2004年10月15日(金) 【教職員の不祥事について】

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 本日は、文教委員会。一連の教職員の不祥事につき、教育長及び、異例の教育長処分をした教育委員会委員のコメント。
 委員長としても異例ですが、あえて教育委員会委員に、「思い」を伺いました。もはや、対処療法で済む問題ではなく、教職員の使命が根本から問い直されています。
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 文教委員長という事で、いわゆる教育現場で不祥事があったり、大きな教育行政の動きがある時は、予め、ご連絡を頂戴致します。基本的に、まず良い話はありません。

 それが深夜に近い時間であったり、世間で言う休日であったりするのですが、その内容は、「教師が生徒に、修学旅行中のホテルで、キスをしました。」「中学校校長が部下の女性教師の裸の写真をばら撒き現行犯逮捕されました。」「養護学校教諭が、同僚の女性のストッキングを盗みました。」・・・・。
 教育長が処分を受けるのも致し方ないお粗末な事件です。
 超多忙からのストレスとは、質が違う事件です。


 こうした不祥事の再発防止対策として、会議が重ねられ、さらに、校内研修資料としてのリーフレットも作成されています。
 ただ、「教職員の服務規律の確立のために」と題したリーフレットの内容が、いかに内向きとはいえ、対処療法的に、当たり前の事を当たり前に書いているだけで、とても抜本的解決に結びつくないように思えず、苦言を呈させて頂きました。

 特に、「懲戒処分を受けると一生涯の給与に影響します!」という項目には、つくづく腹が立ちました。ご丁寧にも、40歳教諭が、懲戒(免職、停職、減給、戒告)処分を受けた場合の損失額の試算が出ています。
 40歳で懲戒免職になると、約1億6200万円の給与と、約2800万円の退職手当の損失だそうです。年金は、65〜80歳までで、約1700万円の差が出ます。だから、悪いことは、辞めましょう????ってか???なんじゃぁ〜そりゃぁ!!

 根本的な問題は、被害者のみならず、要は、子ども達や保護者、地域の信頼を大きく裏切ることが最大の罪であり、とりわけ、子ども達への視点が非常に欠けたリーフレットであることは、強く是正を申し上げました。


 教育長が言われるように、教職員の不祥事は、信頼関係をぶち壊すことになり、また、何よりも、日々成長している子ども達の人格形成に、直接関わるのが教師であり、ただの「職業」ではない、のだと思います。



 ただそれよりも何よりも、不適格とされる教師、さらには、問題を起こした教師も、どうにか職場復帰させるようにと、税金を使って、支援があること自体が、民間から比べると、甘すぎるのではないかと思います。

 採用の時から、どういう思いを持っているかで選抜し、あるいは、社会経験がある外部人材を積極的に採用する必要があると思います。



 私も、高校時代に教師になりたいと思った時期もありますが、一つ言えるのは、順風満帆な時には、生徒には、先生なんて要らないのですが、生徒が躓いた時に、何が出来るのかこそが、その真価だと思います。

 幾らでも堀り出せるダイヤモンドの鉱山の中にいるようなものです。でも、ダイヤは、誰かに、見つけてもらわないといけません。光があたらないと光りませんし、光り輝くための自信が必要です。


 こういう職業ですから、様々な場面で、恩師に、よくお会いしますが、ニコニコ笑いながら、実は、内心、いまだに許せない先生もおられます。
 あの時の先生のあの言葉やあのビンタ、あれは、酷かったな、辛かったな、意味がなかったな、誤解だったな、という思い出は、残念ながら、生涯消えません。

 一方で、中2の時に、常に230人中180番あたりを快走するような私に、「佐藤君は、教師生活の中で、5本の指に入るキラリとしたものがあります。」と、八代目桂文楽の襲名披露の決まり文句のような事を言って下さったS先生の言葉が、どれだけ、馬鹿な息子を持つ母と、馬鹿な息子の支えになったことか。
 根拠のない自信の唯一の根拠でした。

 中学の演劇クラブの会議の司会をした時に、山ひに鼻血を出させるような私に、F先生が、「佐藤君には、まとめられる意外な才能があるんですね」と言って下さったこと。

 多分あの言葉がなければ、私が今、議員をさせて頂けることもなかったでしょう。
 誉められることが極めて少ない生徒だっただけに、本当に良く覚えています。


 まさに、教師は、何百、何千人の生徒の人生を左右する物凄い仕事だと思います。
 その自覚があったら、決して生徒を裏切ることは出来ないでしょうに・・・。

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