2004年9月24日(金) 【南厚北薄】

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 地方振興局見直しについて、3つの県民局のうち、備中局となれば、あまりに範囲が広く、まさに、南厚北薄ではないかという声があります。
 均衡ある国土の発展という理想は崩れているのかもしれませんが、一極集中的な、敢えて言えば「一人勝ち」のような施策は、結果として、県全体を疲弊させるような気がします。
 大所高所から長期的歴史的視野を持って、政治をしないと、街栄えて、山河が滅びます。例えば、市町村合併も、共存共栄の精神が基本だと思います。そこを惑うと、末が乱れます。
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 本日は、文教委員会。付託されている請願陳情の審査など。
 国の義務教育費国庫負担制度堅持については、委員会的には、継続となりましたが、来たる埼玉国体応援のために上京の際に、委員会として、文部科学省・初等中等教育局から話を伺うことになっています。

 地方振興局見直しについて、3つの県民局のうち、備中局となれば、あまりに範囲が広く、まさに、南厚北薄ではないかという声があります。

 岡山県の場合、195万人口のうち、半分以上が、岡山市・倉敷市に集中していますし、大方の予想のように、備前県民局が岡山市(岡山地方振興局)に、備中県民局が、倉敷市(倉敷地方振興局)に来れば、確かに、その傾向を助長しかねないかもしれません。

 均衡ある国土の発展という理想は崩れているのかもしれませんが、一極集中的な、敢えて言えば「一人勝ち」のような施策は、結果として、県全体を疲弊させるような気がします。
 地域間競争とはいえ、寄らば大樹の影ということには、なかなかにならないと思います。

 日本国で見れば、東京一極集中の弊害が言われますが、それは、岡山県内でもあることで、本来は、共存共栄こそが政治の取るべき道だと思います。

 それは中心市街地の活性化とは矛盾するものではなく、敢えて言えば持続可能な都市づくりを考えた時に、全体のグランドデザインを示した上でのゾーニングであり、また、それぞれの核の連携を考えるということです。


 本日の委員会で、地域児童数のデータが示されました。
 少子高齢化と言われていますが、平成13年と16年の比較において、岡山県内78市町村のうち11市町村が、小学校児童数が増加。66市町村が減少しています。

 トップの倉敷市は、944人の増、2位の岡山市は、819人の増。以下、3位の瀬戸町が47人増、4位の早島町が、39人増、5位の吉永町が、30人増ですから、いかに倉敷市、岡山市に、児童が流れているか分かります。

 一方、最大の減少は、笠岡市で、267人の減。割合で言うと、工業団地から2つの会社が撤退したのが影響してか、勝央町が、80人の減。作東町も、なんと97人のいわゆる自然減で、大変な状況です。
 津山市は、167人、新見市は、161人、高梁市は、130人の減です。


 ところで、これを倉敷市だけで見ると、旧倉敷にある大高小は、124人増で、1355人の超巨大校。しかし、水島の第三福田小は68人、霞丘小は62人の減。JFEへの統合の影響と言われています。

 ちなみに、岡山市で言えば、芥子山小156人、大元小118人、御南小93人、吉備小93人、宇野小86人、西小79人、可知小75人の増で、明らかに、中心が西に動いているのが分かります。


 興味深いデータは、山陽町のもので、昭和40年に、児童数が、679人でしたが、昭和45年大規模宅地開発の分譲が始まり、ピーク時の昭和60年には、小学校も2つ増えて、2727人。
 そして、平成16年現在は、さらに小学校が一つ増えたにもかかわらず、1654人と、ピーク時から1000人以上減りました。

 ただ、岡山市の場合、大規模な分譲の宅地開発によるものなのか、むしろ、コーポ、マンションの賃貸住宅の増加によるものなのか、あるいは、分譲マンションによるものなのか、そのあたりは不明ですが、しかしはっきりしているのは、どこに増加のピークが来るか分からないということです。

 そこを基準にすると、いつか、無駄になる部分も出てくるかもしれません。これを読み切るのは至難の技でしょう。
 それでも予測はしないといけません。
 それを予測しながら、街づくりは進める必要があります。


 そして、少なくとも、子供が増えていない状況で、特定の地域で、著しく子供が増えている状況があり、それを施策として推進すべきなのかどうか判断は迷うと思います。
 あるいは、ゼロサムゲームで、こちらが浮いた分、どこかが沈んでいるかもしれないのですから。
 そのことは、短期的に見れば、活性化に見えても、長期的に見ると、全体の力を下げることになるかもしれません。


 願わくば、総力そのものを上げるに越したことはありません。例えば、子供のことであれば、どこやかしこで増えてくれれば良いのですが、安定的な消費に裏打ちされた産業や労働力、マンパワーが、徐々に地域から減ってくるようなことがあれば、地域間格差は、益々拡大し、そのバランスの欠如が、様々な問題の誘因になるように思います。


 政治の目的は、絶対多数の絶対幸福であるとすれば、南厚北薄の現状にしても、一人勝ち施策にしても、いずれ禍根を残すことになるように思います。

 大所高所から長期的歴史的視野を持って、政治をしないと、街栄えて、山河が滅びます。
 例えば、市町村合併も、共存共栄の精神が基本だと思います。そこを惑うと、末が乱れます。

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