2003年8月16日(土)
【お化けはきっといる・あの世はきっとある】

 午前中は、檀家である妙林寺さんにお参りして、とぼけた時期に、墓参り、海軍いかり会。勢いを駆って、岡山県立博物館平成15年特別展「他界への招待ーお化けはきっといる・あの世はきっとあるー」に。最近、あの世とやらに、たいへんな興味を持っています。


 それにしても、県立博物館も、施設の老朽化が進み、本当に厳しい予算の中で、自主企画をするのもなかなかたいへんだと思いますが、派手さはないものの、まさに汗をかいて県内の資料・史料を収集されたのが伝わる、非常に良い展示会になっています。

 本日は、岡山民俗会の立石憲利先生の妖怪の昔話があり、展示室が囲炉裏端のような雰囲気に。まさに、語り芸の世界。
 上方落語の大ネタ「地獄八景亡者の戯れ」のような話もあり、子ども達と一緒に、話に引き込まれてしまいました。


 特に、今回のメインは、建部町豊楽寺の「観心十界図」。要は、地獄・極楽を書いた、昔の人の世界観の図です。閻魔様がいて、なんとか地獄があって、という物ですが、おそらく、昔は、庶民にこうして、ビジュアルで説法されていたのだと思います。
 意外に、中近東や東南アジアの家には、向こうでいう、こういう物が、飾ってあるような気がします。

 さすれば、宗教はまさに、生活に根差した倫理・道徳そのものだったのだのだなぁ、と思います。

 日本人は、いつからか、「ばちが当たるよ」とか、「地獄に落ちるよ」とか、「お天道様が見ているよ」などと言わなくなって、嘘もばれなきゃ平気、自分だけが得すれば良い、自分がしたいことをしたいだけする、そんな人種に成り下がったのかもしれません。

 子供心に、嘘をついたら、閻魔様に舌を抜かれる、悪いことをしたら、無限地獄に落ちる、そういう世界観が、染み付いていて、ある種の社会規範になっている方が、無神論で物質主義に走るより、遥かに健全だと思います。

 目に見えないものに、畏怖や畏敬の念を持つことができる、だから人間なのでしょう。


 31日までですので、是非、ご家族連れで、閻魔様の前に立たれることをお勧めいたします。地獄に落ちて、鬼に臼に撞かれる自分を想像すると、悪いことはできないもんだなぁ・・。

 妖怪も、待っています。


 まだまだ続く夏祭り・・・。

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