2002年7月10日(水) 【県立操山中学校】

 本日は、文教委員会の県内調査の一部に地元議員として参加。この4月に誕生した操山高校と中高一貫教育を行う県立操山中学校を訪ねました。

 操山高校は、父の母校ではありますが、私は、新聞部長として文化祭に潜入して以来、20年ぶりで、創立百周年記念館(揮毫は、小林毅県議による)はじめ、伝統校の風格といったものを感じました。

 石井知事や熊代代議士はじめ、人見絹江はもちろん、今をときめく小六禮次郎氏、山口二郎氏、大学時代に苦しんだ日本刑法の大家・団藤重光氏・・・・など、枚挙に暇がないほど、多くの著名人を排出しています。


 岡山が誇るその伝統校が、文部科学省が強力に進める中高一貫校に、県下で、最初に手を挙げたのは、たいへんな冒険だったと言えます。
 結論から先に言えば、その答は、3年後、6年後に出ます。

 新設の県立操山中学校は、昨秋の児童・保護者説明会から人気を呼び、募集定員120名に対して、1600人が出願。多くの批判を呼んでいますが、検査員や受験教室の数が理由で、「抽選」で、1200人を選抜。

 そこから、ある面、学科試験より難しい適性検査・面接(受験でなく、受検)で、全県学区のため、3市12町から、男子53人、女子67人が、選抜されました。

 彼らは、3年後には、無試験で、操山高校に進学。高校は、定員320名のうち、200名を外部から一般入試で募集します。


 ところで、県立操山中一期生は、廊下ですれ違えば、きちんと挨拶が出来、非常に伸びやかで、明るく、健全な印象を受けました。非常に意欲的な生徒が多く、むしろ、教師の方が、圧されているというのは、むべなるかな、と思いました。

 私は、かなりの外れでしたが、岡大附中にも、同様の雰囲気があったように思います。良い意味で、自我が強い、自覚がある、感じがします。
 無「試験」でありましたが、間違いなく優秀であると直感できるほど、目の印象が、非常に強い生徒が多いのです。

 ただ、同時に、検査で選抜されなかった生徒の心のケアについて、なぜか?にどう答えるのか、その判断にどう責任が負えるのか、非常に辛いものを感じました。主観的なものではないか、納得がいかない、そういう声に、どう答えれば良いのでしょうか。私は、非常に気になります。

 この選抜方法については、6月議会でも問題になり、県教委も、再検討していることを付言致します。


 一方で、ゆとりや個性を言い、一方で、エリート教育も言う、文部科学省が推奨する中高一貫校が、人間性豊かな生徒を生み出すのものなのか、スーパーエリートを生み出すものなのかどうなのか、よくわかりません。
 特に、郡部における中高一貫校の導入は、やむにやまれぬ側面もあります。

 いずれにせよ、是非を言うのは時機尚早です。操山も、3年ないし、6年後に、それが評価基準として、正しいのかどうかわかりませんが、進学のありようで、ひとつの判断がなされるのでしょう。

 全ては、これからです。



 ただ、少なくとも、3年後に、どういう形で、中高一貫の生徒と一般試験からの生徒をうまく合流させるか、極めて大きな課題が確実に待っています。

 中学校からの120人よりも、高校からの200人に、どういう生徒が集まってくるのか、あるいは、中高一貫校を抜けて、私立進学校に抜ける生徒が出てきても、止められませんが、どの程度出てくるか、そこが、併設式の中高一貫校の真価が問われるところです。
 伝統校が手掛ける先駆事例だけに、失敗は許されません。

 一期生の心意気で、生徒達は、乗り切ると信じますが、むしろ、体制の整備について、県教委はじめ、我々大人の責任は、極めて重大です。



 また腰に激痛が走り、大嫌いなNHK「さくら」ですが、今週は、日本の「受験」についてエリザベスは、考えています。
 一流大学に行って、一流企業に入れば、将来安心です、などという時代では、もはやありません。かえって、どんどん生きるのが難しくなっている気もします。

 よだれをくっている子供に将来どう言うんだろう?親とすれば、失敗の可能性の少ない道を行かしたいと思いつつ、それじゃぁ、つまらんしなぁ・・・。
 結構、父ちゃん、ムチャだし、許容範囲は、広いです。

 父親としては、他人様のお役に立って、「良い」加減に、「適当」に生きて欲しいものですが・・・。どうなることやら・・・・。

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