2002年9月18日(水) 【普通教室にクーラーを?】

 さて、岡山県議会は、一般質問初日。

 傍聴席に関係者を招き、その目の前で、知事を責め上げるような質問があったのは、感心しませんでしたが、6人登壇して、それぞれ個性があられ、寄席のようでおもしろくもありました。

 特に、代表質問でも取り上げられた、普通教室にクーラーを設置するという文部科学省の十年計画について、PTAや同窓会の力の差が、学習環境の整備に顕われて、格差を助長することにならないか、という質問は、私も、その通りの不安を持っています。


 「その483(2001年6月8日)」で書いたように、県教委が音頭を取った高校生会議に参加した高校生達の一部が、クーラー設置要望運動をはじめ、その後、県教育長に対して、要望書を提出するために、天満屋アリスの広場の前で、署名活動をして、問題になったという一件がありました。

 全国でこういう動きがあったかは、定かではありませんが、文部科学省は、この8月、クーラー設置を全国の小中高校の普通教室3万教室分、100億円を来年度予算の概算要求としました。

 都心部の気温が周辺地域より高くなるヒートアイランド現象で、夏場の教室が高温となり「勉強どころではない」との声に配慮して、全国の小中高校30万の普通教室に、10年計画でクーラーを設置する方針を固めたのです。まぁ確かに、昔より、暑いです。
 ちなみに、設置率は2%ということです。


 問題は、あくまで国は、設置費用の3分の1を補助する予定で、そこから先の詳細が決まっていないことです。総合選抜解体後の県立高校にしてみれば、夏の補修の際に、クーラーがあるかどうかが、生徒募集に影響する可能性がないではありませんが、さて、それをどうやってつけるのか、方法論がマニュアル化されているわけではありません。

 勢い、PTAや同窓会が、しっかりしたところほど、独自に、クーラーをつけようと動き、学習環境の整備が進むことになるわけで、それならば、教育委員会は、なんのためにあるのか、という話になるわけです。
 (ちなみに、現県教育長の答弁は、洒落がきいていて、議員に大人気。)


 例えば、親の収入の差が、子供の学力の差になることほど、親にとって辛いことはありません。安定した高収入のもと、子供に快適な学習環境を与えられる親など、一握りではないでしょうか。
 学校の学習環境の整備(特に、金銭面で)は、行政にやって欲しい、そこまで余裕はないのが、普通です。

 貧乏は循環する、とよく言いますが、個々の努力や才能に関わりのない「結果の平等」は求めてはいけないと思いますが、「チャンスの平等」は、確保されないといけないと思います。立身出世物語も良いですが。

 「結果の平等」まで、政治がやれば、共産主義ですが、「チャンスの平等」までは、資本主義下で、政治がやるべきではないでしょうか。


 クーラーだけが、象徴するとは思いませんが、結構この問題、尾を引くかもしれません。
 皆様は、PTAとして、あるいは、同窓生として、クーラー設置を推進、あるいは協力されますか?

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