2006年2月2日(木)
【フィールドオブドリームス・アルビレックス新潟の場合】

=======================================
 本日は、急増する市内の落書きに対して、落書き調査隊、隊長以下オリジナルメンバー(と言っても3人)で、午後から夕刻まで、台車を転がしながら、竿竹屋方式で落書き消去。一斉消去方式が楷書体なら、草書体のようなやり方で、非常にスピーディー、かつ、極めて楽しかったです。
 昨夜、商大の夕学講座で、日本一のオレンジ軍団「アルビレックス新潟」の奇跡と軌跡について、株式会社アルビレックス新潟の池田会長の講演を拝聴しました。
 岡山県も、国体後の「スポーツ文化」振興のために、競技力対策のみならず、生涯スポーツの観点からも、「新機軸」を打ち出さなくてはいけませんが、そのための地域密着型の総合型スポーツクラブ支援という観点からも、たいへんに参考になりました。
 その影響か、「それを作れば彼は来る」の『フィールドオブドリームス』のビデオを真夜中に観て、感動しておりました。
=======================================

      ↓ 詳しくは

 今年も、いわば2部リーグ時代から1部を圧倒する観客動員を誇り、Jリーグで踏ん張る「アルビレックス新潟」は、スポーツ不毛の地と呼ばれた新潟の地にあって、12年前は、おそらく、今のファジアーノ岡山のような状況でした。

 98年に、JFLからJ2昇格。04年J1昇格。新潟中越地震の被害を新潟県民とともに乗り越え、J1で生き続けています。
 そして、「アルビレックス」は、ひとりサッカーだけでなく、バスケットやウィンタースポーツやチアリーダース等々も含めた総合型スポーツクラブの呼称であり、新潟は、起業家・事業家を育成し、株式公開企業を2〜300社以上つくり、世界に発信するのだと意気盛んです。


 「アルビレックス新潟」は、12年前のワールドカップのLAのローズスタジアムでの9万人の異空間での感動を新潟の地で再現したい、という、感性に訴える分かり易い夢の形に、行政も、企業も乗り、日韓ワールドカップサッカーの新潟開催に漕ぎ着けたことが、躍進の弾みになっているのは言うまでもありません。
 ワールドカップサッカーを千載一遇のチャンスと捉えることができたこの構想自体に夢があります。

 ところで、いわば、「アルビレックス新潟」のJ1リーグ昇格の夢は、当初、ワールドカップサッカーの新潟誘致の陽動作戦のような観もありましたが、多くの「ファミリー」が、我がチームを愛し、育て、チーム(選手、経営陣)も、それに真摯に応えるうちに、いつのまにか、サッカーを通じて、新潟の新しい地域文化と歴史が生まれていました。もはや、Jリーグの夢を誰も止めることはできず、そして、そこに新潟のアイデンティが確立し、新潟の誇りが生まれました。

 もちろん、その背景には、総合型スポーツクラブを全国津々浦々波及させるという「Jリーグ100年構想」という理念と素晴らしいスワンスタジアムがあり、なによりも、新潟にJリーグをというサポーターの熱い思いがありました。


 ただ、そこに、どこにでも普遍的に当てはまる経営戦略があったというのは、どこか結果論のようでもあり、例えば、4万席のうちの2万2000席が、9千数百のファミリーのシーズンシートで埋まるというのは、やはり、新潟県民の素晴らしさ、チームや地域や自分の家族への確かな愛情が、根底にあったのだと思います。

 そして少なくとも、「アルビレックス新潟」の活躍が、1兆円とも言われる価値を生み出し、新潟のイメージが飛躍的にアップしました。


 翻って、岡山はどうでしょう?

 もちろん、愛する岡山を悪くは言いたくありませんが、少なくとも、新潟のような状況ではないのは事実だと思います。
 「おかやまシーガルズ」に大いに期待させて頂きますし、支援もさせて頂きたいのですが、少なくとも、岡山は、これだけの街がありながら、Jリーグのチームも、プロ野球チームも生まれていません。いずれそれは、街の品格において、恥ずかしい、と評価されれる時代が来ることでしょう。
 それだけのスポーツ文化の歴史や伝統がないのなら、その他の事も、推して知るべしと言われても、反論できないかもしれません。

 そしてはっきりしているのは、願えば、誰かが用意してくれるものではない、貴方は、そのために何をしますか?その力を結集しなければ、決して夢には届かないということです。

 端的には、「ファジアーノ岡山」をJリーグ入りさせること、それができたらではなく、それができるようになるなら、その過程において、誰もが胸を張って、「この岡山を愛している!!」そう叫ぶことができる街になっていることでしょう。
 「それを作れば、彼は来る」。作るのも、来るのも、私達自身です。

 岡山からJリーグチームを生み出すこと、それは、まさに、街の全ての試金石です。

Copyright (c) 2006 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp