2005年4月27日(水)
【小規模多機能型施設と介護予防】

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 昨今、地域密着型の高齢者・障害者等の各種の福祉サービスを展開するための施設として、小規模多機能型施設が注目されています。昨日今日の山陽新聞朝刊にも、掲載されています。ここのところ、その動きにまつわる話をよく伺うようになりました。
 来年度の介護保険制度の改正では、地域に密着した介護サービスとして「小規模・多機能型施設」の導入が盛り込まれる見通しですが、厚生労働省は、今年度予算で、ショートステイや、入居機能などの各種介護機能を併設した小規模多機能型施設を各中学校区単位で整備する方針を打ち出しています。また、県も設備整備費に既に補助制度を設けています。
 一方で、軽介護度への給付削減が決まり、「介護予防」は、まさに時代のキーワードです。
 ただしかし、大義名分はどうあれ、全ての背景に、介護保険制度自体の財政破綻状態というのが、あるのではないか、そのことが本当に利用者の利益に資するのかは、注視する必要があります。
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   ↓ 詳しくは

 小規模多機能型施設は、特定非営利活動法人(NPO法人)の「このゆびとーまれ」が、高齢者から幼児まで障害の有無に関係なく一緒にケアする「富山型デイサービス」に始まります。
 まさに、NPOが制度を作ったと言えます。

 ちなみに、公明党マニフェストは、2010年までに特別養護老人ホームの待機者をゼロにするため、グループホームや小規模多機能型施設等の整備を計画的に進めるとしています。


 ところで、小規模多機能型施設については、多機能ゆえに、区分も様々なようですが、ひとつの理解は、下記の3パターンです。

 ひとつは、「高齢者小規模多機能型施設」です。
 元気なときから要介護になっても高齢者が、住み慣れた地域でこれまでの人間関係を継続しつつ生活するための、連続的、総合的なサービスを提供する地域密着型の在宅サービスの拠点となるような複合型施設であり、介護サービス対象外の泊まりや学童保育等高齢者に限らない地域住民との交流スペースです。

 さらには、「共生型小規模多機能施設」です。
 地域のニーズに合わせて、障害(児)者デイサービスや、ショートステイ、高齢者に対するデイサービスなど、年齢や障害の程度を超えた地域密着型の在宅福祉・介護サービスを展開し、地域福祉の拠点となるような施設、あるいは、現在取り組んでいる宅老所の機能を拡充して対象者を限定しないショートステイや養護学校に通う子どもたちの日中活動に対する支援を行う施設。

 さらには、「共生型グループホーム」です。
 地域で自分らしい生活を安心して送るため、年齢や障害の程度を越えて、互いに役割を持ちながら生活する場。


 いずれにせよ、最低基準でどこまで国が関与するのかわかりませんが、小規模多機能型施設や介護予防拠点などは、身近な地域で整備することが求められるので、市町村も交付でき裁量に多くを委ねる仕組みになると思われます。


 ところで、一方で、介護保険制度の改正に伴って、軽介護度への給付削減が決まり、「介護予防」と言うのが、時代のキーワードになっています。

 訪問介護などの在宅介護を中心にしてきた事業者には、かなり影響が大きく、新たな収益源を「小規模多機能型施設」に求める動きも出ています。
 さらに、いわば「介護予防士」であったり、「パワーリハビリ」と言われるような予防策であったり、ある種のビジネスチャンスと同時に、大きな課題も出てくることが必至です。

 ただしかし、大義名分はどうあれ、全ての背景に、介護保険制度自体の財政破綻状態というのがあるのではないか?新たな取組みが、本当に利用者の利益に資するのかは、注視する必要があります。

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