2001年4月23日(月) | ||
【熊本を見て 中四国ハブ・バスセンター構想】 | ||
よもや、昨日の通信の後、私が熊本に行ったとは、さすがの皆様もご存じないでしょう。実は、中心市街地の活性化のモデルとして、熊本市の視察にひとりで行ったのです。
どうしても、中心市街地活性化セミナーの自分の核が、見つからないので、もがいているわけです。 ご案内の通り、熊本県は、人口186万人。11市11郡。10地方振興局。熊本市は、人口約663、600人。城下町で、路面電車が走っています。様子や数字だけ見ると岡山に非常に近いのです。 しかし、熊本市の中心市街地の賑わいは、知る人ぞ知る、なのです。 実は、メルトモの同世代の熊本市選出の熊本県議会議員に、以前岡山市の「賑わい」をからかわれた(?)こともあり、悔しいので彼に黙って、こっそり行ったのですが・・・・・ダメージはでかいです。中学校の修学旅行の時、水前寺公園には、勝ったと思いましたが。惨敗。 しかし、熊本市が、どうというより、60万人以上いて、岡山市は、いったいどうなっているのでしょうか?悔しいやら、情けないやらで、ともかくなんであんなに、熊本市の中心部に人が沸き返るのか、その理由を考えました。 いうまでもなく歴史・風土。加藤清正は、メジャーではありますし、熊本城は、日本三名城のひとつです。もとが違う、と言えばそれまでです。 まず、中心市街地はJR熊本駅前ではなく、辛島町を中心としたエリアで、熊本城、市民会館、市役所、ダイエー、鶴屋、岩田屋、商店街が集積しています。やはり、1キロ範囲で、歩けるエリアです。それが、はっきりしています。 ここに、本当に商工会議所の1キロメータースクエア構想の言うように「都心は人が集まり住むところ」という、定義が正しいのか、中心市街地は、人が住むところか?命題が、生まれます。 新宿や、渋谷のど真ん中に、人が住んでいるでしょうか?住むとしたら、どういう形でしょうか?熊本市の商店街の賑わいと、そこに人が暮らすことがどう連関するでしょう。 いずれにせよ、合併、合併で大きくなった街だけに、岡山市は正味30万人クラスの街だと考える方が、本当かもしれません。 それで、さっぴいても、岡山市の中心は、どこでしょう? また、岡山市・倉敷市との足の引っ張り合いのような関係に比して、熊本県では、熊本市は、県庁所在地として図抜けていて、他市とのバランスからも、県都という位置づけが、明確であることも大きいと思います。 岡山県の中心は、どこでしょう? そして、なにより、私は、交通センターの役割が極めて大きいと思いました。すなわち、バスターミナルです。 福岡市には、JR博多駅の真横に、福岡交通センターが、さらに、西鉄福岡駅の横に、天神バスセンターがあるのは、ご存知だと思います。この間に、キャナルシティや中洲があるわけですが、この2つのバスセンターに、福岡空港を加えて、それらを経由して、佐世保、長崎、佐賀、熊本、鹿児島、別府、大分、日田、宮崎、小倉と高速バスが、縦横無尽に走り回っています。 時には、JRと連携して、なにより、しのぎを削って、バスは、極めて安く身近な公共交通機関です。 そして、多くの九州の都市が、さらに船を有効な公共交通手段として持っています。 熊本市の交通センターもしかりです。さらに、天草や延岡などへの路線も加えて、要するに九州中で、行き来するのです。 交通の要衝である駅や港やバスターミナルで、乗り換え、乗り換え、人が動くことで、街が賑い、文化が生まれる。要するに、中心市街地は、必ず交通がクロスする要衝のそばにあり、必ず公共交通機関が交わるのです。 逆に言えば、うまく交わらさせることができれば、必ず賑わいが生まれるのです。もっと言えば、人が居住すること自体は、絶対的な要件ではない、むしろ居住地から移動しやすければ、事足りるのです。 あるいは、交通の要衝から、歩ければ、あるいは、公共交通機関で、移動できれば、賑わいのポイントを移すことが可能です。 当たり前のような発見でした。そして、これが、岡山市の最大の弱点だと思います。岡山は、交通の流れが、人の流れができていません。 せっかくの賑いをこの程度の商圏規模なのに、駅前に地下街を作り、見えないところで止めてしまいました。個人的には、あれで、結果として幾つかの商店街の衰退を生んだと思います。 市内中心部に、各社の車庫のようなターミナルがあり、手前勝手に、公共交通機関を走らせる。その結果、複数の路線が、市内中心部で競合し、交通渋滞つぶしあいを引き起こす。わざわざ、駅と程近い場所に、ターミナルがあり、中心部で、交通の混乱を招く。駅前のあちこちを始発にするバスがあり、誰でも混乱する。 私は、岡山市の交通体系は、全国的にも珍しいほど、グチャグチャだと思います。 もしもできることなら、私は、岡山駅前に大規模な立体のバスセンターを作るべきだと思います。山陰、広島、四国、神戸、大阪方面等々のの高速路線バス(深夜便含めて)、市内循環バス、路面電車、タクシー等々公共交通機関は、全て駅前で、クロスさせるのです。 例えば、4階は、長距離高速バス。3階は、県内長距離、2階は、市内バス、1階は、タクシーと路面電車。表町は、路面電車とトランジットモールで結び、ターミナルは、岡山駅前に集中させるのです。 平面移動でなく、エスカレーターやエレベーターを使った移動です。 できれば、岡山会館やドレミ、高島屋などと、2階でプロムナードが結ばれるのが、好ましいと思います。だいたい、なんで、駅に行くのに、わざわざ地下に潜らねばならんのか・・・。 交通の結節点、岡山県のJR岡山駅前は、中四国広域の電車、バスのハブであり、さらに、京橋や、新岡山港で、瀬戸内海を海で結び、さらに岡山空港もある。そこまで行けば立派です。 商店街の活性化は、もちろん重要ですが、それ以前に、抜本的な交通体系の見直しが、潜在的な可能性を秘めている岡山には、必要だと思います。公共交通をもっとうまく結べば、人がもっともっと動くはずですが。 熊本には、負けてられません。新幹線も通るらしいし、くそ〜。 岡山駅を降り立てば、どう行ったら良いのかいきなりわからない。やっとこさで、地上に出たら、ぱっとしない街並みのそこら中に、違法駐輪。右翼やショーパブ(?)の宣伝カーが走りまわり、茶髪の女子高校生が、あぐらをかいて煙草を吸っている。 こんな駅前は、日本中探しても、そうないと思います。やはり、どこか交通体系がおかしいからだと思います。 中心市街地の活性化と交通体系。皆様どうお感じでしょうか? | ||
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