2003年8月11日(月) | ||
【都市再生緊急整備地域指定について】 | ||
内閣官房都市再生本部が、7月18日に、第3次の「都市再生緊急整備地域」を指定・政令公布したことは、さほど大きなニュースになっていませんが、岡山中心市街の街づくりにおいては、これから、じわじわ効いてくる非常に重い意味があるものです。
ttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/tosisaisei/kettei/030718housin.html そして、いわゆる中心市街のグランドデザインが描けていないと言われる中で、非常にイメージが湧き易いものになっています。 そもそも、岡山市・岡山県の連名で申出に基づいて、決定されたのは、岡山駅東・表町地域の47haですが、言うまでもなく、これは、「ザ・ハヤシバラシティー構想」と「中央南小学校(跡)地利用」等を念頭に置いたもので、個人的には、ある意味で、政策的なものでもあるように思います。 そういった意味では、その動向について、目が離せませんし、逆に、私自身も、議員として、これらを踏まえた上で、発言をしていくことになります。 ところで、「都市再生緊急整備地域」とは、平成14年公布の都市再生特別措置法に基づき、国が政令で指定するもので、「主に民間による都市開発事業を適切に促進することなどによって、緊急かつ重点的に地域を整備し、豊かで快適な、さらには国際的にみて活力に満ちあふれた都市に再生する拠点とするもので、その整備に関する方針については、国が地域毎に地域整備方針として定めること」となっています。 「都市再生緊急整備地域」に、地域指定されれば、都市再生特別措置法上、公共施設等の整備を伴い、一定以上の区域面積を有する優良な建築物を建てようとする場合、@都市計画の特例(用途制限、容積率の限度、建築物の高さ制限等の建築制限の緩和)や、A国からの金融支援の措置が用意されています。 他都市でいえば、例えば、東静岡駅周辺地域においては、静岡市と清水市との合併により誕生した新しい静岡市において、旧両市の中間に位置する東静岡駅周辺地域に、政令指定都市への移行も見据えた、市庁舎をはじめとする、静岡の新しい顔にふさわしい中枢となる交流拠点を形成する、という話。 お隣広島のように、貨物ヤード跡地地区において、広島のシンボルとなる新たなにぎわいのある都市拠点を形成しようという話。 那覇旭橋駅東地域においては、沖縄の玄関口である那覇空港と中心市街地を結ぶ沖縄都市モノレール旭橋駅東地域において、老朽建物の更新と低未利用地の土地利用転換により、多様な都市機能を導入した沖縄の新しい顔となる都市拠点を形成 しようという、ような話があります。 今回指定された岡山駅東・表町地域では、岡山の都心部において、低未利用地の利活用、建物の更新等の市街地の再編により、その発展を先導するにぎわいのある交流拠点を形成しようというものです。 岡山駅東地区においては、駅前という立地特性を活かし、工場跡地等の土地利用転換による新拠点の形成をはかるとともに、小学校跡地の活用や建物更新等により、複合市街地を形成しようということで、イメージの中に、林原モータープールや、旧出石小学校跡地が、どう読んでも、入っています。 具体的には、○市役所筋西側の地域においては、文化機能、広域商業業務機能、都市居住機能等を導入 ○市役所筋東側の地域においては、商業、居住、業務、文化等の機能を導入。特に市役所筋沿道においては、居住機能を抑制し、北側に高度商業機能、南側に業務機能を集積 ○ 岡山駅周辺地域関連交通を円滑に処理するため、都市計画道路下石井岩井線を整備 ○ 西川緑道公園沿線及び県庁通りに面した地域において、建物低層部に、連続した賑わいを演出する商業機能等を導入する都市開発事業を促進する、というものです。 また、表町地区においては既存の商業集積等を活かしつつ、小学校用地の活用を契機とした都市機能の再編により、商業をはじめとする多様な機能の都市拠点を形成するとしています。 具体的には、○既存の路線商業集積のある表町商店街地域において、伝統と新しさが融合した商業機能を導入 ○ 小学校用地の活用を契機として、商業・医療・バスターミナル・都市居住機能等を再編 ○表町地域への円滑な交通アクセスを確保するため、バスターミナルの整備を検討する、というものです。 個人的には、エリアや内容、問題意識については、首肯できるのですが、ただ、「小学校用地の活用を契機として、商業・医療・バスターミナル・都市居住機能等を再編」と位置付けていますが、これは、岡山県・岡山市からの申し出に基づき、その内容を尊重したものであるというのが、当局の見解です。 そうであるならば、例えば、6月定例市議会で、採択された「公立小学校用地に私立小学校を誘致する」という陳情と違う意向を行政側が持っているのではないか、と推察されるところです。 それならば、誰かが、何らかの形で、それを示す必要があります。 この部分が、今後かなりの議論になって行くものと思います。9月定例会に向けて、岡山市サイド、議会サイドでどういう議論が展開されるのか、注目されますし、また逆に、県も動いているわけですから、県のスタンスも明らかにして参ります。 いずれにせよ、今回の指定は、議論のスタートであり、なにより、条件整備の意味合いが強いと思います。いわば、中心市街地活性化のための規制緩和が行われたという言い方が正しいように思います。 例えば、高松市は、先に指定されているということでありますし、広島市の指定もあったわけですから、時期は適っていると思います。 要は、これを民間主導で、どう活かしていくのか、が重要です。 そして、なによりも、フランクに議論していくことが、なにより重要だと思います。 | ||
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