2000年12月25日(月) 【バトル・ロワイアル】

 もし、どうしても愛する人と殺し合わないといけなくなったら、あなたはどうしますか?無茶な命題です。

 個人的には、心に残る映画といえば、「七人の侍」「我が谷は緑なりき」、この1年なら「シュリ」を挙げますが、今日観た「バトル・ロワイアル」は、良くも悪くも強烈でした。
 国会議員の間でも話題の映画で、昨今の「17才」の問題と相俟ってR指定のぶち切れた映画というイメージです。表現の自由云々という憲法問題にまで発展しています。
 話題作というより、超問題作です。

 「今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」
 BR法(新世紀教育改革法)の下、健全なる大人を育成するための犠牲として中学生42人が、武器と食料を渡され、首には爆弾の詰まった首輪が付けられて、最後の一人になるまで殺し合いをします。制限時間は3日間。

 登場人物のほとんどが死亡。ルール無用の壮絶な15才同士の殺し合いが、繰り広げられます。荒唐無稽な設定の中、前半は、狂っているとしか言いようのない展開です。ただ、後半は、一大ヒューマンドラマと言えなくもありません。

 結論的には、いろいろ理屈はつきますが、中学生はもちろん、本来は、「曲解」する恐れのある高校生にも見せるべきではないと思います。なにもこんな陰惨な形で伝えなくてはいけないメッセージとは私には、思えません。そのまんまの伝え方で、一言で全く品がありません。少なくとも、この映画に芸術性は皆無です。それを求めてもいないでしょうが。
 内容そのものは、私は、決して推奨できません。

 ただ、登場人物をひとつの記号(極端な象徴)として捉え、実社会に具体化して、当てはめて考えられる能力のある「大人」には、良い映画かもしれません。間違いなく「楽しめ」るでしょう。映画としては、「おもしろい」かも。
 また、こういう極端なモノが出てくるのが、いわゆる「世相」なのだと思います。

 また、複数で行けばいやがうえにも、映画の後の会話は盛り上がると思います。特に親子でいけば、相当話ができるはずです。もっとも、「17才の問題」と直接関係するとも思えないので、青少年の教育問題というより、いわば倫理観の話かもしれませんが。

 いずれにせよ、しかし、こういう超問題作は、御自身で観てから論じましょう。

 駅前メルパ3で、冬休み期間は、午前9時30分から上映中です(約2時間)。
 是非、皆様のご感想をお聞かせ下さい。

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