2005年5月23日(月) 【吉備高原のロマン】

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 本日は、朝一で、1991年開校の吉備高原学園高等学校に、お邪魔しました。学校法人ですが、理事長は、石井正弘岡山県知事が就かれており、全国にも類の無い「公設民営(正確には、第三セクター運営)」の1学年が100名という少人数教育の全寮制・普通科の共学校です。 ttp://www.kibikogengakuen.ed.jp/
 不登校傾向のあった生徒、高校を中途で退学した生徒も、積極的に受け入れているため、県内的には、不登校生徒が集うというイメージが走っていますが、同校の掲げる「全人教育」の理想に沿い、社会に対応する教育を行っています。
 恵まれた自然環境(逆に言うと、街には非常に遠い)と教育環境(これまた、バブルの時期だからこそできた物凄く立派な校舎や設備で驚きました)の中で、生徒と先生が、まさに「生活」を共にしておられます。おそらく、先生方は、一日の全ての時間を教育に注いでおられ、通常の学校の3倍はハードと言うのも、むべなるかなです。
 極端な話、先生も生徒も、まさに、吉備高原の中に暮らしています。それゆえ、同校の卒業式は、シンプルながら、まさに感動のるつぼだそうです。
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 今回、またまた吉備高原を訪ねたのは、5月13日に、「学校法人吉備高原のびのび小学校・吉備高原希望中学校」を訪ねた延長線上の政務調査です。

 非常に近くにあり、「不登校」というテーマが共通ではありますが、義務教育と高等教育ということもあり、理念がやや違うようにも思いました。
 ただしかし、共通しているのは、先生方が、生活の全てを教育に降り注いでおられるということと、先生と生徒の人間的な繋がりです。

 私は、吉備高原にできる教育センターとこの2つの学校をうまく結ぶことで、全国でも例のない「不登校」対策のセンター機能ができないかと考えていました。
 ただ、今日お話を伺って、さらに、義務教育以後のいわゆる引きこもりについてどう対応するのか、という問題も看過できないように思いました。


 同時に、吉備高原都市については、様々な評価がありますが、しかし、その掲げている崇高な理想自体は、あるいは、水島コンビナートのように、時代と合致すれば、きわめて高い評価があったろうと思います。その「思い」を随所に感じます。

 これだけの街を切り開くことは、行政も政治も、まさにポリシーもロマンもあったろうと思います。ただ、夢が結実していません。
 我々の目の前にあるのは、3万人の街に成れなかった1500人の街です。これをどうして行くのか・・・・・。
 愚痴っても金利が借金を膨らませるだけです。我々が、新しい「思い」をこの街に託さないと、困るのは、我々の子ども達です。


 また、帰りには、サンプラザ内の岡崎嘉平太記念館にも立ち寄りました。 ttp://www.kibicity.ne.jp/users/okazaki/index.htm
 日中の国交断絶時代に、国交の早期回復のため尽力された岡山の偉人は、今の日中関係をどう見るだろうか?多分、そこには、ロマンが無いでしょう。

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