2002年5月28日(火) 【尼崎サミット】

 本日午後からは、兵庫県尼崎市の「第4回中小企業サミット」へ。
 近いと言えば近いですが、半日で往復は、しんどいものがあります。

 「知恵の交流による地域産業活力の創出」をテーマに、突き詰めれば、産学官の連携、産業クラスターの創出の話でした。

 このサミットは、中小企業が集積する10都市(燕市、川口市、大田区、墨田区、岡谷市、浜松市、東大阪市、八尾市、尼崎市、岡山市)の自治体と商工会議所で構成する中小企業都市連絡協議会の主催によるもので、いわば「ものづくり」の都市によるサミットです。


 ただ、実は、10都市の中でも、割合的に、岡山市の工場数や従業員数が、圧倒的に少なく、事例報告をとっても、倉敷、玉野、井原、笠岡、備前はまだしも、どうも、全国的に見れば、「ものづくり」という観点からすると、岡山市は、もちろん、世界に冠たる企業もたくさんありますが、総体として、強くないのではないか、と、認識をせざるを得ない会でした。


 グローバリズムとローカリズムは、表裏と言いますが、産業の空洞化に、どう対応するのか、どこも模索してはいますが、岡山も答は出ていません。

 ツールとしてのITの充実はさることながら、例えば、今後、施策として、福祉関係の、あるいは、環境関係の工場が集積する、いわんや産業クラスターを形成するイメージが、本当に岡山にあるのだろうか、産学官の連携が「ものづくり」に本当に集約されるだろうか、県内の会に出たら、そうかなと思うことも、一歩外に出ると、かえって強い不安を持ってしまいました。

 とりわけ、各地の歴史や風土(県民意識)によっては、産学官連携に際しては、大きな障害にもなりることを今回のシンポジウムから痛感しました。この点、ある意味では、失敗を推奨するかのような浜松の「やらまいか」精神を岡山県は、是非見習いたいところです。


 実際、岡山市は、今後何で食うのか、観光はまだしも、商業都市と言っても、消費には自ずと限界があります。IT、物流、文化、医療福祉をどう「ものづくり」に連関させるかは重要な課題です。

 西から帰る時は、いつも、県境に入ってからの車窓の景色が、私には、本当に恐いです。

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