2005年2月10日(木)
【続・社会科学系の産学官連携の必要性について】

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 昨今の国会の議論は、国民の税金を使った、いよいよ足の引っ張り合いで、そんな暇があれば、少子化対策、教育改革、国民年金の問題等々もう少し身近な問題の議論を進めて頂きたいものです。不安でしょうがないのですが・・・・・。
 明日は、建国記念日で、どう関係あるのか分かりませんが、一日限りの吉野家の牛丼復活が楽しみです。
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  ↓「その1792」の詳しくは、
        (長すぎるので、あまりお勧めできませんが。)
         ※2月定例会一般質問草稿を兼ねています。

 北川正恭前三重県知事の言葉を借りれば、地方の時代において、新しい価値を生み出していく多様な主体にTLOが含まれるとのことでしたが、かってこれほど積極的に大学に注目が集まった時代はないと思います。

 私は、学生紛争を知りませんし、学生運動といえば、私の関与しない学費値上げ反対運動が功を奏し(?)、卒業時の試験が無くなり、いい加減なレポート提出に切り替わり、4年次は、全部「可」になった記憶がありますが(こういう大学側の対応が許されるのが、それらしい)、いずれにせよ長らく、大学が時代を動かす主役にはなっていなかったように思います。

 しかし、まさに、地方の時代の多様な主体には、市民はもちろん、行政、企業、NPOに加えて、大学というものがあると思います。


 ちなみに、TLO(technology licensing organization)
は、大学等の研究成果を適切な企業に移転する技術移転機関であり、技術移転の対価は、大学等の機関だけでなく、大学等を通して発明を生み出した研究者にも還元されて、さらなる研究資金として活用されます。

 要は、TLOには、国公立大学が、民間と連携するための中継基地としての意味があります。

 1998年8月の「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づき、文部科学省・経済産業省が承認したものを承認NPOと言います。

 岡山では、昨年、岡山県の肝入りで岡山県産業振興財団が動き、岡山TLOが設立されています。

 ただ、昨年4月から、国立大学の法人化に伴い、各大学に知的財産本部が立ち上がり、TLOと知的財産本部の関係は、形態も様々で、微妙なものがあります。



 いずれせよ、
 私は、これから先、特に、独立行政法人化された国立大法人を中心に、地方における大学の役割が、益々重要になると思います。

 敢えて言えば、やっと象牙の塔に光が射し込んだという感じで、大学のベールが少しずつ剥がされて行きます。

 もっと言えば、地方の時代において、地方の大学の質が、その地方の命運を決めることになり、産業界のみならず、行政も政治も、もはや大学と無関係ではいられません。

 むしろ、県も市も、大いに大学と連携し、関係を深める必要があります。



 ただ、現在の産学官連携の流れを見ると、ある意味、経済局あるいは産業界からの要請というか、何か画期的な技術のシーズが、大学に隠れていないだろうか?というニーズからスタートした側面が強かったように思います。

 ゆえに、岡山大学地域共同研究センターにしても、知的財産云々と言う場合も、乱暴にいえば、理系の話であり、特に医学・薬学系からすれば、むしろ遅すぎるような流れではないかと言えなくもありません。

 全国的に見れば、早い設立ではなかった岡山TLOにしても、工業、技術系の話であり、参加大学も理系あるいは高等専門学校が主です。

 ちなみに、四国TLOは、四国4県の21大学・高専と連携しており、中四国州を標榜する岡山県が、岡山TLOを基軸にするなら、いかにも視野が狭いと言わざるを得ません。



 ところで、
 しかし、大学のシーズは、何もそうした技術面だけではないと私は思います。

 少なくとも、地方の時代に優秀な人材を地方に排出する、その教育のノウハウそのものが、シーズです。あるいは、特許に馴染むものでなくても、知的財産はあるはずです。


 もっと言えば、人文科学系はもとより、自然科学系でない社会科学系の産学官連携もあると考えます。

 そして、大学コンソーシアムという言葉には、そうした、いわゆる文系の要素も強く含むものであり、先日の岡山経済同友会主催の教育フォーラム「大学の個性と相互連携」は、誠に時期に適ったものであると思います。

 大学コンソーシアムに、産がからむとすれば、岡山型と言えると思いますし、そこに、生涯学習的な人文科学系のみならず、実学として経済界とリンクしたような社会科学系のものまで組み込めば、新しい動きと言えると思います。


 そして結論を急げば、私は、この流れを中高生まで拡大すべきだと考えます。
 それは時には、産業界や大学と結びついたアントレプレナー教育に具現化するかもしれません。

 そして、そのような教育から創業・企業スピリットに溢れた人材を育成する事が、岡山県の活性化のキーになると考えるのです。



 より具体的に書けばこうです。

 とりわけ、私は、いわゆる旧帝大や国公立大学は、多くの人材を排出して来ましたが、例えば、岡山大学が、地方の役人を排出して、あるいは、卒業後は、県外の大企業に人材を排出するだけならば、地方の大学としての責務を全うしていない、少なくとも、地域の活性化に、十分に資するものではなかったのではないかと考えます。

 さらに、県立普通科高校が、県外に優秀な人材を排出、すなわち、大都市の大学に進学し、彼らが二度と再び岡山に戻らないのであれば、これまた、県立の意味がないと考えます。

 政治の世界もそうですが、幾ら人材がいないとはいえ、中央から落下傘の如く降りてきて、やれ岡山が好きです。とほざかれても、これは実につまらんな、という話です。
 地方の人材は地方から湧きあがらないといけません。

 とりわけ、経営者、特に、起業家は、なおのことです。地方の人材は地方から湧きあがらないといけません。


 敢えて言えば、大学なら商学部や経済学部や経営学部、もっと言えば、高校なら商業科から、地域の経営者が、どんどんと排出されないといけません。
 やはり、商売人、経営者が街を元気にします。

 そういった人材を育てるための社会科学系の産学官連携というものもあるはずです。


 あるいは、そういった人材を地域に排出するために、地域の大学が、いかなる努力をしているかが、問われてしかるべきです。経営者、なにより、起業家をいかに養成するかです。

 あるいは、どういった人材が欲しいのか、産業界から、大学等に要請されてしかるべきです。

 優秀な人材の流出県から脱し、岡山の政財界を生っ粋の岡山生まれの岡山育ちが、引っ張っていく、中央と堂々と張り合っていく、それが街の個性であり、街の力です。



 また、社会科学系の大学と官との絡みも重要です。

 もっともっと重要なセクターを大学が担うべきだと思います。憲法上の権利である「大学の自治」は、その社会的責務と矛盾するものではありません。

 学生まで含めれば、総合大学なら、行政と同じぐらいは、様々な分野に、様々な人材がいるのではないかしら。
 NPO以上に、行政と拮抗できる人材と智恵があるはずです。現状を打破できる潜在能力があるはずです。

 行政からの様々な委託研究調査も、どんどんやれば良いと思います。私は、いくらでも調べて欲しいことがあります。どんどん提言されれば良いと思います。諮問されようがされまいが。

 地域の主体として、NPOのように、マスコミのように、大学がなぜもっともっと発言されないのでしょう?
 経済界のトップ、政界のトップと同様、ないし、それ以上の力が、大学人にあっても不思議ではないと思うのですが。



 私は、地方の大学に大いに期待させて頂くものです。良くも悪くも、概して、良い意味で、大学は街の個性、街の未来そのものです。
 もちろん、存在するだけで、経済波及効果もありますが、人材を含めて、未来のシーズが埋まっています。


 大学への期待、大学の責任は、今後益々大きくなると思いますし、必要な支援はしていかなくてはいけないと思います。

 あるいは、大学との連携室というものが、行政機関には必要だと思います。私なら、今すぐ創りますが。



 思うに、
 少子化時代に、大学等は、専門学校化し、大学や短大を出て資格の一つも得られないところは、陶汰される時代が来ることでしょう。

 逆に、人文科学系で、豊かな学問の研究としての大学ならば、進学だけではなく、様々な年齢層が集う場に変わるはずです。本当に学びたい人間はいくらでもいるし、それは、偏差値に関係ありません。

 いずれにせよ、大学、短大、各種学校・専門学校は、いかに実学であるかという意味で、同じ土俵で戦う時代になったのだと思います。

 ここから10年で大学は、産官と連携しながら、さらに物凄い速度で変わって行かざるを得ないと思います。

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《「こころ」に残る例え話》

(お題)

  イルカについて自由に考察して本を書きましょう。

(著書と著者一覧)

 『これがイルカの縄張り争いだ!守れ!イルカの正義』
                             (アメリカ人)
 『LOVE&BODY イルカの求愛に見る愛の形』
                             (フランス人)
 『イルカの血統』                (イギリス人)
 『イルカと楽しく暮らす法ー愉快な遊び方』(イタリア人)
 『男女共同子育てイルカの話』       (デンマーク人)
 『美味い!イルカの食べ方500選』    (中国人)
 『イルカに見る流動力学』           (ドイツ人)
 『幻の白イルカ 神の降臨』          (パラオ人)
 『イルカとカバ どっちが強い?』      (佐藤真治)

 そして
 『おもしろ イルカ BOOK』
      (日本人、但し内容は上記の全ての書籍の抜粋)

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