2004年5月31日(月) 【少子化対策について】

 本日午前中は、青少年対策・男女共同参画特別委員会。本日は、男女共同参画社会、少子化対策の推進について。
 昨夜のダメージがやや残り、声は出ないは、頭は、今日の天気のように、どんよりとするはでありましたが、幾つかの発言をさせて頂きました。

 公の場で、発言できるということが、議員の特権であり、否、発言することは義務ですから、与えられた機会を最大限活かすことが重要です。議員が、黙っていては、いないも同じです。否、議員が黙るのなら、邪魔ですらあります。

 特に委員会は、議論の場ですから、何も言わなければ、代表として参加すらしていないということです。


 男女共同参画社会については、DV(ドメスティック・バイオレンス) 被害者の自立支援について。特に、一時保護施設(シェルター)と住居について問いました。
 この部分は、共産党議員とも、極めて主張が合うところですが、自民党所属の男性議員が発言すること自体に、意味があると思います。

 先般27日、改正DV防止法が衆院を通過。国の基本指針が示されれば、各都道府県も、行動計画を立てていくことになります。

 岡山県では、民間シェルター(県市町村が支援措置すると、2分の1の交付税措置がある)がない岡山県において、いかに地域で支える気運が出てくるかです。

 どうも、6月1日、明日より、国土交通省の通達もあり、県営住宅については、事務処理要領の改正があり、DV法10条の保護命令が出たDV被害者が、優遇措置、優先入居が、できるようになるということです。
 ただ、現実の運用となれば、非常に難しいものもありそうです。

 また、女性相談所、児童相談所、またその他に、極めて重要な施設が、17年秋に会館の南方の国立病院跡地跡の「新総合福祉ボランティアNPO会館」に移転します。
 このためさらなるプライバシーおよび安全確保を強くお願い致しました。

 また、自民党渡辺県議(倉敷・早島)から、雇用機会均等法が、結果として、会社が正規採用の募集そのものを控えて、女性は派遣会社からの派遣という形となっているのではないか、という指摘がありました。


【少子化対策について】

 少子化対策については、資料に、保育対策として、保育園の充実については、幼稚園という言葉が一言も出ていないのは、おかしくないか、と指摘しました。
 さらに、おやこクラブ等の子育てサークルの支援についても、要請しました。

 男女共同参画社会の実現のためには、いわゆる「保育に欠ける子供」が出来てきますから、男性の育児参加と保育園の充実というのが、必要です。
 しかし、社会資本の充実という側面から見ると、これも違った見方が出来ます。
 特に、保育にかかる費用について、行政効率的に考えると、家庭おける育児は、何十万円にも相当する価値があると思います。

 個人的には、せめて就学前までは、願わくば、母子が出来るだけ長い時間接触し、身内や仲間や地域がしっかりとそれを支えるのが理想であると思います。

 子供の日々の成長や変化を見ながら、一緒にいられる時間が、人生の中で、どれほどあるか考えたら、「今日歩きましたよ」と聞くのではなく、親が我が子の歩き出す瞬間をみたいのです。本来なら、かわいい我が子と少しでも長くいたい、それが親の当然の願いです。

 そして、子供が大きくなるように、親も徐々に親になっていくのであって、だからこそ、親子は出来るだけ長く一緒にいないといけないのだと私は思います。
 子育てを委ねることで、親が親になりきれないとすれば、そのことがいずれは、青少年問題に対する親の態度に繋がるのだとも思います。

 ゆえに、私は、家庭や子供をないがしろにするような発言や行動をする人間は、どういう立場であれ、評価も、信用もしません。



 もとより、私は、保育園の価値を否定するものではありません。いつも申し上げますが、私の母は、夜間保育が中心の無認可保育園(行政から、補助金等びた一文貰っていません。)を経営していましたから、絶対に保育園が必要な状況というのがあると思います。
 本当に困っている人を助ける仕事をしていたことに、母は、強烈な自負心を持っています。

 いわんや、人の命を預る保育園経営が、いかにたいへんなことか。生き残りをかけた闘いの中で、幼児教育の充実のための努力をされています。それは、あるいは、公立幼稚園の比ではないほどの努力、努力、また努力です。
 幼稚園の保育園化、保育園の幼稚園化、幼保一元化の流れの中で、まさに死にもの狂いでないと生き残れない、そういう状況だと思います。

 また、後述するように、これからの保育園の役割は、地域子育て支援最前線基地として、益々重要になってくると考えます。



 一方、社会状勢、景気状況は、実際のところ、我々子育て世代にとって、共稼ぎでないとやっていけない状況を作り出しています。時には、子供を保育園に行かせるために、母親が働くという事態も起きています。

 結果として、子育ては、少しも楽しいものではない、結婚生活も楽ではない、と思わざるを得ないとすれば、少子化対策のポイントは、ここにあると思います。

 もしも、自己実現が目的ではなく、経済的な理由が主で子育て中の母親が、働きに出るなら、そういう世帯が、必ずしも共稼ぎしなくとも、子育てが出来る、そういう経済的、制度的支援こそ、子育て支援、少子化対策であって、保育園が充実して、幾らでも、母親も働きに出られますよ、どんどん子供を預けて下さいね、そういう社会を作るのが、行政の施策の方向として、正しいのでしょうか。

 原理原則は、「保育に欠ける子供」を作らないことではないでしょうか。換言すれば、保育を家庭に戻すことだと思います。それは、家庭教育の重要性と同義です。
 要は、まずはお金が問題ならば、その手当てをする必要があると思うのです。
 子育て世代こそ、福祉の対象だと私は思います。


 子供を育てたら、とにかくお金が掛かります。児童手当はあるにはありますが、十分ではありません。せめて就学前までは、乳幼児公費負担を含めて、どこまでも手厚くするべきだと思います。
 加えて、大変高額になる不妊治療についても、さらなる手当てが必要だと思います。
 (こういう文章を書く時には、子供が欲しくても出来ない方がいることへの配慮を欠いてしまっている気がいつもしています。)



 いろんな生き方があると思います。しかし、いわゆる専業主婦で、子育てをしている母親に、しっかりと誇りを持って頂き、安心して子育てが出来るよう、また、しっかりと父親が参加できる仕組みが、もっともっと必要なように思います。
 そんな思いで、今日の委員会では、おやこクラブ等の子育てサークルの支援の必要性を強く申しました。

 個人的には、おやこクラブから、幼稚園PTA、小学校PTA、交通安全母の会、中学校、高校PTA、将来は、婦人会等、地域活動に参画していかれるような母親は、地域の宝だと思います。

 おそらく、企業に属されなくても、そういう方は、自己実現としても、何かをされていくでしょうし、実際、家事も仕事も子育ても、バリバリにこなすムチャクチャ元気なお母さんという方を幾人も知っています。



 また、今後保育園の役割は、現在もある地域の子育て支援センターの充実等、今以上に重要になってくると思います。

 保育園に求められるニーズは極めて多様で、育児相談はもちろん、乳幼児の保育のみならず保健も含めて、あるいは、保育士、愛育委員の情報ステーションとして、保育園に子供を通わるかどうかに関わりなく、子育て支援の最前線基地になって行くことでしょう。

 さらに、幼稚園との連携は、縦割り行政の弊害も含めて、大きな課題ですが、最終的には、同じ方向を向いていくことになるのかもしれません。



 保育園か幼稚園か、幼稚園なら私立か公立か、何歳からか、基本的には、金銭面を含めた全部親の都合です。
 正解はないと思いますし、決して答えも出ないと思いますが、どうれ親は信念や確信をもって、子供の代わりに選択してやる責務があります。

 我が家の場合は、最短期間公立幼稚園に通わせるということになると思います。ちなみに、可処分所得が少ないのに、年収の関係で、児童手当も貰えないし、保育料は、最高額になってしまいます。それも、事情の一つです。



 はっきりしているのは、現在の人口を維持するには、合計特殊出生率で、2.08人必要なところ、14年度全国平均で、1.32人(岡山では、1.51人)で、岡山でも、昭和50年の約6割にまで減少しています(30、102人から18、509人)。

 本来であれば、保育園の増加とも反比例するはずがないのですが、少子化対策は、有効に機能していないと思いますし、ライフスタイルの変化で済んで良い話でもありません。

 すなわち、国力は、0.6に落ちるのは自明です。この狭い国土(実は、国際的に見れば、かなり広い国ですが)に、1億2000万人もの優秀な国民がいたからこそ、日本は、曲がりなりにも、世界有数の国家足り得るのです。
 国そのものが、ダウンサイジングして、0.6を何乗かすれば、日本人は、日本国ともども消滅です。



 一方でふと落語の科白「夜分に表の戸をどんどんと叩くのはどなたですかな。商人の店は、10時まで・・」というのを思い出します。24時間眠らない街を作ることが、季節を無くしていくことが、本当に人間の幸せに結びつくのかな、という気もします。
 あるいは、適正規模というのがあるのかもしれない、と。

 そういう意味では、長期的に見れば、呼吸のような大自然の法理に基づいて、戦争によらず、人口が減るべくして減っていくというのも、あるのかもしれません。

 しかし、少子化に、高齢化が加わっています。
 少子高齢化が問題なのです。

 してみれば、青少年対策・男女共同参画の特別委員会というのも、中途半端じゃのう・・。

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