2006年1月22日(日) 【備中神楽振興について】

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 先ほどまで、備中神楽保存振興会総会とその後のシアター。備中神楽は、昭和54年に重要無形民族文化財に指定されていますが、奉納の神楽もありますが、なにか、構えて鑑賞するような仰々しい物ではなく、要は、大衆郷土芸能です。しかし、その様式美は、芸術です。
 まさに、国民文化祭では、岡山のエースです。
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 その点、現在の能や狂言とは、やや趣を異にします。昨年、中央小でも拝見しましたが、子ども達が囲んで座ってみるような、意外にそういう雰囲気にもよく合います。

 昔は、神楽太夫が玄人芸を競い、組も変えたりしながらの多くの社があり、備中地方の神社の祭りを巡業してまわるというもので、おそらく娯楽が少ない時代には、たいへんに楽しみな興業だったのではないかなと思います。いわば、地方の芸能人で、神楽太夫には、追っかけがあるほどのスターでありました。
 今も、20を超える社中が、高梁(旧川上郡)、さらには、新見を中心に活動しています。

 また、題材が、いわゆる神話に関わるものですから、子供達に自然と日本の成り立ちが、意識されたのではないかと思います。自然と善悪や己の存在を超えたものへの畏怖の気持ちが醸成されたのだと思います。



 そして現在、三丁目劇場が、吉本興業の定期興業が去った後も、備中神楽の「常打ちの小屋」(毎月の日曜日)になっているということで、これはこれで、実に良かったのではないかと思います。

 三丁目劇場は、劇場という名称が如何かな、という議論があったとしても、土・日は良く埋まり、いわばルネスホールとは、良い意味で異なる文化活動の拠点になっています。

 あるいは、外部の「よしもと」頼みではなく、地域に根差したものになっており、仮に前市長の掲げられた「感動産業」のイメージそのものではないにしても、行政と市民の協働が功を奏した成功事例になりつつあります。

 また、備中神楽のイメージには、見事にマッチしており、日限地蔵とのコラボレーションで、巣鴨のとげぬき地蔵界隈の雰囲気を目指すなら、それもありかな、というイメージが湧きます。

 なお、三丁目劇場の講座の発表という形も含めて、後楽園でも定期上演があり、備中の芸能が、うまく、江戸時代には、歌舞音曲が禁止されていた備前に、浸透しています。加えて、温羅伝説の集大成の神楽も計画されており、より身近に感じられることと思います。

 できれば、学校現場で、どんどん子ども達に観てもらいたいものですが、いずれにせよ、備中神楽というのは、伝統保存芸能というより、まだまだ広がっていく、あるいは、変化する可能性を持っています。


 まずは、平成22年の国民文化祭では、間違いなく岡山の誇る大衆文化の華として全国発信できますし、裾野を広げるという意味では、平成19年の生涯学習フェスティバルでも、より認知されると思います。そのために、尽力させて頂きたく存じます。

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