2004年11月25日(木)
【新岡山いきいきするのか?子どもプラン】

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 本日は、青少年対策・男女共同参画特別委員会。少子化対策に、鳴り物入りで登場しようとしている「新岡山いきいき子どもプラン」。子育て世代からすると、正直なところ、期待外れの内容です。
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 おそらく文教委員会で、委員長として質問できないこともあり、特別委員会になると血が騒ぎます。

 本日は、鳴り物入りで登場しようとしている「新岡山いきいき子どもプラン」についての報告あるも、まさに、けっちょんけっちょんとは、こういうことではないかというぐらいに問いました。
 山陽新聞が、男女共同参画社会という言葉が抜けているとことさら問題にしていますが、確かに、あぁ良いプランだなぁ!という感じがしません。


 そもそも、こうした基本計画は、まずは、法律で国が作れというから作るというパターンが多いのですが、このプランも、平成15年に、国において、「少子化社会対策基本法」や「次世代育成支援対策推進法」が制定され、県や市町村、おまけに、301人以上の企業も、絶対に作らなくてはいけないもの。

 ゆえに、県における少子化対策の基本計画なのですが、誠に無個性であると言わざるを得ません。


 いったいこのプランを読んで、誰が安心して、出産・育児しようと思うのか、ただの既存の行政施策の並び替えで、全く、新しい効果がないだろうなぁ、という感じです。

 行政の縦割りの弊害を排したマトリックス的な思考とは、似て非なるもので、立派な計画を作ることそれ自体が、自己目的化しています。これのまた概要が、奇麗なパンフレットになり、振興局に山積みされるのかと思うと、遠大なる言い訳作業のようにも思えてきます。

 この並べ替えパターンは、県政の中期計画である「21世紀おかやま夢づくりプラン」にも見られるのですが、耳触りの良いビックワードを連発した妙な項目を立てて、いちいち各課の施策を並べ替えをして、何がなんだか分からなくする、最近の傾向です。
 ついていくのが大変というより、面倒なのです。どうせ変わるだろうから、と。

 行政の○○計画、○○プラン、○○プロジェクト、○○マスタープラン、○○アクションプラン、○○ビジョンの多くが、敢えて言えば、「のび太の夏休みの学習計画」で、実行するまに、夏休みが終わるがな、そんな計画を立てる暇があったら、夏休みの宿題の一問でも解いたらえーがな?という代物です。
 もっとも、県行政が計画して、実施主体は、市町村や、企業や、NPO等々ということも多いですが・・・。



 それにしても、お隣香川県が、「次世代育成支援行動計画」を立てていますが、本県のそれとは、雲泥の差の作りです。
 私は、まず根本的な2点を問いました。

 そもそも、少子化対策として重要なのは、「経済的負担の軽減」であるにもかかわらず、このプランは、そういった課題に全く答えていない。あげく、国の社会保障制度の問題にするわけですが、県として、どういう具体的支援をするのかが、殆どありません。

 さらに、家庭、地域、社会環境の視点からアプローチしていますが、「子ども」も一塊に捉え、時系列で考えるという視点がありません。何となれば、各課の施策の寄せ集めなので、子どもの成長に沿った視点で考えられないからです。


 私達、子育て世代が知りたいのは、妊娠前、妊娠中、出産、乳幼児期、小学生、中学生、高校生という子どもの成長の中で、例えば、幾らのお金がかかるだろう?どんな問題が生じてくるだろう?それに対して、行政からどういう支援があるだろう?ということです。

 私が提言したのは、例えば、100%を目指すという、新生児の聴覚検査で、障害が見つかった場合のように、何か起きた時に、将来にわたって、どういう支援があるのか、具体的にフローチャートを示すこと。

 時間の流れを横軸に、家庭、地域、社会環境を縦軸に見れば、おやこクラブや放課後児童クラブの扱いは、もっともっと大きくなるはずです。


 また、特に、妊婦検診の時点からの積極的な支援を言いました。具体的には、妊婦検診そのものの補助もさることながら、パパ・ママスクールやマタニティー教室の段階で、親業のような形で、「親がいかにあるべきか」を徹底的に学ぶことが、必要なのではないか。産まれてからでは、遅いのです。

 また、他の委員から、強く、食育をはじめ母体形成の意味、教育現場における指導の重要性が言われました。

 次世代育成という意味では、岡山県のように、子育て支援を各課の施策の寄せ集めで考えるのではなく、母体形成の段階から、子供の独立に至るまでの時間の流れの中で、トータルで考えて、はじめて少子化対策、子育て支援と言えるのではないでしょうか。

 特に、岡山らしさとして、妊婦時に、夫婦で親業を学ぶという施策をとれば、将来起こり得る様々な問題が回避し得るのではないかと思います。これは実現したいです。


 いずれにせよ、このプラン、あぁそうですかと、ようございますねと、すっと通すわけには参りません。

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