2004年8月2日(月) 【生涯学習とはなにか?】

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 本日、岡山県生涯学習推進本部の会議で、第二次岡山県生涯学習推進基本計画(仮称)の骨子が決定致しました。9月には、骨子に基づき、基本計画案ができ、10月に、パブリックコメントを実施、12月に策定の予定です。今年度の岡山県教育行政の重点課題のひとつです。
 実は、「生涯学習」は、法的な概念が不明で、私は、本来、教育庁ではなく、知事部局が所管すべきでないかと考えています。
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 私は、岡山県生涯学習審議会委員になっておりますが、かねてから「社会教育」と「生涯学習」の概念が曖昧に使われていることに、疑念を持っています。
 特に、生涯学習課は、教育委員会の属していますが、私が首長なら、部局に移し、マトリックス的な組織にします。

 社会教育とは、ひとことで言えば、学校教育でも家庭教育でもない教育の機会で、かなり広い概念です。一方で、「生涯学習」というのは、言ってみれば、ゆりかごから墓場まで、人間一生涯勉強ですよ、ということで、敢えて言えば、「家庭教育」「学校教育」「社会教育」を包括する概念です。

 「生涯教育」ではなく「生涯学習」ですから、「学習」する、つまり受け手側に力点がある言葉で、文部科学省が使うので、ある種のブームとなってはいますが、内容は、はっきりとしません。
 本来は、ライフステージに応じた様々な学習機会が保障されるということで、学校を所管する教育委員会の守備範囲を大きく越えるものだと思います。


 ちなみに、先日訪ねた熊本県の県民交流館「パレア」は、もともとの県有地を再開発し、1階から8階に、地場の大手の百貨店「鶴屋」のテナントが入り、1階には、観光物産交流スクエア、9階、10階に、NPOボランティア協働センター、生涯学習推進センター、男女共同参画センター、しごと支援センターが複合的に、入居していました。

 岡山で言えば、天満屋の中に、国立病院跡地にオープンの総合ボランティアNPO会館、伊島町の生涯学習センター、クレドビル内のウイズセンター、シンフォニービル1階の観光物産館、おまけに、ハローワークが入っているというイメージです。

 ウイズセンターの催しに男性が来ないというような悩みは、こういった複合施設には当てはまりませんし、なにより、行政の縦割りで、あちこちに施設を建てるような無駄がありません。


 生涯学習は、要するに何でもありですから、こういった縦割り行政の弊害を横断的に解消するだけの概念だと思います。そういった意味では、文化行政に似ており、ある意味で、行政のレベルを測ることができるメルクマールだと思います。

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