過去の岡山県議会一般質問集 <科学(宇宙少年団)>篇

<平成25年6月定例会>(2013年6月14日)

(佐藤)  次に,本県の強みを生かした産業の振興の中から,都市機能を充実させるために,今ある既存の地域の資源をいかように生かすかということも重要だと思います。県施設の後楽園,県立博物館,県立美術館,天神山文化プラザ,県立図書館,ルネスホール,そして市の施設の岡山城,シンフォニーホール,オリエント美術館,岡山市民会館,さらに民間の夢二郷土美術館,林原美術館といったカルチャーゾーン,さらに人と科学の未来館サイピア,生涯学習センター,池田動物園,京山ソーラー・グリーン・パーク,岡山光量子科学研究所,岡山国際交流センター,きらめきプラザ,総合グラウンド,これらは全てセンター機能を持っているものなんですが,例えばこれは循環バスが走っててもいいような施設なんですけど,これもない。十分にリンクしておりませんし,また,必ずしも岡山市と県の連携が十分じゃないというふうに思います。加えて,特に指定管理者制度の導入の中で,コストばっかりが重視されて,本来なぜその箱物が必要であるか,そうした理念にさかのぼって考えられるべき施設が必ずしも十分にセンター機能を果たせていないんじゃないか,そうした疑問がある施設もございます。これらの認識と今後の対応についてお伺いをいたします。

 ところで,これに関連して,生物の歴史から人間を考えることをテーマに,恐竜を中心とした古生物,地質学の研究とその研究に基づいた展示,教育活動を行っている林原自然科学博物館についてお伺いいたします。
 同博物館は,常設展示施設は持っておりませんが,大小さまざまな企画展示や講演,ワークショップなどの普及活動を通じて研究成果を公開されております。ただ,ああいうことになりまして,その後,本当に瀬戸内市さんの大変な御努力があって,今,保管していただいているということで,そのことには本当に感謝と敬意を表させていただきたいと思います。その中で,昨秋,林原類人猿研究センターから京都大学へチンパンジーが移動になったことは,記憶に新しいんですが,個人や民間企業のコレクションという域をはるかに超えた学術的に貴重なものであるにもかかわらず,場合によっては譲渡,一部これはモンゴルに返さないけんもんもありますが,県内から散逸するおそれがございます。時代が違うとはいえ,箱物まで建設した岡山市立オリエント美術館を思うときに,こうした場面でやはり県内にある貴重な文化的資源を守るため,私は行政が積極的にそれを譲り受けてその活用を考えるべきではないかというふうに思います。しかし,これは民と民をつなぐ話になるわけでありますが,例えばでありますが,県として譲り受けて,スペース的には十分保管,展示も可能と思われる池田動物園や京山ソーラー・グリーン・パークに,貴重な恐竜の化石標本を展示すれば,問題になっております池田動物園についてもさらなら集客が望めるかもしれませんし,また,サイピアの横には,岡山っ子のシンボルとも言える恐竜の滑り台がございますけれども。恐竜から今に生きる動物,さらには宇宙まで,全国に希有な自然科学,宇宙科学の社会教育ゾーン,生涯学習エリアを大展開することがあの場所にできるんじゃないかというふうに思います。ましてや,周辺には多くの大学や専門学校や高校,中学校,小学校という限りない地域の資源も集積をしております。全てをウイン・ウインの関係で結ぶことができるんじゃないかというふうに思います。知事が顧客重視,コスト意識,スピード感の3つの視点に立って,限られた資源を最大限に活用するとおっしゃっていただいているのならば,まさにこうした場面で私は腕の見せどころじゃないかというふうに思うんですが,御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,既存の地域資源の活用のうち,県施設等の連携についてでありますが,市内中心部に設置された各施設については,それぞれの管理者が施設の設置目的に沿った運営を目指しているものと理解しているところです。また,県や岡山市の施設,さらには民間の施設を加えた連携については,岡山カルチャーゾーンなど一部地域では実現しておりますが,全体としてはさらに連携の余地があると考えております。今後,地域の拠点が有機的にネットワーク化したまちづくりのあり方を,岡山市や関係団体等とともに研究する必要があると考えております。
 次に,林原自然科学博物館についてでありますが,林原グループがメセナ活動の一環として取り組んだ古生物の研究成果や発掘された恐竜の化石は,学術の振興や教育の普及に貢献するものであり,県としても,サイピア等で展示を行うなど活用しておりますが,こうした貴重な標本資料等は学術的な研究機関に集約されて保存されることで,多面的な研究や活用が進むものと考えております。林原自然科学博物館では,今後,県内の大学との連携を進めると聞いており,県としては,そうした動向を見守ってまいりたいと存じます。

(佐藤)  これは質問というよりは,私がこういう夢を持っておるので,どのようにお感じになられますかというようなことになるかもしれませんが,先ほど来申し上げている岡山市,政令市になってなかなかこのまちづくり等については岡山県が余り物を言う立場にはない状況にはなっておりますが,しかしながら一方で,岡山市内に本当に岡山県のセンター機能を持つ多くの施設が集積しておるということで,先ほどるる申し上げた施設をぐるっとめぐれば,子供たちが本当にあらゆる可能性に触れることができる,文化であったりスポーツであったり,そしてこのたび我々も宇宙少年団の桃太郎分団というのをつくりますが,宇宙に触れていく,科学に触れていく,そして国際交流もできる,ぐるっとめぐるだけで子供の可能性があふれている,そうした地域だというふうに思っております。その中で,特に今本当にこれは瀬戸内市さんの大変な御努力で,この林原自然科学博物館にあったものを管理していただいておるわけでありますが,これはやっぱりそれぞれ思いがあられると思うのでありますが,やはり数も大変膨大にあるということで,そして最終的には半分ぐらいはモンゴルのほうに,これはお返しせにゃあいけんというのもあるんですが。一方で,この施設にあるものが名古屋の科学館に行ったり,よその地域の科学館に行って,岡山から来た化石だというふうなことで,全国に広がっておる。もちろん学術的なそうした意味合いも強いと思うんですが,その中で学術的な研究機関に,動向,推移を見守りたいということであるんですが,願わくば子供たちに触れる場所に置いてもらいたいというふうに思います。やはり子供たちが化石を見て,一方でプラネタリウムを見て,宇宙飛行士になりたいなと思う子もいるかもしれんし,サイピアの横は昔の古代の地層がありますけれども,どこにでも岡山県の中,可能性があるということで,全部が全部,学術的なところに行く必要もないと思いますので,少しでもそれが,例えば池田動物園や知事も行かれたことあると思いますが,京山ロープウエー,恐らく共通の思い出が岡山っ子としてはあると思うのですけれども,岡山市の中心部をめぐると,子供たちの夢がいろんな方向に広がっていくんだ。その中で,化石については倉庫の中,あるいは学術機関の中にずっとあること,守られるのも大切なんですが,できるだけ人目に触れられる場所,願わくば池田動物園なんかにあれば,ナウマン象と象の違いと,一方は化石ですけれども,こっちは生きとるというふうな,キリンと恐竜どっちが大きいとか,あるいは今の爬虫類と昔の爬虫類の化石を比べるとか,いろんなところで子供たちの関心を引いて,そこから夢に広がっていけるもんがあるんじゃないか。そして,池田動物園の話については,なかなかこれは民間の施設でありますから,それを応援するということは難しいかもしれませんけれども,一方でしかしながら行政のほうの形がどっかで絡んでいければ,少し,また,形も変わってくるんじゃないかなというふうに思います。
 いずれにしても,この岡山市中心部のこのエリアについて,それから先ほどね,学術的な研究機関,推移を見守るだけではちょっと寂しい感じがするんですけれども,子供たちにできるだけ触れるような形になることをお考えいただけないかなということで,これはちょっと御感想を聞かさせていただければと思います。

(知事)  せっかくの岡山の財産である化石等をどのように生かしていくのか,また,岡山市との連携について,権限はないにしても,もっともっとできることはあるのではないかという御質問,御要望についてお答えをいたします。
 確かに,岡山市が政令市になって,岡山県として直接権限を持って何かすることができなくなった部分もございますけれども,岡山市は岡山県にとって大変大切なパートナーでありますので,ぜひいろいろな,岡山市民にとって,岡山県民にとってよさそうなことであれば積極的に提言をするですとか,相談するですとか,連携していきたいと思っております。
 また,化石についてでございますが,それぞれの恐竜の化石,もう一億年以上も地中に眠っていたところをせっかく掘り起こしてもらったわけでございます。このまま,また,倉庫の中で眠るということになると,大変もったいないようなこともございますので,ぜひ場面場面で子供たちや市民の目に触れる場面ができるように,岡山県としても働きかけてまいりたいと思います。
 以上でございます。



<平成25年2月定例会>(2013年3月6日)

(佐藤)  次に,産業振興の観点から独立行政法人宇宙航空研究開発機構,いわゆるJAXAでございますが,JAXAとの連携についてお伺いいたします。
 いよいよこの春,「生涯学習センター未来科学棟」改め「人と科学の未来館サイピア」がオープンをいたします。デジタルプラネタリウムを設置されて,宇宙に向かって子供たちの可能性が無限に広がっていくことを本当に楽しみにしておりますが,ここでよもやJAXAとの連携,協定締結を考えておられないことはないというふうに思いますけれども,まずそのことを教育長に確認をさせていただきたいと思います。また,このJAXAと連携して災害監視,防災や農林水産業で人工衛星を利用したり,航空産業から航空宇宙産業に視野を広げて産業連携活動を行う自治体ももう出てまいりました。さらに,一歩踏み込んでJAXAとの連携を目指すお気持ちはないか,お伺いいたします。

(知事)  次に,産業連携等についてでありますが,お話のとおり他県では衛星の防災利用の実証実験を行ったり,JAXAの太陽電池パネルの軽量化に民間技術を活用するなどの例も生まれており,本県でも現在,衛星を利用した大規模災害時の岡山情報ハイウェイのバックアップ体制構築について検討を進めているところです。また,これまでも航空機関連の研修にJAXAから講師を招いたり,金星探査機あかつきに登載する小型衛星の開発へ県内企業が参加する等の連携も行われているところです。県内企業の強みを生かした宇宙航空関連の新たなビジネスの創出は大変夢があり,大きなチャンスとなることから,県としてもJAXAとの連携を一層進め,航空機産業を初めとする県内企業の競争力強化に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(教育長)  お答えいたします。
 「人と科学の未来館サイピア」についてでありますが,4月中旬にお話のJAXAとの連携協定を結ぶこととしており,サイピアで実施する講座等への宇宙に関するプログラム提供に加え,学校の授業への講師派遣,教員に対する研修等を予定しております。宇宙政策にかかわる方々や最先端の知見に基づく教材に触れることにより,子供たちの学習意欲の喚起や好奇心の醸成に大きな効果が期待できるものと考えております。



<平成24年6月定例会>(2012年6月26日)

(佐藤)  思えば,落書き調査隊として中心市街地の落書き一斉消去活動をするたびに,知事に御参加いただいたりして,一緒に町じゅうの落書きを消して回ったことは,今となっては何か楽しい思い出でございまして,さらにNPOや国際貢献に関する条例は,一緒につくってきた感もありますし,議会で提言させていただいた「ももっち」の仲間の「いぬっち」,「さるっち」,「きじっち」,さらに「うらっち」,仲間をふやしてくださいました。ある意味,私も議員として知事に育てていただいたことを,心から感謝申し上げたいと思います。
 その中で印象に残る論戦は,何といっても,岡山県立児童会館についてでございます。公の施設の見直しの中で,廃止とされていたものがデジタルプラネタリウムがある未来科学棟(仮称)として生まれ変わることになりました。最初は,耐震診断すらせずに老朽化を理由に取り壊される運命にあったものですが,署名運動まで展開する我々もかなりしつこかったですけれども,最後は知事の御英断で,岡山の子供たちの未来の可能性を広げる施設として残ることになった,これについては心から感謝を申し上げます。乾いたぞうきんを絞るような行財政構造改革でありましたけれども,決して血も涙もなかったわけではない。
 まず,知事に未来科学棟(仮称)への思いをお伺いいたします。
 もちろん児童会館は,生涯学習センターの横にあるのに,教育委員会は何をしとるんならということで,生涯学習センターの一部になりましたが,教育長にも同じことをお伺いいたします。
 また,未来科学棟(仮称)開設に向け,増員された担当課の方も,今,かなり気合いが入っておりまして,勢いを感じておりますが,一方で産学官民の連携という意味では,企業,大学,地域やNPO等との連携が重要でございます。今後,生涯学習センターと未来科学棟(仮称)について,指定管理者制度を導入されるおつもりであるか。される場合は,どういった役割分担で行われるか,お知らせください。教育長にお伺いをいたします。
 加えて,子供たちの理科離れが言われる中で,小学校において理科の実験指導ができない教師がふえている現状がございます。いわゆるでき合いのキットに頼る傾向が見られるんですけれども,知的好奇心から,仮説を立てて立証する実験というのは,極めて重要なものです。現状の認識と対応策について教育長にお伺いをいたします。
 関連して,特に池田動物園,京山ソーラーグリーンパークがある周辺は,世界に誇るESD(持続可能な開発のための教育)のメッカでもございます。そして,2014年には,国連が定めた10年間のESDの取り組みの成果などを取りまとめる最終年会合が岡山市と名古屋市で開催されます。これは,もう大変に意義のある国際会議でございまして,生涯学習センターやスーパーサイエンスハイスクールなど,こぞって参加・協力すべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。教育長にお伺いいたします。
 さらに,私は,例えば未来科学棟(仮称)を活用した人材育成を含めて,科学技術の成果を産業や県民生活に結びつけるための科学技術振興指針の見直しの必要性を強く感じております。御所見をお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 未来科学棟(仮称)についての思いでありますけれども,現在,教育委員会におきまして,25年度春のオープンに向けまして取り組んでいるところでありますが,こうした場で,子供を初め幅広い世代の方々が未来につながる科学の学び,体験,そして交流を通しまして,科学に対する興味,関心を高めていくということは,これは大変意義深いことであると考えております。私自身も県内外のプラネタリウムに出向きまして,そしてさまざまな体験をさせていただきました。映像の美しさ,そして迫力に,これに引き込まれたり,それから宇宙の神秘,こういったことに思いをはせた,こういうことを,今,思い起こしているわけでございます。こうした学習機会を提供いたしまして将来への夢,そして希望を与える施設と,ぜひなってほしいと願っているところでございます。
 次に,科学技術振興指針の見直しであります。
 本県では,競争力のある産業づくりや県民生活の向上に向けまして,科学技術の振興を図るために,9年度に岡山県科学技術振興指針を策定いたしまして,科学技術を担う人づくり,あるいは研究機関の機能強化,産学官連携による研究推進などに取り組んでまいりました。この指針の基本的な目標とか考え方の重要性,これは現在も変わらないところではありますが,昨年度取りまとめられました国の第4期科学技術基本計画とか,あるいは御質問にございました未来科学棟(仮称)の活用等の新たな動きも踏まえながら,県民にもわかりやすい内容となるように,今後見直しを検討してまいりたいと思います。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,未来科学棟(仮称)等についてのうち,思いについてでありますが,旧県立児童会館が未来につながる科学の学び,体験,交流の発信拠点として,未来科学棟(仮称)に生まれ変わり,県民の皆様が科学に触れる機会が加わるなど,生涯学習センターの機能が強化されますことは,意義あることと考えております。今後,未来科学棟(仮称)が魅力ある施設となりますよう,産学官民の連携・協働を深めますとともに,生涯学習センターの役割である指導者養成・研修,学習情報の提供,学習講座の開設といった機能も充実させ,「生涯学習社会おかやま」の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
 次に,指定管理者制度についてでありますが,現在,生涯学習センターにつきましては,生涯学習の中核拠点としての機能を果たす施設でありますことから,施設維持管理等の業務を指定管理者が行っているところであります。未来科学棟(仮称)につきましては,さらに学校教育と密接に連携する事業を行いますことなどから,総合企画調整や指導者養成等につきましては,県で実施することとし,施設維持管理やプラネタリウム運営等につきましては,民間のノウハウを活用するため,指定管理の対象にしたいと考えているところであります。
 次に,理科の実験についてでありますが,昨年度の県学力調査で,約7割の子供が理科を好きと答えておりますが,教科担任制ではない小学校では,理科の指導を得意としない教員もおりまして,お話のような状況も見られるところであります。このため,教員の理科指導力の向上や校内の研修体制の整備が重要と考え,指導力の向上につきましては,昨年度から岡山大学と共同して,観察・実験の基礎・基本を学ぶ研修会を県内20カ所で実施いたしますとともに,県総合教育センターによる研修講座を年11回行っているところであります。また,校内研修等を推進する体制づくりといたしましては,各地域の理科教育のリーダーを育成するため,教員26人を岡山大学に派遣しているところであります。さらに,教員の実験等に関する指導力を高める場として,未来科学棟(仮称)の特色を生かせるよう検討してまいりたいと存じます。
 最後に,ESDへの参加等についてでありますが,お話の岡山市での最終年会合は,現在,その具体的な内容について,開催を誘致した岡山市が国と協議を行っている段階でありますが,国内外の高校生や教員によるフォーラムが計画され,高校生もその企画・運営に参画すると聞いているところであります。生徒が海外の高校生と英語により交流しながら,地球規模の問題について主体的に考えることは,大変意義深いことでありまして,成功に向けて岡山市に協力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  教育長さんに再質問させていただきます。
 今のESDのことでございますが,持続可能な開発ための教育,岡山の場合は,特に環境問題に非常に特化している部分もあるし,それが先進的ということもあるんですが,同時にまた,この地域,大変に科学の芽もたくさんあるということで,その中で私自身が一宮高校の卒業生だから言うのではないんですが,スーパーサイエンスハイスクール,こうした県立高校や私立高校も,今,科学に対してかなり先進的な動きをされ,さらに海外との交流もされている。その中で,やはり岡山市に協力をするという御答弁でありましたが,岡山県教育委員会のほうから各県立高校,これは今,年度の途中で言うのは難しいと思いますが,来年度当初,こうした形でESDに協力をという働きかけが県教委のほうからはできないんでしょうか,お伺いします。

(教育長)  お答えいたします。
 この問題につきましては,先日岡山市のほうの担当者からもいろいろとお話を聞いておりまして,まずは高等学校長の会のほうへ説明をしてほしいということを申し上げておりまして,我々のほうも,これは相当大規模な高校生の会議でありますので,岡山市だけではなかなか十分に対応できないだろうということで,県教委といたしましても,いろんな機会を通じて校長のほうへ伝えてまいりたいというふうには思っております。



<平成22年11月定例会>(2010年12月7日)

(佐藤)  これに関連して,もうこれはくどいとわかりつつも,どこまでも岡山県立児童会館についてお伺いいたします。
 知事は,提案説明で,県立児童会館について「耐震診断を行ったところ,修繕工事を実施することにより使用が可能であることが判明しました。このため建物の利活用について,県議会を初め県民の皆様からいただいた御意見等をもとに,現在隣接する生涯学習センターとの一体的な活用などについて検討を進めているところであり,早期に方針を決定したいと考えております」とおっしゃられました。隣接する生涯学習センターとの一体的な活用は,2月定例会で私自身が教育長に向けた質問の流れでございますから,本来は歓迎すべきところでありますが,正直なところ,この説明を聞いて,私は大変に怖くなりました。児童会館については,2年間の延長をしましたけれども,そもそも耐震診断もせず老朽化を理由にはなから児童会館を取り壊してもよいと考えておられたわけでございますから,今さら判明というのが何なのか,本当に危なかったというふうに思いました。特に,民間に経営譲渡されたハウステンボスが黒字に転じ,8年ぶりに社員にボーナスが支給されるという報道を聞くと,財政を理由に本当に壊してしまってよかったのかと思うものが幾つもあります。
 そこで,改めてお伺いします。失礼ながら,生涯学習センターが十分な生涯学習センターとしての機能を果たせているとは思えない状況で,よもや児童会館を会議室等に使われよう,そのようなことは思っていられないでしょうね。まずは,生涯学習センターの存在意義と稼働状況について,教育長にお尋ねいたします。
 何よりも知事も御夫妻で小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の映画をごらんいただいた県立児童会館のプラネタリウムについてはどのようにお考えでしょうか。ちなみに,私の小学4年生の子供は,このプラネタリウムで「HAYABUSA」を見て以来,「HAYABUSA」のポスターを部屋に張って宇宙関連の記事やニュースに関心を持って本を読むようになりました。きょうの「あかつき」の金星軌道突入は,全国の子供たちが注目しています。スポーツで才能を伸ばす子供たちもいますが,文化芸術や研究の分野で未来の可能性を切り開いていく子供たちのためにさまざまなチャンスを提供するのも,また,私は大人の役目だというふうに思います。その中でプラネタリウムの果たす役割は,今後も大きいと考えます。特に,岡山市のシンボル京山に,独立行政法人産業技術総合研究所の高性能集光型太陽光発電システムが設置され,その電力利用として,両備ホールディングスさんの共同研究が行われるようになって,さらに多くの大学が集積している地域でプラネタリウムがある児童会館には,例えば,理科や科学に特化したような学習体験施設があったり,電気自動車のエンジンや最先端の物づくりの成果物の展示等があれば,子供たちは限りない可能性を広げることができるでしょう。
 ところで,判明する前に結論を先に申し上げますけれども,このプラネタリウムは老朽化していますが,確実に今後も使用できます。1980年にMS−15手動機として納入された児童会館のプラネタリウム機器は,十分な保守保全と新型,各種補助投映機器等の導入もあって,確かに30年以上たってますけれども,無事稼働しており,老朽化が目立つ箇所もあるものの,定期的な保守,一部部品交換を継続的に進めれば十分に使えます。特にコンソール,制御装置でございますが,これがコンピューターを搭載した自動機ではなくて手動機であるがゆえ,かえって故障時の修理対応は十分可能です。一方で,特殊効果投映機を含めた補助投映機関連については,デジタル機器に世代交代の時期,これはもうどこもそうなんですけど,そこに来ており,それに順次対応していけば問題はございません。一方で,渋谷駅前の渋谷東急文化会館にあった天文博物館五島プラネタリウムが惜しまれつつ閉館して9年,復活を熱望する声に押されてこの11月21日より,新たなプラネタリウム「コスモプラネタリウム渋谷」としてオープンしました。特に文化総合センター大和田に移しての投映機の再組み立てや展示台の製作などは,寄附を集めて行われたと言いますが,空前の天文ブームと言われ,子供たちが宇宙への夢を膨らませているこの時期に,新設が難しいプラネタリウムを仮に壊してしまうならば,これはもう正気のさたとは思えません。
 改めて,知事に伺います。岡山県立児童会館プラネタリウムについて,今後どのようにお考えでしょうか。

(知事)  プラネタリウムについての御質問をいただきましたが,未来を担う子供たちが宇宙や科学技術に関心を持つ機会を提供するということは,県といたしましても大変有意義であると認識しておりまして,新しいニーズや技術的な進歩などを総合的に勘案しながら,現在,部局横断で全庁的に検討しているところでありまして,早期に方針を決定したいと,このように考えております。

(教育長)  生涯学習センターの存在意義等についてでありますが,生涯学習センターは県民の生涯学習を支援するための拠点施設として,市町村,大学,関係団体等との連携を図りながら,県内外の学習情報の提供や生涯学習の指導者やボランティア等の人材育成,学習講座等の開設などを行うことによりまして,全県的な生涯学習推進を図る役割を果たしているところであります。また,施設の稼働状況につきましては,大研修室やミーティング室等は積極的な利用がある一方,特別な使用に供する編集室等は十分に利用されているとは言えない状況でありますが,センター全体では年間約3,400件の団体,個人等が学習,交流の場や学習成果の発表の場などとして活用しているところであります。今後一層の施設利用の促進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

(佐藤)  私もいつになく大変に厳しい口調で質問させていただきましたけれども,それだけ今,岡山県の地域経済が痛んできているということでございまして,青少年の皆さんも将来に夢が持てない,そうした状況の中で,しかし我々が頑張っていこうと思うのは,誇りがあって将来の希望があるからでありますけれども,例えば行財政構造改革についても,午前中の住吉議員の答弁に対して,収税率を上げていきましょう,そして行政サービスを減らします,そして歳入確保対策で駐車場代金等の県民の負担をふやします,その状況の中で,しかし,4年の構造改革が終われば明るい未来が待っておるんだと,そういう希望があるからこそ県民の皆様も御協力をいただいている。あるいは県庁職員さんもそうだと思いますけれども。
 先ほどの確認でございますが,業界団体が行っている補助金カットについては,25年度以降は当然にもとに戻るものではないということは,基本的にはもとに戻らない,要は持続していくということで。これは県庁職員さんのことについて私は聞いておりませんから。業界団体の補助金等についてでございますが,これは要するに持続されて24年度の状況で戻らないというふうに理解しとけばいいのかどうか,確認させていただきたいと思います。
 それから,児童会館のことにつきましては,そのようにこれから早期に方針を決定していただくということでございますが,しかし,だれが決定するのかが一番問題でございます。今回も,児童会館,基本的には公の施設の見直しで廃止してもいいという,そういう施設にまでなっていた。それを2年間延長して,そして建物を残していきましょう,あと有効活用していきましょう。これは,県民の皆様の思いでありまして,あくまで県民の皆様の声をしっかり聞いていただかなくっちゃいけない。その中で,児童会館について,今までどおり行政の職員さんと教育委員会だけで今後の方向を決めるんだと。それでどんな方向が決定づけされて,それに何の根拠があるんでしょうか。そうした意味では,早期に決定するにしても,やはりしっかりと民間の意見を聞いていただきたいと思いますが,そのことについてもお伺いしたいと思います。
 そして,最後のアダプト事業についてでございますが,急傾斜地は危ないからアダプト事業を入れないと。それは急傾斜地域は確かに危ないんですけれども,私が言っている本旨は,アダプトを入れてくださいということではなくて,この急傾斜地域を,地域の方が,高齢者の方が,自分でお金を払ってこの急傾斜地域を守らにゃいけんのかという話をしているだけでございます。要は,行政が一円たりとも岡山県有地である急傾斜地についてお金を払わない,そして地域に負担がかかっても,ある意味けがが生じても,それは地元で負担してくれ,県が出ていくのは,木が生えて大変に危険な状態になったときに始めて出ていくんだ,これが県有地を守る県の姿勢なのかどうか。私は,草刈りをどんどんやってくれということを,だだをこねるようにお願いしているわけではありません。それがわずか数万円でもいい。要は,年間,地域のほうにお金がきっちり行って,これで守ってくださいというのが,これが本来の行政の姿ではないかという意味で申し上げました。急傾斜地域のアダプト事業というのは必要であるということは,これは私の思いとして,これは質問ではありません。必ず要るものだということを訴えさせていただきたいと思います。
 最初に申し上げた25年度以降,業界団体の補助金は基本的に戻らないと理解していいのか,児童会館の今後の方針はだれが決めるのか,そのことについてお知らせください。

(知事)  再質問にお答えいたします。
 御案内のとおり,長期的な収支不足の見通しにつきまして,財政構造改革プランをお示しするときに同時にこのことも御説明申し上げておりますが,あの将来の推計というものは,この4年間で行う財政の構造改革,この構造改革のその成果を前提として推移を見ているということでございますので,これをもとに戻しますと,収支不足額ははるかに県財政を直撃いたしまして,県財政は大変なことになります。もとに戻ってしまいます。ただ,そのときの社会経済情勢とか財政状況とかいろんなことを考えて必要なものは当然出てくるということも考えられますので,そういう施策につきましては,当然その時点で総合的にさまざまなことを勘案しながら,改革をしてきたものについて再検討していくということが物によってはあるということは,当然かと思います。原則は4年間の構造改革です,通常の改革ではなくて。これを維持していくという,この一次のみの改革ではなくて,それを前提としてずっと将来継続していくという,こういう趣旨での改革であるということを改めて御理解いただきたいと思います。
 プラネタリウムでございますけれども,もちろん今現在,教育長のほうにお話し,検討していただき,もちろん私たち知事部局と連携して議論を進めているところでありまして,今,議論の最中でございますから,まだ具体的な方向性は申し上げる段階ではございませんけども,その中で,責任持って私自身が,教育委員会の意向を十分踏まえて方向性をお示しさせていただきたいと思っておりまして,その間,民間の皆さんの意見,要望等もたくさんいただいております。こういったことも反映させながらしっかりとした方向性を打ち出していきたいと,このように考えております。



<平成22年9月定例会>(2010年9月14日)

(佐藤)  くどいようですが,岡山県立児童会館でありますが,6月定例会で,「今年度末に児童会館としては閉じるという財政構造改革プランの方針に変更はない」,これは明言されておられますが,「閉館後の取り扱いについては,耐震診断の結果を踏まえ,岡山市や民間に呼びかけ,県民からの要望の中で提案のあった新たな行政ニーズへの対応の可能性を探り,隣接する生涯学習センターも含め,全体としてどのような方向性が考えられるか慎重に検討する」,こうした答弁がございましたが,あれから3カ月以上たっております。改めて,岡山県立児童会館の耐震診断の結果と建物の活用策を含めた今後の方向性について,知事にお伺いいたします。
 折しも,現在,岡山県立児童会館プラネタリウムでは,連日,「はやぶさ」の上映でにぎわっております。長い孤独な宇宙での航海の後に,故郷に届けるカプセルを残して大気圏で燃え尽きた小惑星探査機「はやぶさ」,この姿を最新のコンピューターグラフィックスで見せる作品は本当にすばらしく,何よりもこれはプラネタリウムでないと味わえないものでございます。知事も鑑賞券を御購入いただいたというふうに聞いておりますけれども,岡山県立児童会館プラネタリウムで「はやぶさ」をごらんいただいたでしょうか。もし,ごらんになっていれば,御感想をお聞かせください。
 ところで,この9月1日付で,宇宙航空研究開発機構,いわゆるJAXAでございますが,JAXAが小惑星探査機「はやぶさ」の成果を広く国民と共有し,宇宙への理解増進と宇宙活動の普及啓発に資することを目的に,「はやぶさ」カプセル等の展示を公募によって各地で実施することになりました。既に,相模原市立博物館や筑波宇宙センター,丸ノ内オアゾなどで「はやぶさ」のカプセルの一部が展示されてきましたが,今回の展示は,展示が可能な国内の公益団体,法人で公益目的の展示が対象ということでありまして,再来年の3月まででございます。子供たちがもしも「はやぶさ」のカプセルを見ることができたら,ここから本当に宇宙に向けてのみずからの夢を広げていく子供たちが,岡山からも出てくるに違いありません。日ごろから宇宙に関連する活動をしている科学館,博物館,地方公共団体の応募が見込まれており,もちろん,この招致自体は無料ではないんですけれども,安定的な温度のもと,24時間体制の警備確保等々,条件がありますが,「はやぶさ」のカプセル招致は,岡山県としても,ぜひとも手を挙げるべきだと思います。御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,県立児童会館であります。
 まず,耐震診断の結果等についてでありますが,耐震診断の診断結果は,児童会館は,補強工事を行えば耐震基準に適合するとのことでありました。今年度末に児童会館としては閉じるという,財政構造改革プランの方針に変更はありませんが,お話の県有財産の有効活用という観点からは,岡山市への呼びかけや,新しいニーズに対応した活用が考えられると存じます。その場合の意義は何なのか,耐震補強,その他の経費はどうなのか,隣接する生涯学習センターとの関連はどうなのかなど,さまざまな検討課題を勘案しながら,引き続き,慎重に検討してまいりたいと存じます。
 映画「はやぶさ」についてでありますが,この上映会を民間の有志の方々が招致されたと聞きまして,鑑賞券を購入させていただきましたが,いまだ,その時間がとれないため,鑑賞はできていないところでございます。
 「はやぶさ」カプセルの招致でありますが,カプセルの展示は,多くの人に感動を与え,子供たちが宇宙や科学技術に関心を持つ契機となることから,大変これは有意義であると考えております。県といたしましては,県内の科学展示施設の意向を確認いたしますとともに,開催可能な場所等の調査を行い,応募の可否等につきまして,関係者とともに検討してまいりたいと存じます。



<平成22年2月定例会>(2010年3月2日)

(佐藤)  また,公の施設の見直しで,私こだわっておるんですけども,岡山県立児童会館の廃止を決められていますが,伊島の同じ敷地内で生涯学習センター,烏城高校と並ぶ三学ぱるの一翼を失うことを考えれば,これはひとり子育て支援の範疇の問題ではなくて,なぜ生涯学習の中で,社会教育の中で,教育の問題として考えるという努力をなさらないのか,なぜ子供が科学に対する興味と関心を高め,多様な才能をはぐくむ場を奪われるのか,その課では仮に不要と感じられても,ほかの部では有効に使えるかもしれない,しかし,手を出さない。各担当課だけではなく,県教育委員会も最後までの努力,食らいついていく気迫を見せていただきたいんですけれども,それを惜しんでいるようにも感じられます。これはまさにとばっちりかもしれませんが,教育長の御所見をお聞かせください。
 加えて,今まで幾つかの施設が廃止になりましたが,施設の中にはかなり高価なものもあった,そうした施設にあった備品等はどうされましたでしょうか。すべてが税金で成り立っていたものですが,最後の最後まで惜しんで,県民のものとして大切に大切にその備品等を処分されたでしょうか。あるいは,処分されますか,総務部長にお伺いいたします。

(総務部長)  公の施設の見直しに関しまして,廃止施設の備品等についてでありますが,展示物や備品等の県有物品につきましては,その効率的な運用を図る観点から,老朽化等により使用できないものを除きまして,県立高校など他の県施設に移管し,学校教材等として再利用するとともに,必要に応じまして,地元市町村等に譲渡し,活用いただいているところであります。今後とも,こうした備品等の処分に当たりましては,これまで同様,有効な活用を図ってまいりたい,このように考えております。

(教育長)  まず,公の施設の見直しにかかわる県教育委員会の努力についてでありますが,児童会館の今後のあり方については,全庁的な議論等を踏まえ,財政構造改革プラン及び行財政構造改革大綱2008の中で示されたものでありまして,県教育委員会としましても,それを踏まえて対応すべきものと考えております。建物の存続につきましては,公の施設としての役割をおおむね終えたことに加え,施設・設備の老朽化等の課題もありまして,現時点では困難な状況だと承知しております。県教育委員会としましては,建物の存廃にかかわらず,必要な生涯学習施策が行えるよう,全力を尽くしてまいりたいと考えております。



<平成21年6月定例会>(2009年6月17日)

 (佐藤)  あわせて,あえて申し上げたくないのですけれども,倉敷チボリ公園や吉備高原ニューサイエンス館を失って,このゴールデンウイークに幾ら後楽園や都市緑化フェアの会場がにぎわっても,そこに行った多くの親が子供たちにチボリやニューサイエンス館に行けない理由を説明できなかったことでしょう。幾ら経済対策を打っても,景気回復がなされても,思い出は絶対に買うことができません。子供たちの心の中にある,また,これから積み重ねていける思い出の舞台を奪い去ってしまった。それは,決して金銭では換算できないほど罪深い大損害であると,私は思います。瓦れきの山やがらんどうの部屋をのぞき込むと涙が出ます。そういう苦しみを感じる今,知事には幾ら計画されたとはいえ,これ以上,子供たちの思い出が残る公共施設を壊さないでいただきたい。プライマリーバランスの黒字が維持されるのが大義ならば,その中で最大限の努力をしていただきたいと思います。具体的には,ファーマーズ・マーケット・サウスヴィレッジと,そして偉大な建築家である芦原義信氏が設計された岡山県立児童会館ですが,本当に取り壊されたいですか。特に,岡山県立児童会館は,子供回遊ゾーンとも言える県立児童会館,生涯学習センター,池田動物園,光量子研究所,国際交流センター,ルネスホール,県立博物館,県立美術館,天神山文化プラザ,きらめきプラザ,総合グラウンド,こうして大回遊する中で,まだまだ思い出を子供たちが紡いでいける,そうした施設の中核にあるというふうに,私は思っております。まずは,壊してしまいたい,そうした答えありきで,本気で残していきたい,そうした声に行政がこたえてくれているように思えません。新たな公共事業を起こすのもよいですけれども,公の施設の見直し方針の見直しも考えていくべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。
 また,特に県立児童会館については,現在の方針の見直しをあえてお伺いいたしたいと思いますが,御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,公の施設に関しまして見直し方針の見直しについての御質問をちょうだいいたしましたが,公の施設の見直し方針は,施設ごとにさまざまな角度から現状分析を行いまして,総合的に県設置の意義を評価して素案をお示しいたしまして,その後市町村や地元関係者等と十分に協議調整を行った上で取りまとめを行ったものであります。このため,方針の見直しということは考えていないところでありますが,今後とも関係者の方々の御意見をしっかりとお聞きいたしまして,必要な対応策も検討しながら適切に対応してまいりたいと存じます。
 なお,最終的に閉じることとした施設を利用されている方々には,御迷惑をおかけする場合もあると,このように思われますが,持続可能な財政構造の確立に向けた取り組みであるということ,このことをぜひとも御理解賜りたいと存じます。
 最後に,県立児童会館についての御質問でありますが,県立児童会館は昭和38年に全国的にも画期的な児童のための施設として建設され,以来多くの県民に親しまれながら県内の児童館活動を牽引するという大きな役割を果たしてきたところであります。しかし,建設以来46年を経過し,県内の市町村において児童館等が多数整備され,地域の実情に応じた活動を展開しておられるということから,県の公の施設としての役割をおおむね果たし終えたと,このように考え,建物の老朽化が激しい,この施設を22年度末までに閉じることを決めたところであります。建物の存続につきましては,民間の方々にも協力を打診いたしました。しかしながら,耐震化等の問題もありまして,残念ながら現時点では困難な状況となっております。
 なお,併設の児童遊園につきましては,当面これを存続いたしますとともに,児童館が担ってまいりました母親クラブの活動促進などのソフト事業につきましても,これは継続することとしているということでございまして,引き続きこういったことで関係者等の御理解を求めてまいりたいと,このように考えております。



<平成13年6月定例会>(2001年6月14日)

(佐藤)  また,岡山県立児童会館は非常に老朽化していますが,三木知事以来の由緒あるプラネタリウムを備えており,いま一度,環境学習,科学学習の拠点として再生できないか,保健福祉部長にお尋ねします。

(保健福祉部長)  県立児童会館についてでございますが,プラネタリウムの上映あるいは科学模型の展示のほか,県内の児童館の指導ですとかボランティアの育成などの役割も担っており,併設された児童遊園は休日には児童の利用も多くなっております。当面は,貴重な財産として現存施設の活用促進を図ってまいりたいと考えております。

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