2008年2月5日(火)
【不寛容な社会ゆえのイチャモン】

 朝、頭だけ布団から出して寝ている子供の寝姿を見たら、どこのおっさんが寝とるんか?と思うと同時に、わしか、これ?と思いました。息子は、頭がでかいのです。高校時代、大顔連(だいがんれん)を組織していましたが、残念ながら、彼も入会資格があるかも。

 最近は、街頭演説がない朝は、ストーブの前で、NHKBSで、『ちりとてちん』を観るのが、日課です。いつのまにやら、小学生ですが、TVが好きと言うより、そういう状況が好きなのかな。



 午前中に、本当に久しぶりに、岡山市国公立幼稚園PTA連合会の全年度会長=顧問として、委員会ならびに研修会に参加させ頂きました。
 昨年は、渦の中にいたので、慣れていたのですが、子育て世代のお母さん方、350人を前にすると、懐かしいやら、どこかで議員に戻った分、かえって緊張しました。

 顧問は、「来んもん」に徹し、前年度役員全員顧問体制で、昨年度の役員を2名ずつ毎回の役員会に、派遣しておりましたが、本日の会で、事実上、今年度行事のヤマが終わり、次年度引継ぎに動いていきます。

 PTA活動は、駅伝と似ていて、役員は、当該区間を任されているランナーに過ぎません。今年度の役員さんが、次年度にうまくバトンを渡すのを見届けられれば、前年度の役員の役割は、本当に終わります。

 幾分寂しくもありますが、昨年、良い仲間と頑張れたことをちょっくら誇りに思います。1年は短いですが、幼稚園のPTAの1年は、充実しすぎて、本当に長かった・・・。

 今は、おやじの会の下っ端で、PTA復帰?は、あっても、もう少し先だと思いますし、今年後半からは、ライオンズを頑張らないといけない事情があります。またライオンズか?と言われても。
 議員というより、JC・OBって、こうだと思います。好きになるまでやるのです。



 本日の研修会は、『子どものために手をつなぐー学校へのイチャモン(無理難題要求)のウラにあるもの』と題して、大阪大学大学院教授の小野田正利先生のご講演。今や、時の人と言って良いぐらいに、御多忙な方です。

 実は、昨年度に、お招きしていたのですが、御母堂の御危篤で、前日にキャンセルになり、1年遅れで、律儀に約束を果たされに、来て下さったのです。なお、ご母堂は、回復されました! 

 重いテーマでしたが、明るい服装と喋くりで、会場を沸かせながらのスーパー『ライブ』の中で、本当に考えさせられました。特に、子育てに必要な3つの間、すなわち、「仲間、空間、時間」のうち、大切な時間をなぜかくも我々は失って、かくも、お互いにギスギスしているのでしょう?

 モンスターペアレントという人格全面否定の言葉を決して使われず、「最近の親はなっていない」という、戦後教育の問題にすり替える紋切り型のアプローチではなく、理不尽な要求の背後にあるものを探っていく中で、「自己の主体性と他者への配慮」を意識し行動できるような装置をいかに、作り出していくか?



 小野田先生の御著書の「はじめに」から引用させて頂きますが、イチャモンをつける親だけではなく、老若男女問わず、皆、切れやすくなっている・・・社会全体の問題です。

 『いま急速に人びとの間にあせりと不安感が広がり、自己防衛とともに他人に対する批判と攻撃性が出てきているように思います。ゆとりがないのはもちろんのこと、毎日を馬車馬のように駆けずり回る状況が進み、周りに何が存在し、前方に何があるのか見通せない焦燥感とさまざまなイラダチ感が頭をもたげることがあるようです。』

 そして、「おわりに」から、

 『きつくえげつない時代状況だからこそ、人と人とが結び合うことの必要性と、子どものために手をつなぐことの確かさを追究したい・・・「学校に残る権威主義と思い上がり」「他者に無関心で不寛容な社会」「孤立する子育てと自子(自己でない)中心主義」。これらが、今の学校と保護者の関係を読み解くキーワードかもしれません。
 お互いが、なぜ胸襟を開いて話し合えなくなっているのか、何がそのようにさせているのかを考える必要があります。』


 せめて、息子と『ちりとてちん』を観られる時間を大切にしたいです。

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