2005年12月22日(木) 【政策金融の行方】

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 終業式の登校時間の大雪は、岡山市中心部界隈では、むしろ子ども達への少し早いX’masプレゼントのようでしたが、皆様への影響は如何だったでしょうか?午前中は県庁におりましたが、この時期、忙しいのやら忙しくないのやら。
 夕刻には、産業振興財団がからんでの中小企業庁経営支援部長を招いての「政策金融の行方」についての講習会。ちょうど昨日まちづくり三法の見直し案も示されて、まさに絶妙のタイミング。私自身、11月議会で聞いた中小企業支援策の国の動向が、ほぼ網羅されていました。資料も豊富で、こういう催しは、どんどんやって頂きたいものです。
 まず、本日は、政策金融について。
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     ↓ 詳しくは

 全国470万、県内2万といわれる中小企業にとって、円滑な資金供給の確保は最重要課題です。しかし、中小企業向け貸付残高総額は、約254兆円ですが、特に民間金融機関の貸出残高は、不良債権処理の影響により、大幅に現象し、ピーク時の8割を切っています。

 そのうち、政府系金融機関の融資は26兆円、さらに、信用保証付融資は、29兆円で、総額の21%を占めていますが、特徴的なのは、ピーク時の9割を越えていること。
 すなわち、中小企業向け融資の2割を公的機関が安定的に供給しているという言い方がされます。

 政府系金融機関のいわゆる不良債権比率は、中小企業金融公庫が13%、国民生活金融公庫が9%、商工組合中央金庫が5%と多く、これをどう見るかという議論もありますが、民間が優良としない企業にも積極的に貸し出していると解釈できる、そういう意味では、政策金融は中小企業の強い味方と言えます。

 特に、担保・保証人に過度に依存しない融資、セーフティネット対策、起業・事業革新支援、再生支援などを重視するという点では、民間の銀行と違う役割を担っています。
 ただ実際のところ、いろんな声もあるにはありますが・・・・。


 そして、平成14年12月の経済財政諮問会議の「政策金融改革について」を踏まえて、抜本的な改革を行い、平成20年度からの新体制の確立を目指し、この11月29日に、「政策金融改革の基本方針」が発表されています。

 要は、構造改革、「官から民へ」に沿って、機能を限定し、「小さくて効率的な政府」実現に向け政策金融が半減されます。天下りの廃止というのも眼目にあります。

 具体的には、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫等は、少し先になりますが、政策融資から撤退し、完全民営化。
 国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、国際協力銀行は、一部を除き。一つの政策金融機関に統合することを基本とします。


 問題は、政策金融改革で、本当に、現に貸付け等を受けている者および発行債権の所有者に弊害を発生しないようにできるのかということ。
 一番恐れるのは、いわゆる「貸しはがし」のような事態が生じないかということです。
 「官から民へ」は、逆に言えば、「民ができないことは官がする」ということで、政策金融にはそういう要素があるということです。
 加えて、県のレベルで言えば、信用保証協会の役割が益々重要になります。


 この点につき、先日の11月定例会で私がした一般質問と知事答弁は、下記の通りです。個人的には、既存企業の支援を問うているのに、論点のすり替え答弁ではないかな、と感じています。

(佐藤)
また、経営基盤が脆弱な中小零細企業にとっては、様々な融資が、資金調達に果たす役割が極めて大きいわけですが、要するに、望まれるのは、赤字でも無担保、無保証人で利用できる融資制度です。政府系金融機関統合の流れの中で、今後の県制度融資の方向性として、どのような内容で、どのような対象に対して行われるのか、また、県の役割、また、その中での県信用保証協会の役割についてもお知らせ下さい。

(知事)
制度融資についてであるが、今後の方向性などは、地域経済の実態に応じた対応が必要と考えており、他県より低い開業率をアップするための創業資金や新たな事業展開のための経営革新資金に加えて、県が推進している重点6分野の産業クラスター形成に対応する資金などを設置したいと考えている。
 県は、これらの制度の創設とともに、利子補助やリスク軽減のための損失補填などにより、中小企業者の資金調達をしやすくし、中小企業の振興を図ることが役割と考えている。
 また、信用保証協会については、県と連携して、大企業より信用力が低く条件の不利な中小企業者で民間金融機関から融資を受けにくい企業に対して円滑な資金調達ができるようにすることが、重要な役割であると考えている。

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