2004年2月9日(月) 【商工会合併】

 午前中城下界隈と県庁を経巡り、午後から、「商工会合併シンポジウム」に、潜りこまさせて頂き、かねてから気になっていた商工会の合併について伺いました。

 商工会は、設立以来40年。地域の商工業者にもっとも身近な相談役であるとともに、津高マスカット祭り等々地区の伝統的な行事・イベントの主催者として活発に動かれています。


 しかし、中小企業団体中央会あるいは、県の外郭団体である産業振興財団もそうですが、地域の商工業者支援については、行政や外郭団体、民間、政府系・公的金融機関、銀行、信用金庫等、こうした支援団体の役割分担や連携が、より一層求められていて、大きな変革期にあると思います。

 いずれも、経営改善や経営革新の専門機関であることは変わりませんが、地域経済の広域化や事業者ニーズの高度化・専門化、市町村合併の進展等で、地域商工業者にもっとも身近な商工会議所や商工会を取り巻く環境そのものが、大きく変化してきています。


 商工会については、中小企業基本法の改正により、小規模企業政策理念の転換、補助金の減少が、合併に、拍車をかけているところですが、岡山の場合、商工会議所の合併という議論は、出始めたかな、といった感じです。


 岡山県の第三次行財政改革の推進は、間違いなく、こういった団体に対しての補助金削減にならざるを得ないといった流れです。

 ただ、個人的には、そうあっても、まさに、現場で汗をかかれている各団体と十分協議を行い、明確なルールに基づくことが、何より肝要だと思います。

 なぜなら、補助金削減は、イコール人員削減になりかねないからで、行政の削減と一律に論じられない部分があるからです。



 特に、平成13年に商工会法が改正され、商工会合併の協議が活発化していますが、さらに、経済圏や地域の実態に即した様々な形態の合併ができるよう、商工会が、地域の総合経済団体として地域の改善発展を図るべく、特に、飛び地合併等を許容する改正案が、今国会に提出されています。

 岡山市の場合は、この4月1日に、妹尾、福田、興除、藤田の各商工会が合併し、岡山南商工会が、誕生します。

 また、平成13年度には、広域指導体制導入推進委員会によって、「広域商工会の地区割り(案)」が、示されましたが、例えば、岡山北として、一宮、津高、高松、足守の合併案が、出されましたが、実際は、岡山北として、一宮、津高、御津町、建部町、上道の合併が、岡山西として、高松、足守、吉備の合併が、検討されているようです。

 こういった地域の事情というのは、市町村合併同様、なかなか外のものにはわからないといったものです。


 ともあれ、かように、市町村合併と商工会合併は、但し書きもあって、必ずしも、論理的連関はありません。

 商工会の合併の目的は、あくまで、「地域商工業の経営支援機関としての機能の充実」ですから、商工会が、町村合併に先行することも可能なら、町村が合併せずとも、商工会が合併することは可能です。

 あるいは、商工会合併が、町村合併の呼び水になることも、期待されていると言えます。



 ところで、商工会議所と商工会との区別は、皆様しっかりとおつきでしょうか?それぞれ、商工会法、商工会議所法で定められたものです。

 実は、法の目的は同じ、事業内容もほぼ同じですが、設立要件や歴史的経緯、組織の運営方法等で大きく異なります。

 商工会は、主として町村の区域で、地区内の2分の1以上の商工業者が会員になる必要があります。

 一方、商工会議所は、原則として市の区域であり、中堅・大企業の割合が高く、総会は、選挙で選ばれた議員総会で、意思決定を行います。ちなみに、最近では、NPOも有資格者で、「さとうしんじ後援会事務所」も、会員で、1票持っていますが、地区内の2分の1以上といった要件はありません。

 そして、商工会と商工会議所は、他の商工会と商工会議所との地区重複が禁止されています。つまり、商工会がある地域では、商工会議所の会員にはなれません。



 さらに、商工会法7条「商工会の地区は一の町村の区域とする」という原則があり、合併後も、但し書きで、市部でも、商工会の存続が認められているという扱いになっています。

 細かく言えば、町村が合併で市になっても、要件を満たさない限り、商工会のままです。


 合併しても、商工会館は、当面支所として使われ、また、経営指の高度化、専門家、経営指導員の方の研修機会の充実等も言われています。

 ただ、遠いか近いか分かりませんが、いずれ商工会と商工会議所の制度的統一が図られる時期が来るのかもしれません。


 いずれにせよ市町村合併同様、非常にデリケートな議論です。

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