2001年11月22日(木) 【産業クラスター】

 本日の決算特別委員会は、企業会計の決算認定だけで、15分で終了しました。

 午後からは、黄色いイチョウの絨毯の季節に、情熱祭の大学祭の準備で盛り上がる岡山大学のキャンパスに。
 本日は、経済産業省主催の「地域経済再生イノベーションセミナー」が、工学部で開催されました。いうまでもなく、12月定例議会一般質問のテーマのひとつ「産学官の連携」の資料集めのために、参加しました。


 制度の硬直性あるいは、当事者の積極性の欠如も手伝い、なかなか進んでいなかった産学官の連携ですが、社会・経済状況の変化は、否応なく、三者の結びつきを強化する流れにあると思います。

 独立行政法人化の方向にある国立大学にしてみれば、、自らの手で資金を確保するために、どうしても企業との連携を深める必要があります。
 また、企業にとっては、従来の製品だけでは、この不景気に勝負ができず、とりわけ地域の中小企業にとっては、大学の知的資産を活用したいというニーズが、高まっています。

 一方で、官も、行政改革の流れの中で、変わっていかざるを得ず、特に、国策として、「科学技術創造立国」を標榜する現在、基礎研究の充実を大学に、その研究成果の活用を企業が行い、産業を振興し世界に貢献するための、制度的な整備を行政は行う必要があります。

 そこで、経済産業省は、産業クラスター計画を掲げているわけです。


 産業クライスター計画は、地域経済産業局(旧通産局)が、地方自治体と協動して、有望産業・企業を対象に。産学官の広域的な人的ネットワークを形成し、地域関連施策を効果的に投入することで、地域経済を支え、世界に通用する新事業が、次々と展開され、産業クラスター(群)が、形成されることを目標としています。

 その根本精神において、従来の国土開発の基本である「均衡ある地域の発展」を全面否定し、「地域の特色ある発展」に、シフトしたことが特徴で、いわば護送船団方式から、地域間競争を勝ち抜きたいやる気のある所が、早い者勝ちになる、施策といます。
 当面、地域の比較優位制を踏まえて、全国で、約3000社の中堅・中小企業、19プロジェクトから始められています。

 ちなみに、中国局は、中国地域機械産業新生プロジェクト約70社、循環型産業形成プロジェクト約60社、ということですが、やはり、地域経済、ひいては日本経済を支えるのは、地域で営業・企業活動を行う地域の中堅・中小企業であり、産学官がネットワークとなり、技術、人材、資金、経営情報、販路等で支援していくのは、極めて重要なことです。


 ただ、惜しむらくは、産学官をいう前に、そもそも、学の中、官の中で、どれだけ連携できているのか、やや疑問があります。少なくとも、地域経済産業局と岡山県は、非常に似たような施策をしています。産の側からすれば、一番わかりにくいのは、行政の支援策や、補助金制度かもしれません。ここは正さないといけません。

 また、他地域に比べて、岡山大学は、産業振興に関しては、やや元気がないと言われるかもしれません。

 「科学技術基本法」や「産業技術力強化法」が成立し、民間に対する大学の研究成果の技術移転促進に、制度や予算面で、支援体制が取られつつある中で、岡山大学の地域共同研究センターやリエゾン・オフィスから、特許などが活用されて岡山の産業振興に結びついた、というような話は、これからだと思います。

 県外の学生が多いのも影響しているのかも知れませんが、青春の思い出置き場ではなく、岡山の地域に率先して貢献する、岡山の若者を引っ張っていく、そういう元気な岡山大学、学生に期待したいところです。
 逆に言えば、そうでないと、私立大学以上に、我々の税金で、学生を優遇している理由がありません。

 大学祭に燃える彼らが、次の岡山を担って立つのです。そういう気概が欲しいです。彼らに熱さじゃ負けないぜ!!

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