2004年11月12日(金) 【文化というもの】

 一便で上京した一昨日の午前中、恩師の勧めの世田谷区立世田谷美術館を訪ねました。常設展示は改装中で、館内の市民ギャラリーしか見られませんでしたが、田園都市線用賀駅から住宅街を抜ける美しい用賀プロムナードを歩いて15分、戦前はゴルフ場であったというロンドンのハイドンパークに酷似するという広大な砧(きぬた)公園の中に建つ美術館は、なんともハイソでセレブ。お散歩先に美術館。
 日本を代表する文化人が信じ難いほど住んでいる80万人を超す世田谷区ですから、「区民の日常生活に密着する」ことが、同時に、「国際性を志向する」ことになります。また、市民が、運営資金まで含めて、美術館を支えるという、世界的にはポピュラーな思想も、「世田谷美術館友の会」ではリアルな感もあります。
 「田園調布に家が建つ」ではありませんが、砧公園で遊ぶ母子というのも日本有もっとも妬んでも仕方ありません。人口、要は、数なんだろうかなぁと、夜に、大田区蒲田の商店街を歩きながらしみじみ思いました。
 このところ、「PFI方式で、なんと幾ら安くなりました!!」という話ばかりで、文化的には、それで失うものもあるんだろうなぁ、とも思います。
 もっとも妬んでも仕方ありません。岡山方式があればなぁ。

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