過去の岡山県議会一般質問集 <スポーツ振興>篇

<平成26年9月定例会>(2014年9月25日)

(佐藤)  次に,いわゆる先ほど申し上げた顧客主義につきまして,県総合グラウンドのある駐車場の無料利用時間を1時間から30分に短縮したことは,財政危機宣言以後の行財政構造改革でも行われなかった,そうした収入確保対策でございます。特に早朝の利用者の方々の不満の声がもうずっと上がり続けておるんですが,残念ながら2月定例県議会で,これは我々も責任があります。特に議論とならず可決されたのは事実でございますが,特に1時間未満の滞在が多い毎日のジョギングや散歩,家族連れの方々など,連日利用される方々には1年を通じるとかなり大きな負担になっています。特に近隣はもちろん,年金で暮らされている少し郊外からお越しになる高齢者の方々にとっては,毎日の健康確保や楽しみの機会を奪われたという声が大変多くございます。朝ラジオ体操で出会うような長年の利用者の方々がこの値上げで排除されました。そもそも手続に訪れる利用者向けに設けた無料利用時間という説明でありますが,それが朝の午前5時半から午前9時までの時間に当てはまる理屈でもなければ,30分で実際手続が終わらない場合も間々あります。早朝の利用者の方!
々からは,顧客の声を一切聞いていない施策だと,改悪だという声も多く,機械の調整の難しさもあるかもしれませんが,少なくとも午前9時までは従前どおりの1時間無料に戻すべきではないか。特に午前9時までの駐車場の利用実態と県民の皆様への影響の認識,今後の方向についてお知らせください。

(知事)  お答えいたします。
 県総合グラウンド駐車場の無料利用時間についての御質問でありますが,施設予約や送迎等の来園者のため,30分以内の無料利用時間を設けているものであります。午前9時までの駐車場の利用実態につきましては,時間ごとの台数をカウントしていないため不明ですが,全体としての駐車台数は昨年度と比較して減少しております。ことし3月まで施設予約や送迎等以外の来園者も1時間無料で利用できていたことから負担増となっていますが,受益者負担の観点から,駐車時間に応じた料金をいただくこととしており,今後とも,現行制度により運用してまいりたいと考えておりますので,御理解願いたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  御答弁ありがとうございました。早朝にお散歩されていて,郊外からずっと来られていた,そして6時半にはそこでラジオ体操をやって,きょうも元気じゃなあとお互いに言い合えていた,そうした高齢者の方が1日100円の駐車料金を払う。1年間たったら何ぼならということを考えたときに,そうした方が来れなくなっているから,駐車場の台数が減っているんだということについて,その認識について私は知事の答弁,それをしっかり現場に持って帰りますけども,非常に残念がられると思いますということはお伝えさせていただきたいと思います。
 次に,私はあくまで大洋ホエールズ以来の40年来の横浜ファンでございますが,東北楽天ゴールデンイーグルスの星野監督の辞任は残念でなりません。中日ドラゴンズから阪神タイガース,さらには楽天イーグルスのキャンプはずっと倉敷マスカットスタジアムで行われてきたのも,星野監督のふるさと岡山を愛する強いお気持ちがあったからにほかならないと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 特に3・11以降,また昨年のV1,東北と岡山が近くなった,岡山県民もセリーグはさることながら,パリーグはこれは何となく楽天イーグルスを応援せにゃいけんじゃねえかという親近感も沸いてきたところでございます。特に山陽新聞さんが中心になって行ってきてくださったおかやまベースボールパークも大変な事業で,ことしの平日を含めた楽天のオープン戦の5試合開催など,これは本当に大変だったと思うのですが,岡山の野球界に多大なる御貢献をいただいてるところだと思います。ことしは楽天,マー君がいなくなりましたけれども,有望なルーキーや若手が多く,その積極的な登用も随分ございます。成績はちょっといまいちですが。ことしも楽天キャンプは行っていただけるのか,また来年20周年を迎える倉敷マスカットスタジアムで引き続き楽天イーグルスが来てくださって,さらににぎやかにおかやまベースボールパークが開催されることを切望しておりますけれども,そのためには行政の手厚い支援も必要だと思いますが,知事の御認識をお知らせください。

(知事)  お答えいたします。
 楽天イーグルスのキャンプ等についての御質問でありますが,星野監督の突然の辞任表明は私も残念であり,とても寂しい思いであります。楽天の秋季キャンプやオープン戦の実施については,機会を捉え,重ねて要望を行っているところであり,引き続きマスカットスタジアムで開催していただけるものと期待しております。
 また行政の支援については,キャンプでの球場使用料などの半額を減免するとともに,おかやまベースボールパークについては,土地使用料の全額を減免するなど,にぎわい創出にも努めてきたところでございます。
 今後とも,県民がマスカットスタジアムでプロ野球を楽しめるよう積極的に取り組んでまいりたいと存じます



<平成25年9月定例会>(2013年9月18日)

(佐藤)  今回もトップバッターということで,申しわけございません。春季キャンプ中盤の紅白戦の勢いを出していこうと思うておりますけれども,まずもって2020年(平成32年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定,まことにおめでとうございます。実は,私,前の東京オリンピックが開催された1964年の生まれでございまして,議場では蓮岡議員,そして太田議員が同級生ということになります。高度成長期の恩恵を受けて,何か身体的に著しい特徴が出ているような気がしないでもございませんが,7年先の東京オリンピックに関して,知事からも,岡山ゆかりのアスリートが一人でも多く活躍や事前キャンプ誘致の期待などのお言葉がありましたが,まずは平成28年度,岡山県内を主会場にして開催される全国高校総体,インターハイは,国民文化祭以来の久方ぶりの大事業で,オリンピックを目指す高校生には一つの試金石,励みになることでしょう。ここまでの全国高校総体準備の進捗状況とオリンピックまでを見越した意気込みについてお知らせください。
 次に,今回のブエノスアイレスでの最終プレゼンテーションでひときわ感動を呼んだのが,パラリンピックの佐藤真海選手のスピーチでございました。「私にとって大切なのは,私が持っているものであって,私が失ったものではない」という言葉と,パラリンピックが厚生労働省,オリンピックが文部科学省と分かれている選手強化事業の所管を来年度から一本化することへの喜びの言葉が印象に残りました。実は,2005年の晴れの国おかやま国体と第5回全国障害者スポーツ大会「輝いて!おかやま大会」のときにも申し上げたのですけれども,いわゆる障害者の方のスポーツを保健福祉部の障害福祉課の所管から,一生涯行うスポーツとして,現在では環境文化部スポーツ振興課が所管になっておりますが,ここで所管を一本化すべきような時期が来ておるのではないかというふうに思うのですが,御所見をお聞かせください。
 ところで,ここからは夢の話でございますが,東京オリンピックまで7年ということになりますと,そこまでにまず間違いなくファジアーノ岡山はJ1入りしているんじゃないかというふうに思います。ファジアーノ岡山について,最初に私が支援をすべきだと申し上げのは,平成17年の2月定例会で,「岡山からJリーグを」を合い言葉に,当時NPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブが運営主体となって立ち上げたファジアーノ岡山が,まだ中国リーグ入りしたばかりのときでございます。それが順調にJ2に上がって,ことしの8月4日,ガンバ大阪戦において,クラブ初のチケット完売,クラブ史上最高となる1万8,269名の観客を集めるチームになりました。閑古鳥が鳴いたような時期もあったんですが,今はスタジアムが狭過ぎて,見たくても見られないという状況になったわけであります。ただ,クラブでは,安全で快適な観戦環境を用意するため検討を重ねて,適正な設定満席数を見直して,今のカンコースタジアムでありましたら,大体1万6,000人程度ということで,チケット販売数の上限を縮小することになりました。しかし,これからJ1入りして,例えば浦和や鹿島と対戦することになれば,岡山の潜在能力からいって2万5,000人以上の集客も見込めて,一方で,J1所属のチームとして安定的な経営をこれからするとなれば,これ以上入場料が延びない現状には問題があるということになります。どうあれ,ファジアーノ岡山は,J1入りが近づくほど新スタジアムの必要性が増してくるのでありますけれども,そして今,補助金も非常にうまく使って,そして寄附を集めて,ガンバ大阪,サンフレッチェ広島,京都サンガ,ギラヴァンツ北九州,さらにはJ2のモンテディオ山形を含めて,全国各地で新スタジアム建設の構想が続々と持ち上がってきております。いずれ再び東京オリンピックムードに乗じて,これはもう今度は日本単独でのワールドカップサッカーの誘致の機運が盛り上がってくると思いますが,例えば4万人収容のサッカー場があれば,ワールドカップサッカーの試合が岡山で開催されることも夢ではございません。いずれにせよ,陸上競技場と共有の施設にはもはや限界があって,新スタジアムが必ず必要になってくる話でございまして,行政の主体的な動きも当然期待されますが,ファジアーノ岡山を初めとする岡山のサッカーチームや新スタジアムの経済波及効果を含めて,今後への知事の御認識をお知らせください。

(知事)  県内スポーツの振興についての御質問であります。
 まず,全国高校総体準備の進捗状況等についてでありますが,ことし5月に県準備委員会を設置し,県内会場地の選定や中国5県の中高校生対象にスローガン等の募集を行うとともに,選手強化に取り組んでおります。全国高校総体の開催は,岡山県のよさを全国に発信する絶好の機会であり,また,県民の一体感や活力を生み出し,生き活き岡山を実現する機会でもあると考えており,大会が盛り上がり,成功するよう万全の準備を進めてまいりたいと存じます。選手の皆さんには,オリンピックへの出場を夢に,一層の精進を重ね,一人でも多くオリンピックで活躍できるよう願っております。
 次に,障害者スポーツの所管についてでありますが,障害者スポーツは,障害の種類や程度に応じた配慮を行い,安全性を確保した上で,障害のある方がスポーツに親しむ機会を提供する必要があることから,各障害者団体などとの連携が重要であり,本県では,障害者施策を担当する保健福祉部において,環境文化部との連携のもと,各種取り組みを進めているところです。お話の所管の一本化については,競技力の向上が期待できる一方で,スポーツを通じた社会参加や障害への県民理解の促進といった障害者スポーツ推進の多様な目的を踏まえ,慎重に検討する必要があるものと考えておりますが,今後のスポーツ行政に関する国の動向等も注視しながら,適切に対応してまいりたいと存じます。
 次に,新スタジアム建設の認識についてでありますが,J1の施設基準である収容人数1万5,000人に対し,カンコースタジアムの設計上の収容人員は約2万人であることや,整備から10年しか経過していないこと,新スタジアムの建設費用が巨額となること等から,県が主体となって建設することは困難であると認識しております。ただし,民間の寄附により建設を計画しているガンバ大阪のような取り組みがあれば,県としても岡山市と連携して協力を検討したいと考えております。
 また,サッカーチームや新スタジアムの経済波及効果については,現時点ではどの程度の効果となるかは把握しておりませんが,ファジアーノ岡山などのサッカーチームの活躍は,県民に対して夢や勇気,感動を与え,また,子供たちのスポーツのきっかけづくりになるとともに,地域の活性化にも貢献しているものと認識しております。
 以上でございます。

(佐藤)  今の件に関する要望でありますが,今まではファジアーノ岡山,「岡山からJリーグを」という夢があったんですが,今後は,「岡山にワールドカップサッカーを」と,そうした夢を,また,描いていきたいなあというふうに思います。



<平成20年12月定例会>(2008年12月9日)

(佐藤)  さて,おめでたい話でございますが,この議場でも何度も申し上げておりましたが,ついにファジアーノ岡山がJリーグ入りいたしました。先週,県庁と市役所にファジアーノ岡山のJリーグ入りをたたえる懸垂幕がかかり,先日は社長,監督,選手が報告にお越しになりました。
 私は,岡山に初めてのプロサッカーチームが生まれたということもさることながら,ここまでの過程で岡山にもっともっと大きなものが生まれたことを喜びたいと思います。何か岡山の文化が変わった象徴のように思うのです。それは,岡山を強く愛する気持ち,岡山を強く誇る気持ちであり,熱さと表現できるものです。もちろん選手たちやスタッフの皆さんが一番強くこの熱さを持っていたからこそ,JFLを最短の時間で突破する快挙がなし得ました。サポーター中心の方の熱さが,ホーム最終戦には1万人以上の熱さになりました。その中でも,特に先輩方の御指導をいただきながら中心となった30歳代,40歳代の世代が熱さでそれを引っ張っていったことが,私はこれからの岡山県の物すごい宝であるというふうに思います。もちろん「うらじゃ」を通じて醸成されていた岡山市の場合は岡山市民の熱さがかなりあったと思いますが,確かにこの町の熱さが高まってきていることを私は感じております。
 熱さという言葉は以前からございましたが,ここ数年来,岡山の町なかで頻繁に聞かれるようになりました。「あの人は熱い人じゃ」という言葉が飛び交う中で,変な話ですが,最高の褒め言葉として熱いと言われることを男同士で競っていた節があります。ただ,この熱いという言葉の意味は,短期ですぐ怒るということではないというのは当然ですが,非常に定義しづらいものがあって,どこか向こう見ずな危なかしいところがある一方で,損得勘定抜きで何かのためにだれかのためにおのれをなげうってひたむきに突き進んでいく純粋さ,そうしたものも含んでいるように思います。そして,かつて幕末の志士たちは何かにつけてそうだったというのですが,ともかく熱く生きて感動して泣きたいと思っているわけでございます。バブルの絶頂,バブルの崩壊の拝金主義の中で日本じゅうがあたふたするさまを見ながら,物や金ではかることができない別の価値尺度を持つ世代は,時には理屈を超えた熱さで動くことがあります。いや,むしろ,頼む,泣かせてくれと,熱いものを求めております。
 確かに一つのスポーツ文化が育ったわけでありますが,岡山県に最も足りなかったもの,他県から実は失笑を買っていた「燃えろ岡山県民運動」まで行わなくてはいけなかった岡山県民,そうした県民性ではもはや我々はない,熱い岡山県民なのだという認識が必要だと思います。そして,考えようによっては,この熱さはさまざまな方向,さまざまな分野に向かえる可能性があることの理解も必要でございます。時には強い怒りにも転化し得るものであります。逆に言えば,保身に走る,言いわけをする,あれこれ理屈をこね回す,都合のよいほうにすぐ乗りかえる,自分だけ得をしようとする,仲間内でなれ合いをする,こうした熱くないものを評価しない,もっと言えば,何かをするならば,たとえ一人きりであっても体を張った本気さ,熱さを伝えなくてはいけないということでございます。熱いものが感じられなければ,幾らきれいごとを並べられても物事は進みません。むしろ伝わらんなあと逆効果ということすらございます。もっと言えば,今いかなる世界においても,リーダーたらんとする者は熱さを発信できないといけない時代であるということでございます。恐らく幕末の吉田松陰や高杉晋作の狂──狂うという字でございますが──狂に近いものが求められている。裏を返せば,それだけ時代が今荒れているということであるとも思えます。さらに言えば,時代が乱れれば乱れるほど,人はただただ真っすぐな純粋な熱さにひかれるのだと思います。今,時代が求めているのは熱さであると思います。この熱さを換言すれば,気概,気迫,気合い,意気ということになると思いますが,正確なわけではないと思いますけれども,日本で使われる英語のマインドという言葉にもそれに近いものを感じます。今岡山県は確かに危機的な状況にございます。しかし,だからこそ,今政治にかかわる者のマインドが試される。大綱だ,プランだ,ビジョンだという美しい言葉の羅列の中で,しかし一番重要なのはどれだけ岡山県を,岡山県民を熱く思っているか,そしてそれを伝えられるか,そのマインドでございます。私が2月定例会,6月定例会で抽象的な質問をさせていただく中で知事に求めていたのは,この熱さ,マインドを伝えていただきたいということでありました。さまざまな事柄は,まさにマインドが伝わらないことで悪化したように思えてなりません。
 今回もあえて抽象的に伺いますが,知事は一人の政治家として,「燃えろ岡山県民運動」の時代から岡山県民が,平たく言えば県民性がどのように変わってきたという時代認識をお持ちでしょうか。
 そして,その中で熱さやマインドを御自身が示すことの意味をどのようにお考えかお知らせください。
 一方で,職員団体の「給与カットがある中にあっても,県民サービスの維持や子供たちの豊かな育ちを第一に考え,誠心誠意職務を遂行していくことが職員としての誇りである」との言葉に,「その意気に心を打たれた」と知事はおっしゃられました。その職員の方々の「その意気」の意気こそがまさにマインドであり,この言葉は県庁職員の方々の誇りとともに県民の皆様にも伝わったと思います。こうした職員の方々にぜひ知事のマインドをお伝えいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 さらに,この岡山の熱さの象徴であるファジアーノ岡山FCですが,J2昇格で運営費やスポンサー確保等,課題が山積しております。Jリーグの大海原で洋々たる未来にこぎ出していくためにも地域全体での支援が必要になってきますが,ホームタウンを岡山市,倉敷市,津山市を中心とする全県としており,またホームスタジアムを桃太郎スタジアムとしているため,県からのさらなる支援が引き続き必要でございます。市町村への働きかけを含めて,県行政としてなし得る支援についてお知らせください。
 加えて,特にこの場で何度も何度も申し上げておりますけれども,岡山県総合グラウンドについて,たちまちこれ以上の駐車場の確保が難しいとしても,将来的には独立リーグに所属するプロ野球チームの本拠地になることも想定される1万3,200人の収容人数を誇る岡山県営球場のさらなる活用を含めて,また弥生時代の集落等の復元の活用も含めて,いま一度岡山駅からの公共交通アクセスのあり方を加味した上で,岡山県総合グラウンドのあり方を,そして周辺の大学や生涯学習センターなどの周辺施設も加えて総合的に考える時期が来ているように思います。知事の御所見をお聞かせください。

(知事)  まず,県民性の変化等でありますけれども,先ほどはまさに熱い県民の第一人者であられます佐藤県議より大変に熱い御質問をいただいたところでありますが,私といたしましても,そもそも岡山県民は,お話いただきましたように,熱い県民であると,このように私は受けとめております。このことにつきましては,御承知のとおり,「晴れの国おかやま国体」,そして「輝いて!おかやま大会」,あのとき195万県民の本当に熱いスクラムによりまして大成功にこれらが導かれたということもございますし,県内外におきまして多くの県民,県の出身者の方々がさまざまな分野におきましてまさに情熱を持って活躍しておられる姿,このことからも明らかであると私は考えております。私自身,御案内のとおり,これまでも情熱県政という旗を掲げまして,常に私がみずから先頭に立ちまして県政を推進してきたところでありますけれども,県民やあるいは県の将来を思うこの熱い気持ちというものはだれにも負けないものを持っていると,このように私は自負しておりますし,もちろん知事であるからにはだれにもこれは負けてはならないと,このように常日ごろ思っているところであります。今後とも,こうした気概,そして姿勢を持ちまして,活力と安心の岡山の実現に向けまして全力で邁進をしてまいる所存であります。
 職員に対する思いということでのお尋ねでございますけれども,職員の皆さんにおかれましては,それぞれ大切な家族や生活がある中にありまして,県民の幸せを第一に考え,そして非常に厳しい給与の削減措置を受け入れていただいたということに関しまして,まずもって心から感謝をしているところであります。
 私といたしましては,職員の皆さんの県勢発展にかけるその思い,子供たちの教育にかけるこの熱い情熱,さらには県民の安全・安心を守っていくというその使命感,これらをしっかりと受けとめまして,県政のかじ取り役といたしまして職員の皆さんとしっかりと手を携え,思いを一つにいたしまして,明るい未来を県民の皆様に確信してもらえる取り組みを推進していくと,このことを改めて約束させていただく次第であります。
 次に,ファジアーノ岡山についてであります。
 まず,支援策でありますけれども,これまで桃太郎スタジアムにおける仮設広告物料金の免除等を行ってまいりましたが,Jリーグ昇格後はプロ料金が適用をされまして,使用料等が大幅に増加することから,引き続き仮設広告物料金を免除いたしますとともに,施設使用料をプロ料金の5分の1に減免するなど,試算では総額5,000万円以上に相当する規模の支援を行いたいと考えております。
 また,地域で支えるという機運が全県的に広がっていくよう,例えば,ホームゲームの折に市町村ごとの日というものを設けまして特色あるイベントを行ってもらうなど,新たな取り組みにつきまして検討を進めてまいりたいと思います。ファジアーノ岡山のJリーグでの活躍は,子供たちに夢を,また県民に熱い感動あるいは連帯感,さらには勇気を与えてくれますとともに,全国への大きな情報発信につながると,このように考えておりまして,県といたしましてもできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
 総合グラウンドのあり方でありますが,総合グラウンドは,桃太郎スタジアムを初め,県内屈指の施設を有する総合運動公園といたしまして,多くの県民の皆様に御利用いただいているところでありますが,駐車場の確保や県営球場を初め,一部の施設の老朽化などが課題となっているところであります。今後,お話の既存施設のさらなる活用や周辺施設との連携等につきましては,これらの課題を踏まえつつ総合的に検討を進めてまいりたいと存じます。



<平成19年12月定例会>(2007年12月12日)

(佐藤)  まず,久方ぶりの明るい話題として,先日,埼玉県で行われた全国地域リーグ決勝大会で,我らがファジアーノ岡山は初優勝を決め,日本フットボールリーグ(JFL)昇格を果たしました。おめでとうございます。ことし8月には,地域リーグ所属チームとして初めてJリーグ入りの必要条件となる準加盟を承認され,JFLで上位に食い込み,入会審査をパスすれば,最短なら来年末には念願のJリーグ入りが実現して,「岡山からJリーグを」の夢がついに現実のものとなります。ただ,ここから先は,まさに市民,地域,企業,行政が一体となって全力で夢を築き上げていく,そんな力が我々も試されているのだと思います。
 ところで,岡山には,サッカーではファジアーノ岡山のほかに,岡山湯郷Belle,三菱自動車水島,バレーでは岡山シーガルズ,さらには四国・九州アイランドリーグへの加盟を目指す野球チーム結成の動きもございます。この議場でもたびたび申し上げておりますが,こうしたトップチームの悩みはどこも同じで,資金と練習場,試合場の確保でございます。とりわけ,JFL加盟チームが2チームある,来年からは岡山ダービーと言われておりますけれども,岡山県内でファジアーノ岡山は,恐らく17試合のホームゲームを桃太郎スタジアムを中心に行わなくてはいけません。行政が税金の中から資金援助をするのが難しいにしても,お金を取らないような支援,例えば有料の試合でも,競技場使用料を加算しなかったり,広告板の保管場所等を設置するなど,県独自の支援は考えられると思います。加えて,こうしたトップチームの財政的支援を,個々の企業が個々のチームに行う以外にも,トップチームすべてを支援する基金のようなものの設立も考えられます。こうした支援策についての御所見をお知らせください。
 加えて,昨年の6月定例会でも申し上げましたが,桃太郎スタジアム,桃太郎アリーナを含む総合グラウンドの駐車場は,もう既に限界が来ているのはだれの目にも明らかでございます。この際,何らかの対応をすべき時期に来ていると思いますが,その後の対応についてお知らせください。

(知事)  まず,トップチームの支援についてでございます。
 ファジアーノ岡山や岡山シーガルズ等に対しましては,県施設における仮設広告物料金の免除のほか,テレビ・ラジオ等,県の広報媒体を通じまして広く県民に応援を呼びかけをしているところであります。
 お話の基金による支援ということにつきましては,多額の資金が必要となりまして困難であると,このように考えておりますが,有料試合での競技場使用料や広告板保管場所等につきましては,指定管理者との協議やスペースの問題もありますが,今後検討してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても,県を挙げて地元チームを応援することは,チームの大きな力となり,その活躍は県民に夢と希望を与え,全国への情報発信につながると考えておりまして,引き続き幅広く支援策を検討してまいりたいと存じます。
 総合グラウンドの駐車場でありますが,昨年6月以降,大規模な大会が開催される休日等には,園路の活用による臨時駐車スペースの拡大を図るとともに,指定管理者による警備員の配置によって,車の誘導や周辺の有料駐車場への案内など,円滑な対応に努めてきているところであります。今後とも,混雑時における駐車スペースの拡大が図られるよう検討してまいりたいと思います。



<平成18年9月定例会>(2006年9月21日)

(佐藤)  ところで,岡山市の政令指定都市移行に伴う最大のメリットは,やはり町の風格が上がるということだと思います。前回の議会で申し上げた,例えばJR吉備線のLRT化などは,非常に象徴的な町の風格になり得るものだと思います。加えて,やはりスポーツ文化の象徴としてプロスポーツチームは,政令指定都市にはやはりあってしかるべきものだと思います。
 先日,8月20日に岡山県営球場で,岡山商工会議所青年部さんの主管で招致された四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズ対高知ファイティングドッグスは,2,200人もの観客が集まり,岡山にもこうしたチームが欲しいという声が上がりましたし,この9月24日日曜日には,前回の議会で申し上げたように,本当にこれは駐車場のことが気になるんですけれども,桃太郎スタジアムで湯郷ベルと,そして「晴れの国おかやまからJリーグを」を合い言葉に現在中国リーグの首位を爆走しているファジアーノ岡山FCのダブルヘッダーが行われて,恐らくかなりのサポーターが集まってくださると思います。中四国州を目指す中でも交通の結節点をうたいながら,しかも地方分権時代の地域間競争の象徴としてクラブチームを育てていこう,そういった流れの中で,例えばJリーグのチームすらつくることができないというのは,岡山に文化的土壌がないと言われても私は仕方がないと思います。
 ところで,こうしたトップチームの悩みはどこも同じで,資金と練習場,試合場の確保であります。特に全国のあちこちで30チームがJリーグを目指しているサッカーでは,行政が税金の中から資金援助をするのが難しいにしても,お金を取らないような支援,例えばJ2に昇格した愛媛FCのメーンスタジアムである愛媛県総合運動公園は,試合日のスポンサーの広告看板の設置代を取っていないように,さまざまな形での県独自の支援は考えられると思います。そうしたトップスポーツチーム支援の行政の姿勢が,企業や市民,県民の皆さんを盛り上げていく起爆剤になると思いますが,知事の御所見をお聞かせください。

(知事)  トップスポーツクラブの支援についてでありますが,クラブチームが安定的に運営を続けていくためには,資金や練習場,試合場の確保が必要でありまして,県民や企業,関係団体等の多くの方々の幅広い支援体制が不可欠であります。県内には,岡山シーガルズや岡山湯郷ベルなど,トップチームが地域に密着して活動しておりまして,こうしたチームの活躍は,本県のスポーツ振興のみならず地域の活性化にもつながるものとなっております。
 今後ともトップチームの支援体制構築への協力など,支援のあり方や方法につきまして検討してまいりたいと存じます。



<平成18年6月定例会>(2006年6月21日)

(佐藤)  次に,岡山県総合グラウンドについてお伺いいたします。
 昨年の国体秋季大会主会場となった岡山県総合グラウンドについては,平成10年9月定例会において,現在の県総合グラウンドを改修して,改修に当たっては津島遺跡検討委員会の調査結果を尊重し,埋蔵文化財の保護保存に十分配慮の上,スポーツ施設と文化財が共存する施設整備をされるとの方向を示されました。この知事の御判断は,財政的にやむを得なかったものだと思いますし,何よりも岡山国体の大成功の大きな要因になったものとして,歴史的に評価されるものだと思います。ただ一方で,通称「運動公園」と言われる総合グラウンドでありながら,埋蔵文化財の保護保存もしなくてはいけないというのは,都市公園として他都市の総合グラウンドにはない特徴,あるいは大きな縛りではないかと思います。そうはいっても,岡山県の総合グラウンドにおいては,何だかんだ結構施設がございまして,(以下,パネルを示して説明)これは本当に赤坂先生につくり方を教わらなくてはいけなかったようなものでございますが,これは県営グラウンドの中で,地図はぼろいんですが,(指し棒を示し)指すのは立派です。こちらがいわゆる桃太郎スタジアムです。桃太郎アリーナ,それから県営球場,それからこういった形でたくさんの施設群が入っております。ちなみに,ここの黄色いところが駐車場でございますが,一見ここが使えるように見えるんですけれども,これは津島遺跡でございまして,この遺跡の上は運動場のようになっていて,みんなが遊んでいると。ちなみに,このあたりはマラソンコースになっておりまして,この中も運動施設がいっぱいという状況でございます。
 こういった形でございまして,本当に津島遺跡の下にいる古代人もびっくりといった状態になっております。そして,この間,モータリゼーションの波に逆行して,体育施設でぎゅうぎゅう詰めの敷地の中で,駐車場は隅に隅に追いやられました。
 かつてこの県営球場では,1万3,000人が収容で,プロ野球が頻繁に誘致されておりましたが,このときは,「この中に2,000台の駐車ができる」,そういううたい文句で県内外から観光客を呼び込んでいました。現在の正式な駐車場は,球場前の第1駐車場が133台,これが133台,武道館前の第2駐車場がこちらが137台,飛び込み台を壊してつくったプール横の第3駐車場が94台,こちらが94台の計364台です。しかし,これでは到底対応できないため,臨時駐車場として自由広場,こちらの上の方にありますけれども,122台,野球場裏に122台等で,トータルで最大が608台であります。そして,国指定の津島遺跡内部にはなりますけれども,桃太郎スタジアムの西の三角池周辺,このあたりでございますが,このあたりで約250台の臨時駐車場を確保するのが考えられる最大の駐車場であります。周辺は市内有数の一等地で,駐車場整備に多くの期待ができる状況にはございません。昨今は,建築物の横には駐車場の設置が義務づけられているわけですが,一体県はその総合グラウンド内の施設が最大限に使われたとして,何人の人間が集まって,そのためにはどの程度の駐車場が必要と考えておられるのでしょうか,まずもってお伺いいたします。
 特に,来年秋の5日間にわたる全国生涯学習フェスティバルの駐車場対策についてはいかようにお考えでしょうか。
 加えて,現状では,例えば,JR岡山駅西口からのシャトルバス等が整備されていないため,総合グラウンド横の国道53号は大会があるたびにタクシーで渋滞いたしますが,大きな競技開始の前後には,タクシーの待機スペース等が必要と考えます。土木部長の御所見をお聞かせください。
 そして,さらなる大問題でございますが,恐らく旧体育館跡に新テニスコートができれば,ここでございますが,このテニスコートができれば,それだけでこの駐車場はいっぱいになるだろうということですが,さらに恐ろしいのは,国指定の津島遺跡のうちの約250台の臨時駐車場が間もなく使用不能になるということであります。ここを臨時駐車場にしておりましたが,これが使えなくなります。というのは,桃太郎スタジアム前の三角池周辺に,岡山県教育委員会は水田や湿地を含めた遺跡の復元を考えておられるからであります。今年度には本格的に着工で,国指定史跡で国費も入り,もはやとめられない状況のように伺いますが,スポーツ施設と文化財が共存する施設が宿命とはいえ,体育施設利用者や地域住民の避難場所としても使えるスペースが古代に逆戻りしてしまうことについて,十分な協議が本当になされた結果なのでしょうか。もともと遺跡の上なのですから,遺跡が悪いわけではありませんが,せめて駐車場の手当てはどこかにして事を進めるべきではないかと思います。それにしても,なぜ今,古代遺跡復元なのでしょうか。駐車場の手当ても含めて御所見を教育長にお伺いいたします。
 また,特に各体育施設への障害者の方々の駐車場は,ユニバーサルデザインという観点からどのように考えておられるのか,土木部長にお伺いいたします。
 いずれにせよ,私は,この総合グラウンドの駐車場については,管理上の工夫の限界を既に超えていて,施設整備,構造上の問題であると言わざるを得ないと考えます。現在,指定管理者に管理が任されていますけれども,いま一度この岡山県総合グラウンド内の敷地利用について,今後のあり方も含めて総合的なチェックが必要な状況にあると思いますが,土木部長の御所見をお聞かせください。
 ところで,実は武道館や桃太郎アリーナでの競技大会では,選手,役員の方々が自動車で来られても十分な駐車場がないと事前にアナウンスしておく必要があり,そんな話は聞いたことがないと,大会自体が誘致できないこともあると聞きます。岡山駅から近いので,剣道の防具を小学生も担いで歩いて武道館まで来てくださいというふうに普通は言えません。実は,現在の武道館も建設の際に遺跡に阻まれて,現在の場所に規模縮小して建てられたと聞きます。その結果,余り知られてはいませんけれども,柔道も剣道も正式な形で4面をとることができません。とりわけ,柔道は通常よりも畳を小さくして大会を実施することが余儀なくされ,つまりは,例えれば,京間で柔道競技を実施するという非常にイレギュラーな事態が発生しております。剣道や空手なら桃太郎アリーナを使うということもあるでしょうが,柔道では畳を敷く必要があることから,なかなかそういうわけにはいきません。
 加えて,弓道場でありますが,この県の施設としては考えられない近的6人立ちのみという施設であり,きちんとした更衣室さえないありさまで,大きな競技大会を開催することは不可能であります。国体の際は玉野を主会場にして弓道も競技別優勝を果たしましたけれども,10年内には高校総体が岡山に回ってくることも予想され,願わくば県立弓道場の整備も強く望まれるところです。ちなみに,お隣鳥取県の米子にある武道館は,相撲の土俵もあり,弓道なら近的12人立ちはもちろん,遠的6人立ちの道場も備えた総合武道館で,柔道,剣道,弓道,空手道,なぎなた,銃剣道,相撲,合気道,少林寺拳法,武術太極拳など,すべての武道の全国大会を開催でき,会議室や研修室も併設し,さまざまな武道教室が毎日開催されている,本当に立派なものであります。皆生温泉もすぐそばにあって,全国大会誘致は観光施策の一つにもなっています。
 私は,老朽化した岡山武道館は,総合グラウンド内の駐車場確保のためとはもちろん申しませんけれども,現在地以外での場所での建てかえも含めて,日本の武道振興のために,改めてそのあり方を考える時期に来ているのではないかと考えます。願わくば,例えば,弓道の遠的9人立ち,近的12人立ちの道場を1階にし,2階から上をさまざまな武道の道場にして,階を重ねた総合武道館の整備が将来的には必要なのではないかと思います。老朽化した武道館と新たな古代遺跡復元には,どこかアンバランスなものも感じるのですが,武道館の現状と今後について,知事の御所見をお聞かせください。
 関連して,これも議会が条例を議決したわけでありますが,体育施設の使用料金に大学生の学割がきかないという声があります。周辺に大学が多くあり,中高生との交流も図ることができることから,より大学生に使いやすい使用料を考えるべきだと思いますが,土木部長の御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,岡山県総合グラウンドの必要な駐車場数についてでありますが,平成15年3月に策定いたしました総合グラウンドのリニューアル整備計画におきまして,車利用のアンケート調査等から,駐車台数算定の基礎となる平均的な休日利用者数のピークを約4,000人程度と見込み,そのための必要駐車台数につきましては,約600台と計画したものであります。また,この総合グラウンドは,駅にも近く,公共交通の利便性も高いということから,大規模な大会等で一時的に多数の利用者がある場合におきましては,公共交通機関の積極的利用を働きかけするなど,主催者と管理者である指定管理者との間で十分な調整が行われますように,県といたしましても適切に対応してまいりたいと考えております。
 全国生涯学習フェスティバルの駐車場対策でありますが,この大会は環境への配慮もテーマの一つでありまして,主会場周辺の渋滞緩和も考慮いたしまして,来場者の方々にはできるだけ公共交通機関の利用をお願いいたしたいと考えております。また,車での来場者に対しましては,近郊に臨時駐車場を設けまして,主会場への交通手段を確保するなど,その対策につきましては,実行委員会で検討してまいりたいと思います。
 武道館の現状等でありますが,岡山武道館は本県武道の中核施設として,武道振興に大きな役割を果たしているところでありますが,建設から35年が経過いたしまして老朽化が進みますとともに,大規模な競技会を開催するには手狭な状況となっております。このため,将来的には武道館の整備が必要であると考えておりまして,その際には,お話ございましたように,建設場所や弓道場のあり方等も含めまして,総合的に検討しなければならないと考えておりますが,現時点におきましては,まずは行財政改革を進めた上で,その先の課題とさせていただきたいと考えております。

(土木部長)  岡山県総合グラウンドのタクシーの待機スペース等についてでございますが,大規模な大会等の開催に際しましては,公園内の自由広場の一部を活用いたしまして,臨時のタクシー待機スペースを確保することができますので,主催者と管理者である指定管理者との間で十分な調整を行っていただきたいと存じます。
 次に,障害者の駐車場についてでございますが,野球場横の第1駐車場に4台,武道館と補助陸上競技場の間の第2駐車場に4台,さらに桃太郎スタジアムとプールの間の第3駐車場に2台,合計10台分の障害者のための駐車場を設置いたしております。また,駐車場から各施設へは,園路の段差解消やわかりやすい案内標識の設置を行うなど,ユニバーサルデザインに配慮した整備を行っているところでございます。
 次に,敷地利用の見直し等についてでございますが,総合グラウンド内の敷地利用につきまして,利用者を含め幅広く御意見をお聞きしながら,総合的な観点からリニューアル整備計画を策定いたしましたところでありまして,現在この計画に基づき整備を進めているところでございますので,御理解賜りたいと存じます。
 次に,大学生の使用料金についてでございますが,総合グラウンドの有料施設の使用料金は,施設ごとの設置目的や使用形態,類似施設の使用料金等を総合的に勘案いたしまして,設定しているところでございます。
 なお,桃太郎アリーナの利用に際しましては,大学生以下の方による催し物について,使用料金を低く設定しているところでございます。
 次に,米倉津島線の整備等についてでございますが,西崎工区に続きます吉備線工区につきましては,現在約86%の用地買収を終えておりまして,来年度から工事に着手する予定でございます。今後とも,地元関係者の御協力をいただきながら,早期に国道180号と接続できるよう努めてまいりたいと存じます。
 また,国道180号の万成峠の拡幅につきましては,現在,事業を進めております吉備線工区の進捗状況等を見ながら,今後,岡山市など関係機関と協議を進めてまいりたいと存じます。
 最後に,JR備前三門駅付近の高架化についてでございますが,米倉津島線の整備の一環といたしまして,JR吉備線を高架化する計画でございまして,この計画に基づきまして,現在吉備線工区の道路部について用地買収など鋭意整備促進に努めているところでございます。

(教育長)  津島遺跡史跡整備事業等についてでございますが,津島遺跡は我が国の水稲耕作開始期の実態を初めて明らかにした重要な遺跡であり,その一部は国指定史跡となっております。県教育委員会では,総合グラウンドが国体主会場候補地になったことに伴い,遺跡の保護保存のあり方を調査・審議するために設置した津島遺跡検討委員会の提言を受け,平成16年度から5年計画で史跡整備に取り組んでいるところであります。この事業により,総合グラウンドはスポーツ施設と文化財が共存する全国でもまれな都市公園となり,多くの人々の利用が期待されるところであります。また,津島遺跡を保存活用し,次世代へ継承することは,文化をはぐくむ地域づくりの観点からも重要な意義があると考えております。
 なお,駐車場については,総合グラウンド全体で日常的な利用に対応できる駐車台数は確保されていると聞いているところでございます。

(佐藤)  要望だけにさせていただきますけれども,これはそう感じるか感じないかということだと思うんですが,少なくとも総合グラウンド,平均が4,000人とったというのはわかるんですけれども。例えば,4月29日に,ファジアーノ岡山というサッカーのJリーグを目指すチームの試合では,4,000人以上の観客が桃太郎スタジアムに参りました。6月にも3,000人以上の観客が来て,そのときの状況で,それは桃太郎スタジアムだけを使っておったわけでありますけれども,ほかのところを使えば,少なくとも日曜日に4,000人という数字はまず出ないだろうなと。それから,岡山市の方で今御要望があるわけですが,バレーのシーガルスの本拠地を例えば桃太郎アリーナにしてはどうか,あるいはそういった試合がどんどん出てくるかもしれません。地域のスポーツ振興ということで,そういったトップチームを育てるということであれば,観客の方もたくさん来ていただけるような,そんな総合グラウンドではないといけないということで,駐車場がこれ以上整備できないというのは,ある程度は理解いたしますが,少なくともそうであるならば,そこまでの交通手段等の確保をぜひ考えていただきたいなと要望として思います。
 それと,LRT,吉備線の方でございますが,地域の高まりということでございまして,今は岡山市の方がしっかりとこれから基本計画をつくっいこう,その中で国と県,そしてまたJRと協議をしていくということでございますので,ぜひその土俵に乗っていただいて,県の方もいろんな事業をやられておりまして,地域の方もこれは本当に何年もかかっている大変な事業でございます。そこまでの汗に対しては十分敬意を払いながら,しかし新しい時代のLRTということで,そういった動きに岡山が乗っていけるかどうか,これは一つの政治判断ではないかなと思いますので,ぜひ前向きなお話として今後やっていっていただければと要望させていただきます。まことにありがとうございます。



<平成17年2月定例会>(2005年3月8日)

(佐藤)  次に,いよいよプロ野球もオープン戦が始まりました。私がファンである横浜ベイスターズが,ことしこそ最下位を脱出してほしいなと切に祈るものでありますが,その点で,また逆に,阪神タイガースのマスカットスタジアムでの秋季キャンプが中止になったという知らせは,本当に残念であります。私は,サッカーか野球かというと,明らかに野球の世代でありますが,しかしプロ野球がチーム名に企業名を冠している限り,結局はなかなか市民のものになり切らぬのではないかなという印象を,最近強く持つようになりました。
 一方でJリーグは,ワールドカップという頂点に向けて,サッカー界がアマチュアまで含めて非常に体系的に組織化されていて,地域におけるまちづくりにも資すると思いますし,今,「岡山からJリーグを!」という話に,強いロマンを感じるようになりました。岡山には,かってJFLの前身,JSLで活躍した川鉄サッカー部がありましたが,その後川鉄は,95年に神戸市に移転してヴィッセル神戸となり,兵庫のヴィッセル神戸,広島のサンフレッチェ広島の間の岡山県はJリーグの空白県になっています。ちなみに,Jリーグは,93年に10チームでスタートいたしましたが,99年から2部制を導入,今期からJ1は2チーム増の18チームで,最大20チーム,J2も14チームが最大目標,将来はこれにJ3を3地域ごとのリーグにして各20チーム,合計約100のJクラブ設立を目指しているそうであります。御案内のとおり,J2にJFLから,徳島ヴォルティス──大塚製薬でありますが──とザスパ草津が新規加盟し,近県では米子にあるJFLのSC鳥取が上をねらっております。
 もちろん私は野球ファンでありますので,マスカットスタジアムで一試合でも多くプロ野球の公式戦を見たいのでありますが,将来的に桃太郎スタジアムをホームグラウンドにして,年間にJ1の公式戦が38試合も行われることはむちゃな話ではありません。実は,今それだけの土壌ができつつあります。昨年は,岡山のサッカー界にとって歴史的な年となりました。Jリーグの公式戦開催もありましたが,何といっても岡山からは川崎製鉄水島以来10年ぶりの水島FC──三菱自動車水島製作所サッカー部でございますが──の国内のアマチュアサッカーリーグ最高峰のJFL昇格,そして知事も大好きと伺っております湯郷ベルのL1昇格,そしてファジアーノ岡山FC設立及び中国リーグ入りと,ここに来ていよいよ将来的にJリーグ入りがねらえる水島FCと,ファジアーノ岡山の活躍が光ったわけであります。もちろん,まずは連合軍によって,岡山国体成年男子サッカーで優勝していただきたいという強烈な思いがあるわけでありますが,最短ならば数年内にJリーグチームが生まれる可能性があります。特に,ファジアーノ岡山は,地域に根差したサッカークラブをつくろうと,岡山から全国へ,「岡山からJリーグを!」を合い言葉に,NPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブが運営主体になって立ち上げたチームであります。
 Jリーグに上がるためには,もちろんこの2チームが今後どうなるのかなという点も含めて,幾つか関門がございます。まずは,ホームタウンと専用スタジアムと指導者資格等でありますが,J1リーグの公式ゲームの開催要件であるスタジアムの1万5,000席は,改装なった桃太郎スタジアムは1万5,589席,さらに芝生席に改良の余地もあって,これはクリアできると思います。問題は,やはりお金であります。県リーグ,地域リーグ,JFL,Jリーグ──これはJ2からJ1になりますけれども──こういった形で上がっていくわけですが,中国リーグで年間300万円,JFL入りには1,000万円の年会費のほか,年間に約3,000万円の費用が必要と言われています。そして,Jリーグは,もちろんプロでありますから,5億円,10億円,20億円と経費ははね上がっていくそうであります。要は,クラブチーム方式で,どこまでこの経費が賄えるのかということで,独立採算制をとるJリーグとしては,プロ野球とはまた違った経営が必要になるわけであります。まずは,いわゆるサポーターとして,金銭的な面も含めて,岡山にJリーグ入りするチームをつくろう,こういった機運をつくっていくことが何より大切であると思います。繰り返しますが,可能性は大いにあります。Jリーグ,Lリーグを含め,サッカーという競技について,競技場等のハード面の整備状況について,また岡山からJリーグ入りを目指すチームの支援について,知事はいかようにお考えでしょうか。

(知事)  次に,サッカーへの所感でありますが,世界で最も多くの人々に親しまれているスポーツでありまして,我が国でもJリーグ創設以来,競技力の向上は目覚ましく,世界で活躍する選手もあらわれてきているなど,数々のすばらしいプレーが多くの人々に,興奮そして感動を与えてくれているものであります。本県では,昨年,特に,御質問にもございましたがサッカーチームの活躍が目立ちまして,埼玉国体における好成績,そして湯郷ベル,三菱自動車水島FC,ファジアーノ岡山が,一度にそれぞれ上位リーグに昇格するという快挙がありました。機運は大いに盛り上がってきていると存じます。今後,それぞれのチームが各リーグで大いに活躍していただき,県民に夢と希望を与えていただくことを期待しているものであります。
 競技場等の整備でありますが,Jリーグ等の試合を開催するためには,お話にございましたとおり,施設の収容基準が定められているところであります。本県では,桃太郎スタジアムはすべてに適応しているところでありますが,美作ラグビー・サッカー場や,4月1日にオープンの笠岡陸上競技場は,JFLに対応可能な施設となっているところであります。また,天然芝のグラウンドといたしましては,県有施設の津山陸上競技場や総合グラウンド補助陸上競技場のほか,市町村でも整備が進んでいるところであります。
 Jリーグ入りを目指すチームの支援でありますが,Jリーグ入りのためには,まずチームの競技力アップが求められるということでございまして,県といたしましても,その練習環境の整備に努めてきているところであります。先ほど申し上げました4月1日オープンの笠岡陸上競技場は,水島FCのホームゲームの会場として活用することとなっております。さらに,来年度は,美作ラグビー・サッカー場に,人工芝グラウンドを1面整備することとしております。今後,地域と一体となったクラブづくりに向けまして,関係者とともに,一層の支援の輪が広がるように努めてまいりたいと存じます。



<平成14年9月定例会>(2002年9月19日)

(佐藤)  最後に,17年晴れの国おかやま国体の主会場である岡山県総合グラウンド,通称県営グラウンドについてお伺いいたします。
 県営グラウンドは,我々子育て世代にとっては無料の格好の憩いの場であるため,児童館等子育て支援機能の充実もお願いさせていただきますが,幾つか質問をさせていただきます。
 まず初めに,いずみ町の交番について,都市計画公園内にある唯一の公園施設でない建物ということでありますが,いずみ町の交番は,極めて交通量の多い五差路を見渡す交番として考えられる最高の位置にあり,しかも,周囲は,この時期以降,タイワンフウの紅葉も美しく,まさに地域に愛されてきた交番です。17年国体を控え,別の場所での建てかえも検討されているようですが,森に囲まれた主会場を守るシンボルとして,十分に地元と協議され,現在の位置で,景観にマッチした森と共生する施設として整備されてはいかがでしょうか,県警本部長にお伺いいたします。
 次に,土木部長にお伺いいたします。
 国道53号バイパスから岡北大橋に抜ける総合グラウンド北側の国道は,岡山県下最悪の交通渋滞の名所で,県外からのお客様を迎える導線としては大変な問題があります。いずみ町交番前付近の交差点改良,さらには,国道の拡幅等の対応はどうなるのでしょうか。
 また,総合グラウンドを囲む南側の市道について,国道53号線との導線部分を拡幅すれば,北側の国道を通過せずとも東西に抜けられる園外を循環する幹線道路が確保できます。リニューアル計画の中で,岡山市側にぜひとも要請されてはいかがでしょうか。
 あわせて,リニューアル計画は今後どのように進められるのでしょうか。地域や利用者の声がいかように反映されるのでしょうか。
 さらに,旧陸軍の将校クラブとして建設されたグラウンドクラブは,歴史的建築物として重要な建物ですが,新体育館建設に伴いどういう扱いになるのでしょうか。

(土木部長)  県営総合グラウンドに関しまして,国道53号の渋滞対策についてでございますが,現在,国におきまして,津島交差点の東側に新たに左折車線を設けることや,西側の右折車線を延長するなどの交差点改良を検討中でございます。
 また,この交差点を除く区間につきましては,現在の道路幅の中で部分的に車線を追加することにより渋滞の緩和を図る予定でございます。
 これらは,いずれも平成17年のおかやま国体に合わせて整備されると聞いておりまして,県といたしましても積極的に協力をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に,リニューアル計画等についてでございますが,現在,利用者などで構成いたしますリニューアル整備計画委員会で,園路やトイレ及び駐車場などの改築計画を策定中でございまして,安全で快適な環境の中で国体が開催できるよう今後整備してまいりたいというふうに考えております。
 また,グラウンドクラブにつきましては,グラウンド内で移築をしまして,従来どおり利用していただけるように考えております。
 なお,グラウンド南側の市道拡幅につきましては,御要望の趣旨を道路管理者でございます岡山市に伝えてまいりたいというふうに考えております。

(警察本部長)  お尋ねの岡山西警察署いずみ町交番につきましては,本年で33年を経過した老朽交番でございまして,17年国体の主会場となります岡山県総合グラウンドを管轄しておりますところから,国体までに,ぜひ建てかえ整備をお願いしたいと考えている施設でございます。
 この交番は,現在は,場所的な制約から駐車場がないため,パトカーの駐留もできず,また,来訪される県民の皆様にも大変御不便を強いているいるところでございます。このため,現在地で駐車場用地等を含めた敷地の拡張も検討したところでございますけれども,公園内の樹木の伐採にも制限がありますため,パトカーや来訪者の車両の安全な出入りが確保できないところから,別位置への移転を検討しているものでございます。
 移転候補地は,現在地より約400メートル南側で,岡山県総合グラウンドに隣接した位置にありまして,17年国体には,各種の警察活動の拠点として極めて有効に機能する場所でございます。もちろん,日々の交番活動におきましても,管内住民の方々の安全を守るための機動的な活動が確保でき,来訪者の車両も安心して出入りできる適地と判断しておるところでございます。今後,地元の方々にも十分御理解をいただきまして,周囲の景観にも配慮した施設を整備してまいりたいと考えておりますので,何とぞ御理解を賜りたいと存じます。

(佐藤)  1点目のみ要望させていただきます。
 先ほどの知事の御答弁の体育館の方で,私は,個人的にはいい体育館をつくっていただきたいなあというふうに願うものでございます。
 いずみ町の交番の件でございますけれども,本当に懇切丁寧な御答弁ありがとうございました。御案内のとおり,先ほど御答弁にありましたように,木の伐採ということが一番の問題になっているということで,人の命と木の命といろいろあるわけでございますが,これは警察の方だけに聞くのは本来酷でございまして,本来は知事部局の側にも聞かなくてはいけないことだったのかもしれませんが,いずれにしましても,地域の方と御協議いただきまして,説明というのもよろしいんですけれども,まず協議の段階から相談に乗っていただくというところから始めていただければなということでございまして,そのことを要望させていただきます。



<平成12年12月定例会>(2000年12月12日)

(佐藤)  「ソフトパワー先進県おかやま」に関連して,特に「晴れの国おかやま国体」につき県民運動を展開するためには,社会人の積極的な参加が望まれます。ただ,低迷する景気の中で社会人が堂々とボランティアに参加するには,やはりボランティア休暇の活用が好ましいと思います。
 岡山県下でのボランティア休暇制度の導入状況は,平成10年5月に発表された「岡山県労働管理等実態調査結果報告書」では7.3%となっています。県においても,災害発生時の被災者支援や障害者施設等での介護活動にボランティア休暇の取得が認められ,平成8年度の制度導入以来,これまでに140名の職員が取得されていると聞いております。私は,ボランティア休暇が活用され,平成17年の岡山国体に多数のボランティアの方々に参加していただければと考えています。17年の岡山国体への県民総参加という点から知事にお尋ねします。知事は,17年岡山国体へのボランティアの活用についてどのように考えておられるのでしょうか。私はこの際,「岡山県民の日(おかやま国体記念日)」を金曜日につくり,秋季国体を金曜日に開会し,学生,社会人こぞって金,土,日の3日間国体ボランティアに参加するという,参加しやすい土壌をつくっていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。

(知事)
 次に,国体へのボランティアの活用についてでございますが,総合開会式や競技運営のサポート,あるいは選手のもてなしや民泊の受け入れなど,もうさまざまな分野におきまして多くのボランティアの方々の御協力を得たいと考えておりまして,今後,企業とか各種団体,学校などを初めといたしまして,幅広く県民に参加を呼びかけたいと考えております。
 そこで,具体的な御提案として,「岡山県民の日」を金曜日に制定をして,秋季国体をその日に開会してはどうかという御提案でございますが,県民の日というものの意義は,県民こぞって記念をするものとの趣旨からいたしますと,国体開催という背景だけで県民の幅広い御理解とか御支持が得られるのかどうかという問題もあろうかと存じます。さらには,総合開会式は,週休2日制というものが定着をして以来,土曜日開催ということが慣例化をしておりますということ,また輸送とか交通等の課題もございまして,現実に金曜日開催は困難であるということを御理解を賜りたいと存じます。



<平成12年6月定例会>(2000年6月20日)

(佐藤)  次に,平成17年「晴れの国おかやま国体」に引き続いて開催される予定の第5回全国障害者スポーツ大会についてお伺いします。
 この4月から,岡山県福祉のまちづくり条例が施行されたわけですが,まさに岡山県の「心」,「情報」,「物」のバリアフリーが対外的に示されるのがこの全国障害者スポーツ大会だと思います。さきの岡山国体は,国体中の国体と称されたわけですが,今回の岡山国体は,ぜひ全国に,全世界に鳴り響くようなバリアフリー国体を目指していただきたいと思います。
 そこで知事にお伺いいたします。
 昨年の12月議会で国体ボランティアとして,青年団の活用を提言させていただきました。恐らく障害者大会も同様,それ以上のボランティアが必要になると思います。そのボランティアの養成はどうされるのでしょうか。例えば,教育現場なら,総合的な学習の時間に,福祉の一つの目標として全国から障害者の方が集まられることを想定し,家庭で,職場で,地域で,岡山県民200万人総ボランティア運動が起こせないでしょうか。例えば,前述の神様の貯金制度を活用することも考えられます。
 また,全国大会に向けて,大会会場までの導線といった物のバリアフリーと,何より心のバリアフリーをどう進めていかれるのでしょうか。例えば,車いすの方が階段で立ち往生しているとき,4人の人間が即座に手をかせば,また障害のある方が照れずにすぐにSOSが出せれば,大金をかけてつくるスロープは要らないかもしれません。ハードの整備よりもソフトの面,その原点に立ち返れば,岡山県民全員が動くバリアフリーになれるはずです。
 以上,知事にお尋ねします。

(知事)  次に,第5回全国障害者スポーツ大会であります。
 県民200万人総ボランティア運動についてでございますが,全国障害者スポーツ大会の円滑な運営と成功のためには,おもてなしの心,思いやりの心を持って,多くの県民の皆様が参加をしていただくことが不可欠なものと考えております。来県をされました障害者の皆様方に安心して気持ちよく過ごしていただけますように,県民運動の輪を広げてまいりたいと存じます。
 大会に参加をする選手の手助けを行います介助のボランティアの方とか,あるいは聴覚障害者の方々に情報等を提供いたします手話通訳あるいは要約筆記等の専門ボランティアの養成でございますが,これからも関係団体や学校等の協力を得ながら推し進めてまいりたいと存じます。
 物・心のバリアフリーの進め方でありますが,物のバリアフリーについては,大会の会場はもとよりでございますが,周辺道路とか,あるいは公共交通機関などにつきまして,関係機関の御協力もいただきながら,一体的なバリアフリー化に努めてまいりたいと存じます。
 また,心のバリアフリーでございますが,全国から来県をされます選手団などを温かくお迎えすることができますように,これからも各種メディアを活用いたしました啓発とか,あるいは車いす・アイマスク体験の実施,さらには障害者の方々との触れ合い,ボランティア活動の促進など,さまざまな方法を通じまして,ともにお互いが支え合う,そういった意識の高揚を図ってまいりたいと考えているとこでございます。

(出納長)  県庁での使用状況についてでありますが,授産施設等からの昨年度の実績は,看板や記念品用の丸盆のほか,米消費拡大のキャンペーンで配付する米菓子や街路整備で植栽する葉ボタンの購入等でありますが,今後とも,各種行事における記念品等としての利用促進を図ってまいりたいと存じます。
 次に,庁用物品につきましては,安定的な供給が必要なことから業者登録を行っているところでありますので,登録に向けての指導を含め関係部と連携を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。
 なお,お尋ねのおかやま後楽園300年祭では,岡山駅から後楽園までのガーデニング回廊の草花を購入しているところであり,平成17年の岡山国体の記念品等につきましては,今後開催準備を進める中で研究してまいりたいと存じます。



<平成11年12月定例会>(1999年12月10日)

(佐藤)  次に,平成17年に記念すべき第60回目の国体が行われるわけでありますが,来年公募される国体の愛称が何であるにせよ,総合成績が何位であろうが,岡山に日本の注目が集まるわけでありますから,ここは岡山のすばらしさ,岡山らしさを存分にアピールしなくてはいけません。また逆に,岡山県民が一体になって全国の方々をお迎えする際のシンボル,岡山のアイデンティティーが必要であると思います。
 ところで,お国自慢としてあるいは短絡的に浮かぶイメージといったものがあるかと思いますが,はて,岡山は何なのかと考えると,あえて後楽園とは申しません。桃太郎以外にないのではないか。日本の歴史上,桃太郎ほど老若男女に愛され,日本全国津々浦々まで知れ渡った有名人はおりません。彼の偉大なる功績,相手が動物とはいえ,命がけの戦いにだんご1つで有無を言わせずついてこさせるカリスマ性といったものは,日本国民が皆認めているところであります。
 ところがしかし,桃太郎は単なるおとぎ話ではなく,壮大な歴史スペクタクルであるという方もおられます。一説には,海を渡ってきた百済の王子である温羅は,はるか昔,大和朝廷に匹敵する文化,技術を誇る古代吉備王国をつくり上げ,この岡山の地もまた日本の中心地として天下に名を響かせました。がしかし,我が吉備王国は大和朝廷に征服され,勝てば官軍よろしく,何と温羅は鬼扱いされ,大和の側が桃太郎と呼ばれるようになったというのです。おとぎ話に託された我が郷土のこんな悲しい戦いの歴史も岡山県民は知らなくてはいけません。そして,私たちは侵略者である桃太郎を許し,愛してまいりました。しかし同時に,はるか昔,真金吹く吉備の大空のもと跳びはねていた鬼にされた温羅もまた復権させなくてはいけません。大和に匹敵する古代吉備王国が栄えたそんなすごい歴史を持つこの岡山のすばらしさを我々県民自身が認識し,全国に誇りを持って訴えなくてはいけません。
 築庭300年,平成17年岡山国体はまさに桃太郎岡山をアピールする絶好の機会であります。そして,我々岡山県はこの桃太郎と温羅で食っていってもよい日本唯一の県であります。最大限文化,芸術,観光,教育に桃太郎や温羅を使わさせていただくこと,それが岡山の誇りになり,個性になると思います。そういった熱い思いを持ってこの桃太郎と温羅を考えるとき,岡山のお祭りは全国にもっともっとアピールすることができる潜在的可能性があるのではないでしょうか。恵まれた地理的条件,気候風土,桃太郎や温羅といった素材,岡山のお祭りには,やりようによっては日本のみならず,世界に発信できるものになり得るはずです。都市間競争が激化している時代に,岡山県にこの祭りありと全国から観光客が押し寄せる,どんどんお金を落としていく,そんな祭りがあればすばらしいと思います。
 具体的にお祭りの効用について考えますに,お祭り成功の一つの基準が言われていますが,第1に,地域のコミュニケーションづくりに寄与しているか。例えば,踊りに参加するためにチームで練習すること自体が地域コミュニティーの活性化になります。第2に,経済交流,物的開拓に寄与しているか。第3に,全県民,市民的交流に寄与しているか。第4に,重要な歴史・文化遺産を守るものか。桃太郎や温羅はまさに格好の素材です。そして,それは一過性のイベントではなく,地域の個性としてお祭りそのものが文化になります。第5に,現代人の不信感や疎外感を解消し,あしたの生活に活力を与えるものか。全国的に著名な成功した祭りは,多くの場合こういった基準に合致したものだと思います。
 また,逆にお祭りを成功させるためには,意識してこういった基準に沿わせる必要があると思います。そして,現代のお祭りの特徴を挙げるならば,基本的に道具はないが,おそろいの衣装の老若男女が,決められていない型でアップビートに合わせて集団で踊りまくるという,全員総参加型のものが受けているようです。
 別に悪く言うわけではありませんが,「踊るあほうに」云々の「阿波踊り」に高尚な思想性があるでしょうか,にもかかわらず「徳島阿波踊り」は,26万5,000人の人口の徳島市に4日間で137万人もの観光客を集め,うち半分は県外からのお客であるとのことです。宿泊施設の少ない徳島ですので,京阪神からの観光客は淡路島や高松に流れ,結果として広域観光圏がつくられています。この「阿波踊り」も,もともとは勝手連的に踊られていたものを観光協会が一本化させ,現在の形に至っているようです。「阿波踊り」は成功のすべての基準を満たしています。
 また,高知の「よさこい」も,実は昭和29年不況対策の景気づけとして始まったものが,7,600万円の事業費で,4日間で100万人を動員,人口32万5,000人の高知の町が県外からの観光客でごった返します。そして,この「よさこい」が北海道に渡り「よさこいソーラン」となり,第8回を数え,学生ボランティアの手で夏の一大風物詩に成長したのは記憶に新しいところであります。「よさこい」も「よさこいソーラン」も特に若い女性が集団で踊りに参加するという新しい現象を生み出し,一言で若者にとってかっこいい祭りになっています。加えて,「よさこい」が8月9日から12日,「阿波踊り」が8月12日から15日に固定化され,3大とも,4大とも言われる東北の夏祭り同様,回遊性を持たせているところは注目に値します。最初に点として観光客を呼び込み,周遊させ広域観光圏をつくるということです。
 さらに,松山では,その昔,伊予鉄道野球部員が高松遠征の宴会で踊ったのが発祥とされる「野球拳」を「ニュー野球拳踊り」としてこの夏よりパワーアップさせ,夏の観光客の落ち込む時期に「よさこい」,「阿波踊り」に連携づけながら,それに匹敵するものをつくり上げたい意向のようです。要するに,夏の四国はあちこちで踊りまくっているわけです。
 翻って,岡山のお祭りはどうでしょうか。残念ながら,岡山のお祭りや踊りで全国ブランドになっているものはないように思います。桃太郎や温羅という格好の素材がありながら,また交通の結節点として最高の立地環境にありながら,岡山のお祭りに全国から観光客が誘致できないのは宝の持ちぐされとしか言いようがありません。築庭300年もしかりですが,この不景気に県外からどれだけ観光客を呼び込み,どれだけお金を落としてもらうかが勝負になります。
 そこで,知事にお伺いいたします。
 お祭りの効用についてどのようにお考えでしょうか。また,中四国の夏祭りと広域に連携しながら,また岡山県内で連動しながら,経済波及効果をねらい,岡山の文化,伝統創造のためお祭りを展開していく戦略的プランをお持ちでしょうか。築庭300年が大きな夏祭りと連動していたら,平成17年国体が夏祭りとどこかで連動するならば,岡山県選手団の入場が「阿波踊り」や「よさこい」に匹敵する踊りに勇気づけられるなら,こんなにすばらしいことはないと思います。年に一度の夏祭り期間に命をかける,このお祭りで命を落としても本望である,そんな熱いお祭りをぜひつくることを手助けいただきたいと思います。
 以前,「燃えろ岡山県民運動」がありましたが,燃えにくい岡山県人を燃やすのはお祭りしかないと思います。そして,そのお祭りのキーワードは,桃太郎であり,鬼となった温羅であり,ともかく踊りまくることだと思います。どうか歌って踊れる知事,踊る岡山県庁が不景気を払ってくださることを心よりお祈りし,私の質問を終わらさせていただきます。まことにありがとうございました。

(佐藤)  それぞれの市町村には,次代を担う人材の宝庫として現在も青年団が活動しています。地域によって活動状況にばらつきもあるようですが,18歳から35歳の勤労青年がよりよい地域づくりのためにボランティアで懸命に汗を流しています。21世紀の地域社会を考えたとき,自発的に青年団活動に参加するような青年こそ大切に育てていかなくてはいけません。青年を育てるためには,責任と権限と財源を与えることが重要です。また,明確な目標を示し,信用してチャンスを与え,しかし失敗しても目をつぶるという寛容さが必要です。全国的に,青年団活動はやや衰退ぎみであると伺っていますが,岡山県における青年団の活動の現状と,その活動の評価について教育長にお伺いいたします。また,あわせて支援策についてもお伺いいたします。
 さらに,全県下市町村のみならず,全国に広がっていく青年団のネットワークは潜在的に物すごい可能性を秘めています。また最近では,JICAなどを通じて国際的なネットワークも生まれつつあります。そこで,提案でありますが,来る平成17年岡山国体のボランティアとしてこの青年団のネットワークを使ってはいかがでしょうか,国体準備局長にお伺いいたします。

(知事)  お祭りについてのお話でございます。具体的なさまざまな事例を取り上げられ,また非常に全国の有名なお祭りについても大変深く勉強されまして,その成果を今お話をいただいたわけでございます。大変参考になるお話でございました。お話がございました桃太郎にちなんだお祭りということでございますと,皆様御存じのとおり,岡山県におきましては,「岡山桃太郎まつり」とかあるいは「おかやまショッキングフェスタうらじゃおどり」というもの等が行われております。こういったことで人的あるいは経済的なさまざまな交流あるいは各地域における地域の活性化,こういったことを考えますと,祭りが果たす効用,効果というものは大変大きいと,私も議員の御指摘,同感に思います。
 具体的に見ておりますと,お話がございました札幌市にあります「よさこいソーラン祭り」,これがどのようないきさつであのような形になったのか,私も若干パンフレットを見させていただきましたが,やはり大学生,若い学生さんがみずから発想して,若い方々がみずからそれを広げていって,自分たちの力でこの祭りを起こしたという経緯があるようでございまして,そういった面では学生さんの若さとか,その感性,こういったものが非常に熱意ある取り組みという形において実現をしてきたのではないか,今は観客動員数が193万人ということでございまして大変大きな祭りに成長しております。こういった祭りの経済的な波及効果というのは本当に大きなものがございまして,私といたしましても,本県におきまして多くの方々が集まって,そしてにぎわっていく,こういった全国ブランドに成長するようなそういう祭りの実現というものを,私も心から実現を願っているわけでございます。
 実は中国知事会等におきましても祭りについて話が出たことがございまして,こういった大きな大規模イベントをお互いに,先ほどお話がございましたとおり日にちを少しずらせてつなげていくというような,関連を持たせるといったような工夫をしてはどうかと,このようなお話もございまして,また同時に,一緒になってそれを全国に情報発信をしようじゃないかと,このようなお話もございまして今協議を進めているわけでございます。いずれにいたしましても,こういった祭りというものを継続させていく,あるいは大きくこれを発展させていくというためにも,何と申しましても,民間の主体的な取り組み,そして県民総参加ということが何よりも不可欠であると,私はそのように思っております。とりわけ佐藤議員のように若い方々のすばらしい感性,こういったものが私は何よりも大切ではないかと思っておりまして,皆様方のそういう大きなうねり,盛り上がりというものを心から期待し,そのような立派な祭りがこれからも大きく成長していくように,私自身もこれから先頭に立って,歌って,踊っていきたいと,このように思っておりますので,どうかよろしく御支援のほ!
どお願い申し上げたいと思います。

(国体準備局長)  国体での青年団の活用についてでございますが,平成17年の岡山国体は195万県民総参加の国体を目指しております。県民運動やボランティア活動としての県民の皆様方の幅広い参加は,国体の円滑な運営と大成功のためには不可欠のものと考えております。特に,地域でさまざまな活動をしておられます青年や女性の方々には,岡山国体開催時に大きな役割を担っていただく必要があると考えております。御提案の青年団ボランティアネットワークの積極的な参加につきましては,大いに期待をしているところであります。

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