろこれは都市と農村を一体に考えて,都市農村交流基本計画のようなものをつくる時代に来たと思いますが,これからの都市と農村部の関係がいかにあるべきか。また,そのためにどんな計画にし,どのような施策をとるべきか,知事のお考えをお知らせください。
 これに関連いたしまして,中心市街地はもとより中小小売店を初めとする中小零細企業の支援には,地域の経済団体が当たってくださっています。経済団体を取り巻く状況も大きく変わろうといたしておりますが,中小零細企業の方々が安心して的確な相談や指導を受けられる,このことのできる体制を維持するとともに,その指導力の高度化を図ることが肝要であると考えますが,その経営支援機能の強化についてどのように考えておられるでしょうか。
 また,経営基盤が脆弱な中小零細企業にとっては,さまざまな融資が資金調達に果たす役割が極めて大きいわけですが,要するに望まれるのは,赤字でも無担保・無保証人で利用できる,そんな制度があれば一番いいわけですけど,そういった融資制度であります。政府系金融機関統合の流れの中で,今後の県制度融資の方向性として,どのような内容でどのような対象に対して行われるのか。また,県の役割,さらにその中での県信用保証協会の役割といったものについてお知らせください。
 また,こうしたいわゆる資金ぐりに悩む中小零細企業につけ込んで融資保証金詐欺,いわゆる貸します詐欺でございますが,増加傾向にあります。保証金などの名目で金銭を振り込ませてだまし取るという犯罪で,振り込め詐欺の一形態ではありますが,実に巧妙につくられた金融機関などを装うにせのダイレクトメールを信じてしまい,全国で被害が続出しております。県内における実態と対策について警察本部長にお伺いいたします。
 さらに,よく言われることでございますが,有効求人倍率が上がってもその実態は派遣,パートの求人であると言われております。しかし,優秀な人材を正規社員として確保したいという要請が中小零細企業にないわけではありません。ただ,本当に欲しい人材とミスマッチを起こしている点は否めず,いわゆるトライアル雇用の活用やさらにはアンケート等を実施して,本当に中小零細企業が欲しい人材を把握するなど,ミスマッチ解消策をさらに推し進める必要があると考えますが,いかがお考えでしょうか。

(知事)  次に,中心市街地の活性化等についてでございます。
 空洞化する中心市街地の状況等でありますが,本県でも,平成12年6月の大規模小売店舗立地法の施行以来,店舗面積1,000平方メートル以上の立地は中心地でわずか1件でありまして,郊外が51件でございます。これが中心市街地の大型店の閉店や商店街の空き店舗が見られる一つの要因であると認識しております。現在国において,都市計画法等のまちづくり三法に関しまして,経済産業省や国土交通省の審議会において,郊外への大型店舗の立地規制について検討されておりまして,県といたしましては,その動向を注視しながら,市町村が行う計画的なまちづくりや中心市街地の活性化の取り組みについて積極的に支援してまいりたいと思います。
 生活環境調査等でありますが,大規模小売店舗立地法において出店後の変更の届け出が義務づけられておりまして,さらに本年10月には国の運用指針で,届け出後,例えば,騒音等の生活環境に予測と実態との間に著しい乖離が生じた場合におきましては,設置者が再調査を行って,事後の対策を講じるよう努めるということが必要であるとされたところであります。県では,この指針をもとに,設置者に対しまして報告を求めますとともに,事後の対策を講じるよう指導いたしまして,店舗周辺の住民の生活環境が維持されますように取り組んでまいりたいと存じます。
 都市農村交流でありますが,都市と農村は補完し合い共生する関係でございまして,都市と農村の住民がそれぞれの地域が持つ魅力を享受できますように,「人・物・情報」が双方向で行き交うライフスタイルの実現を促進するための施策が必要であると考えております。このため国におきましては,平成14年から継続して,都市と農山漁村の共生・対流の推進について法整備も視野に入れた検討を進めておられまして,お話の「都市農村交流基本計画」の策定等につきましては,これらの動向を見守りながら研究してまいりたいと思います。
 経営支援機能の強化でありますが,県では,商工会等の広域化による専門的指導体制の確立や経営指導員等の資質向上を図るため,平成14年7月に「岡山県商工会議所・商工会広域化マスタープラン」を策定したものであります。その趣旨に沿って,商工会が82から来年度には20に,また,岡山と西大寺商工会議所が19年4月の合併を予定されるなど,合併が積極的に進められているところであります。合併によって今まで以上に創業や経営革新などの経営指導の充実が図られまして,地域の中小零細事業者に対しきめ細かな指導が行われるものと考えております。今後とも,県といたしましては,中小零細事業者のニーズに対応した指導ができますように積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 制度融資でありますが,今後の方向性などは地域経済の実態に応じた対応が必要であると考えておりまして,他県よりも低い開業率をアップするための創業資金や新たな事業展開のための経営革新資金に加えまして,県が推進しております重点6分野の産業クラスター形成に対応する資金などを新たに設置いたしたいと考えております。県は,これらの制度の創設とともに,利子補助やリスク軽減のための損失補償などによって,中小企業者の資金調達をしやすくし,中小企業の振興を図るということが役割と考えております。また,信用保証協会につきましては,県と連携いたしまして,大企業より信用力が低く条件が不利な中小企業者で民間金融機関から融資を受けにくい企業に対しまして,円滑な資金調達ができるようにすることが重要な役割であると考えております。
 雇用のミスマッチ解消でありますが,岡山労働局の統計によりますと,警備業や建設関係の職種等で求人倍率が高く,事務的職業では倍率が低くなるなど,こうした職種において求人と求職のミスマッチが起きておりまして,また,お話ございましたように,企業にとって欲しい人材が必ずしも採用できないという状況もあると認識しております。このため県では,インターンシップや職場見学会の実施,若者就職支援センターでのきめ細かなカウンセリング等を実施いたしまして,本人の適性に応じた就職を勧めているところであります。また,求職者が少ない業種においては,各企業において職場環境の改善や人材育成に取り組むことを期待しているところでありまして,今後これらの啓発を進めますとともに,岡山労働局や経済団体等とも連携を密にいたしまして,中小零細企業が求める人材を把握しながらミスマッチの解消に努めてまいりたいと存じます。

(産業労働部長)  中心市街地の活性化に関しまして,TMO支援についてでございますが,県内では現在,中心市街地活性化基本計画を策定しております3市1町のうち,倉敷市,津山市,和気町にまちづくり機関であるTMOが設立されております。TMOに対して,事業計画の策定や専門家派遣,にぎわい創出のためのイベント等に国が支援し,県では商店街の空き店舗へ進出するための改装費等へ支援をしております。このことが中心市街地の活性化に直接結びつかず,効果的に活用されていない状況が多く見受けられているところでございます。しかし,倉敷市のTMOにおきましては,平成14年度から屏風祭りに,本年からは日曜朝市に取り組み,にぎわいを創出している例もあり,県といたしましては,今後,県内のTMOの取り組みが積極的に行われますよう支援してまいりたいと考えております。

(警察本部長)  まず,融資保証金詐欺の実態と対策についてであります。
 初めに,実態についてでありますが,本年11月末現在の県内の融資保証金詐欺認知件数は288件,被害総額は約2億600万円で,前年同期に比べ件数で2件,被害総額で約1,600万円増加しております。この種事案は広域的で,また,振込先が他人名義の預貯金口座であり,だまし役と金の引き出し役を役割分担するなど,犯人の特定が非常に難しいものとなっておりますが,警察庁や関係都道府県警察と連携した上,金融機関等にも協力を求めるなどして鋭意捜査を推進しているところであります。本年に入り,融資保証金詐欺本犯を16件7名検挙するとともに,融資保証金詐欺に関連した通帳等詐欺事件について10件3名を検挙しているところであります。
 次に,被害防止対策についてであります。
 昨年の上半期に振り込め詐欺の認知件数が急増したことから,同年7月振り込め詐欺警戒警報を発令し,金融機関・自治体等と連携してポスターの掲出,チラシの配布などを実施するとともに,新聞,テレビなどあらゆる広報媒体を活用しての広報啓発に取り組んでいるところであります。また,県警察ホームページに,融資保証金詐欺を含む振り込め詐欺の疑似体験コーナーを開設するとともに,防犯一口メモとして,最新情報やその対抗要領を掲載するなどして,被害防止対策に取り組んでいるところであります。



<平成14年12月定例会>(2002年12月10日)

(佐藤)  次に,中心市街地についてお伺いいたします。
 私は,中四国州の州都岡山市という大きな夢は描きたいものの,現在の岡山市の合併・政令指定都市化問題,特にその進め方についてはやや思うところがあります。が,それはさておいても,この数年で県都岡山市の中心市街地は大変な変貌を遂げ,あるいは遂げようとしています。その象徴のように,全国で3番目になる超低床路面電車「MOMO」が走り,岡山駅西口地区の再開発事業においては,駅東口地区と一体的な整備が進みます。しかも,岡山駅周辺の中心部の補完機能を持つ西部新拠点を目指して,岡山市の長年の懸案であった操車場跡地及びその周辺の整備が進み,平成15年春の完成を目指し多目的ドームの工事も進んでおり,新駅の設置に向けた動きも出ています。さらに,先日,「ザ ハヤシバラ シティ構想」も発表され,まるでバブル崩壊前のような大構想がメジロ押しの状況であります。
 ところで,私は,平成11年6月定例会で,「中心市街地の活性化のためには,まず第1に,恐らくこれ以上都市が郊外へ拡張していくことを抑制し,また都市にある既存のストックを活用して整備を進めていく必要があると思います」と申し上げました。街は西へ西へと広がっていく,そういった世界の定説がございますが,あえて申し上げれば,少子・高齢化の時代にこれ以上に街の拡大を続けて持続可能な街足り得るのか,インフラ整備が既になされている既存の中心市街地に再投下する方が,より効率的・効果的ではないのかという疑問を持つに至っております。
 そこで,知事に伺います。
 県都としての岡山市の中心市街地はどこであると考えられ,また,「ザ ハヤシバラシティ構想」に対して今後どのような支援をなされるのでしょうか。
 また,駅元町地区市街地再開発事業などの西口周辺整備と連動して,市が計画しているJR岡山駅の機能強化について,県はどのようなスタンスをとられるのでしょうか。

(知事)  次に,岡山市の中心市街地についてのお尋ねでございます。
 中心市街地はどこかというお尋ねがございましたが,これは岡山市が御答弁されるべき内容であろうかと,このように思います。したがって,岡山市がまとめられました中心市街地活性化基本計画を読ませていただきますと,その中では,岡山駅や表町を中心とした商業・業務機能や文化施設が集積した区域を中心市街地として位置づけていると,このように聞いております。
 「ザ ハヤシバラ シティ構想」についてでありますが,この構想は,岡山駅前という県の玄関口に当たる大変重要な地域を,21世紀にふさわしいにぎわいのある魅力的なまちに創造しようというものでありまして,この開発が,岡山市のみならず,県下全域に大きな波及効果をもたらすということを期待をしております。支援につきましては,今後,この構想が実現化する中にありまして,まちづくりに関して一義的な権限と責任を有し,中核市でもあります岡山市の御意見というものを十分踏まえながら,適切に対応してまいりたいと考えております。
 岡山駅の機能強化についてでありますが,駅の交通結節点としての機能強化や利便性向上のために,岡山市が西口駅前広場の拡張や駅の東西を連絡する自由通路の整備を計画をしておられます。県といたしましても,これらの事業が円滑に推進されますように必要な支援を行ってまいりたいと存じます。



<平成13年12月定例会>(2001年12月12日)

(佐藤)  特に,商店街のみならず,文化ゾーンの玄関口である表町地下駐車場の見直しがされるということでありますが,まさにこの地は国の予算の重点7分野の一つである都市再生そのものに関する地域のことでありまして,2万人の居住可能性のある中心市街地において,駐車場をこのように縮小する以外に方策がないのか,土木部長にお伺いいたします。

(土木部長)  表町の地下駐車場の見直しについてでございますが,この駐車場の利用実績は計画を大きく下回っておりまして,事業終了年度の平成32年度におきましては,累積欠損額が80億円以上になる見通しでございます。県財政に大きな負担となるということでございまして,このため,問題を先送りすることなく,抜本的な対応策といたしまして,道路公社の事業を廃止しまして,県に移管する方向で見直しを進めておるところでございます。
 現在の機械式駐車場は,維持管理する上で多額の経費を要するとともに,入出庫が非常に不便な構造でございまして,低コストで利用しやすい平面自走式駐車場に改良いたしまして管理運営をいたしたいと考えているところでございます。
 なお,市街地の中心部の駐車場対策につきましては,今後,岡山市やそして地元関係者と十分に協議をいたしてまいりたいというふうに考えております。



<平成12年2月定例会>(2000年3月8日)

(佐藤)  岡山市中心市街地活性化について幾つか質問させていただきます。
 6月議会で質問させていただきました,中心市街地活性化の一環としての岡山市内の路面電車の延伸化環状化について,去る2月28日岡山市の街づくり交通計画調査検討委員会は,JR岡山駅前から岡山大学病院前までの1.6キロについて,路面電車を延伸する第1期整備路線案をまとめました。渋滞対策,採算面に課題が残り,かぎは市民の合意であると言われています。県としては,どのように対応されていくお考えでしょうか,知事にお尋ねいたします。
 また同様に,中心市街地の活性化の一方策として,6月議会で質問させていただきました歩行者専用のショッピングモールを公共交通機関が走るというトランジットモールの実験が,昨秋県庁通りで行われました。地域住民の評価は分かれたようですが,今後,トランジットモールについて,県としてはどう取り組んでいくのでしょうか,土木部長にお伺いいたします。
 終わりに,先日,岡山市が発表したいわゆる操車場跡地の利用案について,県としてはどのように評価しているのでしょうか。周辺の道路整備,施設整備等も含めて積極的にかかわっていかれるのでしょうか,知事にお伺いいたします。

(知事)  岡山市中心市街地活性化対策でございます。路面電車の延伸化等についてでございますけれども,岡山市におかれましては,まちづくり交通計画調査検討委員会の提言を受けられまして,今後,市民合意などこういった諸課題に取り組んでいかれるものとお聞きをしております。県といたしましては,その状況を見守りながら,引き続きできる限りの協力をしてまいりたいと存じます。
 操車場跡地の利用案についてでございますが,先般,岡山市において,新たな操車場跡地整備構想というものを発表され,引き続きこの構想に基づいて来年度で整備基本計画の策定に取り組まれる予定であると,このようにお聞きをしております。県といたしましても,この構想が岡山市の発展に寄与する計画となりますように期待をしているところでございます。この構想が進んでいく中にありまして,周辺の道路整備等について必要がございました場合は,県のかかわり方について岡山市の方ともこれから十分協議をしてまいりたいと考えているところでございます。

(土木部長)  トランジットモールについてでございますが,この手法は,欧米において都心部の活性化の方策として成功事例が多いと聞いております。昨年秋の県庁通りでの実験においては,トランジットモールとは何かを市民の方々にPRするとともに,導入の可能性を探るなどの試みがなされたものと理解しております。県としましても,このような実験を通して,まちづくりへの効果や市民の方々の理解を得られるよう引き続き協力してまいりたいと考えております。



<平成11年6月定例会>(1999年6月24日)

(佐藤)  「中心」をテーマに質問をさせていただいておりますが,次に,中心市街地についてお伺いいたします。
 飛躍的な交通網の発達により,人,情報,資本の大都市周辺への集中が進んだ現在,地方分権の時代を迎えて生き残りをかけた都市間競争はますます激しくなっています。岡山県民は岡山県民の足で立って歩きなさい,地方分権の時代は県民一丸となって戦わなくてはいけない,そういった厳しい時代だと思います。岡山が地域特性を生かして,中四国の中核拠点として発展を続けていくためには,さらに都市機能が強化充実され,都市の魅力が増していかなくてはいけません。
 そういった中で,県内の都市部の中心部で,少子化高齢化と相まって,いわゆる都心の空洞化が進んでいることは,岡山県全体の衰弱を意味することになります。都心部こそ人や物が集中し,情報や文化が出会い,魅力を生み出すところであり,この都心機能という心臓部が弱まることは,県全体の弱体化に直結するのではないでしょうか。何よりも一大消費地であり,しかも観光客になり得る人々が暮らす場である都市部は,農村部や観光地と深く連関しており,その振興のためにも都心部の中心市街地に求心力を求めなくてはいけません。今まさに,官民挙げて都心部を,中心市街地を再活性化させなければ,都市間競争の勝利者としての岡山の未来はあり得ないという時代に来ています。
 中心市街地の活性化のためには,まず第1に,恐らくこれ以上都市が郊外へ誇張していくことを抑制し,また都市にある既存のストックを活用して整備を進めていく必要があると思います。第2に,歩行者や公共交通優先の空間への再構築が必要であると思います。平成7年に,岡山商工会議所が「都心は人が集まり住むところ」という根本理念のもとに,人と緑の都心1キロメータースクエア構想を提言されていますが,まさに中心市街地のにぎわいこそが岡山の活力の源だと思います。何としても中心部に人を呼び戻すことが重要であると考えます。
 こういった前提から,幾つか質問をさせていただきます。
 第1に,岡山市が昨年7月に施行された中心市街地活性化法の適用を受ける前提条件としての基本計画を3月に発表したわけでありますが,岡山県としてはこれにどのように対応していくのでしょうか,知事にお尋ねします。
 第2に,例えば岡山市や倉敷市といった規模の町では,事業者と地域住民,そして商店街が中心市街地において三位一体で共存すべきであると思いますが,商店街の活性化について,具体的にどのような支援策を設けていますか,商工労働部長にお尋ねいたします。
 さらに,現在検討されている,いわゆる福祉のまちづくり条例の中に,商店街が障害者の方用のトイレをつくったり,スロープの設置などをする場合に補助がなされることを検討されているでしょうか。先日,私は,福祉のまちづくり条例の先進地である兵庫県を訪ねたところ,コンビニエンスストアのトイレに至るまでバリアフリーが意識されており,大変感動いたしました。全国的に見ても,制定のおくれている岡山県の福祉のまちづくり条例であるからこそ,その先進性が期待されるところでありますが,今後,バリアフリーの商店街として,人に優しい商店街を目指して活性化を図ろうとするケースは当然出てくると思います。商店街の公共性にかんがみても,福祉の観点からの補助は必要ではないでしょうか,商工労働部長にお尋ねいたします。
 第3に,いわば空洞化に伴う定住化対策として,若い世代に対して低い家賃で入居のできる公営住宅の建設など,特段の配慮が必要なのではないでしょうか。現状で,子供がいる20代,30代の夫婦が中心市街地に暮らすことは極めて困難かもしれません。土木部長にお尋ねします。
 第4に,中心市街地の小中学校の再編成問題に関して,例えば,県として旧丸之内中学校跡地に岡山県立図書館の建設を計画しておられますが,再編成後の跡地利用について,中心市街地活性化の観点から何か青写真を持っておられるのでしょうか,お教えください。教育長にお尋ねします。
 第5に,都心部の公共交通政策に関してお尋ねします。公共交通は,いわゆる都市の装置として,水道やガスのようにだれでも享受できるものと位置づけるべきであると考えますが,21世紀の基幹交通を考えた場合,やはりバスと路面電車ということになると思います。そして,特に自動車交通の限界さらに環境対策,地球温暖化防止対策,高齢者・障害者対策の観点から,路面電車が急速に見直されているところであります。また,郊外ショッピングセンターに対抗して,歩行者専用のショッピングモールに公共交通を走らせるというトランジットモールの手法は,都心部の活性化としてヨーロッパで成功している例があります。
 そこで,知事にお尋ねします。中心市街地の活性化の方策として,路面電車に対してどのような認識をお持ちでしょうか。
 また,岡山市の中心市街地活性化基本計画の中の重点事項として,路面電車の環状化及び延伸が掲げられていますが,県としてはどのように対応されるのでしょうか,お答えください。
 さらに,路面電車に関して,お隣の広島電鉄で6月9日より全国で2番目に超低床電車の営業運転が始まりました。早速,路面電車と都市の未来を考える会──これはRACDAといいますが,この会の会員として,私もこのグリーンムーバーという電車に乗ってまいりました。運行上幾つか問題点もあるようではありますが,広島駅と宮島を1日数往復するこの電車は,現代的な外観と相まって爆発的な人気となっており,いつも満員です。なるほど車内にステップがなく,ホームとの段差もわずかなため,車いすもスムーズに乗りおりできたり,プラットホームが病院と直結していたり,感心することしきりでありました。まさに,都市の水平エレベーターとして路面電車の可能性というものを実感いたしました。ちなみに,広島電鉄では,ことし10月までに3編成を加えるそうであります。もちろん問題は,その値段でありますが,1編成3億4,000万円であるとのことですが,国からかなりの補助が出ています。また,現在いわゆるノンステップバスがだんだんと走り出しており,特にお年寄りの方に好評を博しています。こういった超低床電車あるいはノンステップバスの導入に対して,福祉の観点も含めて,どうバックアップしていくのでしょうか,保健福祉部長にお尋ねいたします。
 第6に,いわゆる福祉のまちづくり条例に絡んで,土木部長にお尋ねいたします。たとえハートビル法に合致した建物であろうと,車いすの方用のトイレをつくろうとも,あるいはノンステップバスが大量に導入されようとも,そこまでの歩道等がバリアフリーでなければ意味がありません。どんなに建物の中に段差がなかろうと,手すりがあろうと,点字ブロックの上に自転車が放置されているような状況ではそこまでたどり着けません。少なくとも,ノンステップバスが導入されれば,そのバス停は,あるいはバス停までの歩道等は,徹底してバリアフリーでないといけないと思いますが,どのように対応されるのでしょうか。
 また,兵庫県で行われているように,指定区域を設けて,その中では徹底したバリアフリーを図り,行政としてもバックアップをすることは可能でしょうか。特に,お年寄りや障害をお持ちの方に対してのみならず,ユニバーサルデザインとしてのまちづくりが期待される中心市街地では,こういった施策が極めて重要だと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。保健福祉部長にお伺いいたします。

(知事)  中心市街地の活性化の問題であります。
 岡山市の基本計画への対応でありますけれども,この岡山市がつくられました基本計画は,早期に取り組むべき事業が盛り込まれました,いわゆる短期計画でありまして,中長期の計画につきましては,今後,民間事業者,商業者等と協議をされながら作成をされると,このようにお聞きしております。
 基本的には,市町村,すなわちこの場合は岡山市が主体的に実施をすべきものでございますが,個々の事業の実施に当たりましては,岡山市と十分に協議調整をしながら,できる限りの県としての協力をしてまいりたいと,このように考えております。
 路面電車でありますが,都心部における渋滞対策や駐車対策などの観点から,路面電車の活用というものは都市交通の手段として期待をされておりまして,中心市街地の活性化の有効な方策の一つと,このように考えているところでございます。
 現在,岡山市の方におかれまして,路面電車の路線延伸等について検討が進められていると,このように聞いておりますが,県といたしましては,その実現に向けまして,引き続きでき得る限りの協力をしていきたいと,このように考えているところでございます。

(保健福祉部長)  低床電車やノンステップバスの導入に対するバックアップについてでございますが,高齢者や障害者等の外出を支援し,社会参加の促進を図る上で,安心して利用できる,そうした交通手段の確保は大変重要な課題であると存じます。
 こうした車両の導入につきましては,現在,国の鉄道軌道近代化設備整備事業やバス利用促進等総合対策事業などによる補助制度がございまして,事業者の要望や市町村との役割分担などを考慮しながら,支援のあり方について検討してまいりたいと存じます。
 次に,指定区域についての御質問でございますけれども,商業施設などが集積している区域を指定いたしまして,面的なバリアフリー化を図る,こうしたことは福祉のまちづくりのための大変有効な手段の一つだというふうに考えてございます。
 具体的な施策として実施するためには,地元市町村,住民,関係機関との役割分担や経費負担など,さまざまな課題もありますが,今後,研究を進めてまいりたいと存じます。

(商工労働部長)  商店街の活性化についてでありますが,県といたしましては,従来から,商店街のアーケードや街路灯整備などに助成する商店街活性化基盤整備事業や商店街組合等が取り組む独創的な事業に助成する商業フロンティア育成事業など,ハード,ソフト両面から各種支援を行ってきたところであります。
 また,今年度新たに,空き店舗に新規創業者等が出展する際の支援等を行う新商人育成支援事業や,商店街がみずからの活性化方策を検討するためのコンセンサス形成事業などを設けたところでありまして,今後とも,まちづくりの主体である市町村と一体となりまして,商店街の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 それから次に,商店街のバリアフリー化のための補助についてでありますけれども,高齢化社会を迎え,高齢者や障害者等の社会参加を推進する上で,福祉のまちづくりの一環として商店街においてもバリアフリー化を進めることは,これからの社会にとって重要なことであると考えております。
 現在,施設の整備基準や取り組み主体等は,福祉のまちづくり条例検討委員会で審議中でありまして,その検討結果を踏まえ,まちづくりの主体である市町村とも相談しながら研究してまいりたいと考えております。

(土木部長)  中心市街地への定住化対策についてでございますが,居住のために新たな公営住宅を建設することは,用地の確保や民間賃貸住宅との競合などの観点から困難でありますが,今後,中心市街地及びその周辺部にある老朽化した県営住宅の建てかえに当たりましては,居住水準の向上や良好な住環境の確保を図っていきたいと考えてございます。
 次に,歩道等のバリアフリー化についてでございますが,昨年度よりハートフルロード推進事業において,国,県,市及び高齢者,障害者,車いすを利用されてる方々が一体となって,中心市街地を計画的に総点検し,放置自転車の撤去等を含め,歩道の段差解消等必要な改善を進めてるところでございます。
 なお,ノンステップバス導入に伴うバス停につきましても,各道路管理者とバス会社から成る乗降施設検討委員会を設置し,障害者の利用が見込まれる箇所について順次改善を進めてるとこでございます。
 今後とも,関係機関との連携を図りながら,これらの対策を積極的に推進し,人に優しい道づくりに努めていきたいと考えてございます。

(教育長)  小中学校の再編成とその跡地利用についてのお尋ねでございますが,この件につきましては,学校の設置者である市町村が検討すべき課題でございますので,県教育委員会としては,特に青写真といったものは持ち合わせておりませんので,御理解いただきたいと思います。
 お話のような,中心市街地での再編計画としましては,現在,岡山市で児童数の減少が顕著な中心部の小学校の再編成について,中心市街地の活性化の観点からの跡地利用も含め検討されておりますが,他の市町村における中心市街地での再編計画については承知しておりません。

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