2013年3月27日(水)
【公立高校での特別支援学級の設置について】

 春の雨の一日。

 2月定例会で、発達障害の問題について、改めて問いましたが、特に、公立高校の特別支援学級の設置については、重要な提言であったと思いますが、残念ながら、積極答弁とは言い難いものがありました。
 そのあたりも含めて、以下、議場でのやり取りの抜粋です。


 <発達障害に対する支援について>

(1)一貫した支援体制の確立等

(佐藤)
 障害全般について、時系列に沿いどんな支援体制があり、どう連絡しているのかという「子育て支援」チャートが必要だ。発達障害について、就学前支援から就労に至るまでの一貫した支援体制確立への課題と今後の方針、さらに「子育て支援」チャートの必要性についての認識を伺いたい。

(知事)
 一貫した支援体制の確立等についてであるが、発達障害のある方に対しては、ライフステージに応じ一貫した支援を行うことが重要であり、特に、就学・就労の前後など、ステージの移行期における、関係機関での支援情報のつなぎが課題であると考えている。

 このため、県発達障害者支援センターを中心に、福祉・教育・労働等の各分野が連携しながら切れ目のない支援に取り組んでおり、特に、お話の子育て支援チャートは、関係機関がその役割等を相互に確認し、障害のある方への分かりやすい支援情報の提供に資するものと考えており、市町村に対し、その作成を働きかけているところである。

 今後とも、関係機関の連携をより一層強化し、乳幼児期から成人期までの一貫した支援に取り組んでまいりたい。


(2)高校中退率の高い原因等

(佐藤)
 発達障害のある生徒で、知的障害がある場合には特別支援学校、軽度であれば、高等支援学校という進路もあるが、中学まである特別支援学級の仕組みが高校にはなく、高校生からの相談が増加傾向にある。本県でも高校の中退率が高いが、その理由と公立高校の特別支援学級の設置について教育長の所見を伺いたい。

(教育長)
 高校中退率の高い原因等についてであるが、本県の中退率は全国平均よりはやや高いものの、年々減少傾向にある。中退の理由としては、高校生活に熱意がないことや人間関係がうまく保てないこと、別の高校への入学や就職を希望することなどが多い状況である。

 また、公立高校での特別支援学級の設置については、高校標準法に特別支援学級に関する学級編制基準や教員定数の措置等の定めがないため、現段階では、特別支援学級の設置は困難であるが、他県の先進事例も更に収集しながら、どのような方策が考えられるのか研究してまいりたい。


(3)発達障害者支援センターの機能充実等

(佐藤)
 市町村の発達障害者支援体制は、コーディネーターを設置しているかどうかからして格差がある。県では、発達障害者支援センター県北支所を設置しているが、財政的な支援が十分でなく、その機能の充実、地域間格差の是正は、極めて重要な課題であるが、保健福祉部長に伺いたい。




(保健福祉部長)
 発達障害者支援センターでは、各種相談活動や普及啓発など、総合的な支援に取り組んでおり、来年度からはペアレントメンター事業の事務局機能を担うなど、本県の発達障害者支援の拠点施設として機能強化に努めているところである。

 また、県では、センターの県北支所を設置するとともに、全市町村での支援体制の整備を目指し、コーディネーターの配置等への財政的支援を行うなど、身近な地域で適切な支援を受けることができるよう、全県的な支援体制の整備に努めているところである。


(4)検討委員会の機能強化等

(佐藤)
 発達障害に関する保健、福祉、医療、教育、労働の連携した会議である発達障害者支援体制検討委員会について、現場レベルで十分な意思決定まで行えるよう機能強化が必要だ。
 また、発達障害は、もはや精神障害と区分し事実上四障害と考えるべきではないか、併せて保健福祉部長に伺いたい。

(保健福祉部長)
 発達障害は、法律上精神障害に分類されているものの、その症状は多様であり、それぞれの特性に応じた支援を、幅広い観点から検討する必要があると考えている。
 このため、県では、関係機関に加え、障害者団体代表や学識経験者で構成する「県発達障害者支援体制検討委員会」を設置し、情報共有や連携方策のあり方等について検討している。


 また、委員会では、現場の第一線で就労支援に従事する職業カウンセラーからの活動報告なども行っており、今後とも、こうした取組を通じて、委員会の議論に現場担当者の意見や障害のある方のニーズを反映させ、より実践的、効果的な施策が実施できるよう努めてまいりたい。


 松山千春=『人生の空から』 http://www.youtube.com/watch?v=poE6eWMnkWM

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