2001年4月23日(月) 【児童相談所】

平田の児童相談所を訪ねました。児童相談所は、児童福祉のための中枢機関で、児童に関するあらゆる問題について家庭その他(近隣、福祉事務所、学校、児童委員、保健所、病院、警察、・・・・)から『相談』を受け、必要に応じて児童の家庭状況、生活歴や性向などを専門的な見地から『調査』、『判断』し、それに基づく指導をしています。

 さらに、このような相談機能の他に、児童を施設(乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、難聴幼児通園施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設)に、入所させたり、里親に委託するなどの『措置機能』と、必要に応じて児童を『一時保護』する機能を兼ね備えています。

 ところで、近年爆発的に増加しているのが、いわゆる児童虐待です。もちろん、新児童虐待防止法で、通告しやすくなったことも、増加の原因かもしれません。相談内容としては、必ずしも児童虐待が、全てではもちろんないのですが、ことさらこの部分が、クローズアップされるようになりました。

 とりわけ、『一時保護』は、緊急に児童の保護を要する場合、あるいは、児童の処遇方針を定める重要な手がかりを得るため一時保護しなければ、児童の行動の観察が困難とされる場合、または、児童の治療指導上短期の入所保護が必要とされる場合に行われますが、特に緊急保護として、児童虐待の被害を受けた児童の一時保護も増えてきました。

 ただ、一時保護施設は、老朽化しており、手狭で、触法行為による一時保護と虐待による一時保護の児童が、場合によっては、同室になることもある、というのは、かなり問題のように思いました。

 また、行政が、部署を越えて、青少年問題(DVもそうですが)の相談窓口(電話相談)をブームのように安易に広げることは、情報が混乱し、いたずらに解決を遅らせることになりかねない気がしました。

 結局、最後は、児童相談所に話が来るであり、児童相談所を経ないと各施設に入れない仕組みですから、むしろ、児童相談所の相談機能を充実させることが、肝要だと思いました。とりわけ緊急時は、どこに情報を集約させるかが、極めて重要です。

 この点、DVの緊急連絡先が、やはり警察であり、女性相談所と24字時間体制で、連絡保護できる仕組みが、必要なことと共通であると思います。

 まず緊急の際の窓口として、警察はもちろん、児童虐待なら児童相談所、DVなら女性相談所と周知徹底し一本化する方が、良いと思うのですが。
 ちなみに、青少年と言いますが、児童相談所の児童は、18才までを指します。


 いずれにせよ、いみじくも本庁から移動で来られた方が、言われるように、現場は、本当にたいへんです。現実そのものがあります。DVでもそうですが、人権云々の高尚なレベルの話でなく、今日どう生きるか、という話なのです。

 不適切を承知で書けば、貧困や暴力は、循環します。実は、児童虐待の加害者は、同時に、被害者であったケースが、まことに多いのです。
 ゆえに、一番大切なのは、実は、親のケアだと思います。それが、難しいのです。どこかで、この業を断ち切らねば、いつまでも被害者が被害者を生み続けるのです。

 今、落書きや暴走を絶たねば、必ず循環する。暴力や貧困は、必ず循環する。偏見・差別という人権問題にもなりかねませんが、ある種の予断を持って、暴力や貧困から未来の子供達を救わなくてはいけません。

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