2008年1月31日(木) 【地域介護???】

 結局、永田町は、何をやっているのかよく分かりませんが・・・・

 平成19年の岡山県毎月流動人口調査結果によると、平成19年10月1日現在、岡山県の総人口は、195万2160人で、前年比2184人の減。要因別に見ると、自然動態及び社会動態が減少で、外国人が増加しています。

 市町村別では、市部での増加は、岡山、倉敷、総社の3市のみ。郡部では、早島町のみが増加で、12市11町村で減少しています。
 年齢別では、15才未満の年少人口は、0.1ポイント低下。65才以上の老年人口は、0.6ポイント上昇で、23.6%。15才から65才未満の生産年齢人口は、0.6ポイント減で、少子高齢化の進行が、進みます。

 ちなみに、昨年1月21日に、建部町、瀬戸町と合併した岡山市は、2709人増の70万428人。政令指定都市化の暫定要件をかろうじて満たしていますが、おそらく総務省には、さらなる人口増の妙案を示す必要があります。



 本日は、岡山県国民健康保険団体連合会の主催で、「介護サービスシンポジウム」が開催されました。

 介護保険制度の創設に関わられた川崎医療福祉大学の大田教授の講演や、非常にバランスの良いパネリストによるパネルディスカッションもあり、8年目を迎えた介護保険制度を振り返り、今後を展望する、整理された非常に聞き応えのある、実にありがたい会でした。

 若い介護事業者の方の集まりには、ちょくちょくお邪魔して、お話は伺うするのですが、総論的な話というのを伺う機会はかえって少なかったのです。


 特に、平成18年の制度大幅改正が、鳴り物入りで登場した地域包括支援センターを含めて、むしろ複雑になり、事務量が増大したこともあり、まだまだ改善の余地があります。

 特に、自立と尊厳の確保を目指す介護保険には、医療との役割分担・連携、介護保険財源確保の問題、民間会社の参入の是非、来年度から見直しに入る介護予防の成果、介護人材の確保など、様々な課題が浮かび上がりました。

 とりわけ、介護財源の確保の中で、後期高齢者の医療制度の問題もありますが、現役世代並みの収入がある高齢者の方への介護サービスの負担が、1割で良いのか、という指摘。豊かな老後を過ごされる悠々自適な方が、どれだけおられるのか分かりませんが、老人の経済格差(金と時間)は、著しいのではないでしょうか。

 あるいは、介護保険対象外の10割利用者負担になる関連サービスの充実の必要性が指摘され、福祉だから、ボランティアで、安くても良いんだということには、優秀な人材確保の面からも、なりがたいのかな、と感じました。



 パネリストは、行政直営の地域包括支援センターの方、特別養護老人ホームの施設長、小規模多機能型居宅介護施設に移行予定の宅老所の理事長、通所介護サービスと介護付き有料老人ホームを経営する民間大手企業の社員と、ある意味、大手あるいは成功されている方のお話でしたが、非常に勉強になりました。

 特に、厚生労働省は、施設から在宅へという中で、9割以上方が、ターミナルとなる特別養護老人ホームで、いくら看取り加算されても、職員の方の思いはいかほどか。

 ターミナルケアをどう考えるのか?人間の尊厳が、一番大切なのは、やはり、その最期です。マザーテレサではないけれど。



 一方で、「地域に根差したサービスを考える」という副題が付いているように、福祉の世界も、「地域福祉」が、キーワードです。

 しかし、漠然とした「地域」という概念が出てくるのは、一方では、これ以上、公的には、量的にも、質的にも、なによりも、財政的にも出来ないということです。

 地域コミュニティの再生は、あらゆる分野でキーワードです。昨今、行政でなく、企業でなく、NPOでもなく、地域という言葉が、行政の中で踊ります。まるで打ち出の小槌のように、「共助」と言えば、正解のような風潮を感じます。

 しかし、その地域を少子高齢化の波が襲います。行政が頼る地域は、市民の有志の集合です。その有志は、無尽蔵におられるわけではなく、結局は、同じ方が、様々に行政から、仕事を押しつけられます。地域は、市民そのものですから、要は、行政が、市民が自分でやれと言うのと、どう違うのでしょうか。

 おそらく、法人格を持つNPOよりも、まだ安いコストで、地域が使えることに、頼りすぎてはいないか。
 一度に地域に、様々な課題が押し寄せているように思います。



 また、私は、「子育て世代こそ福祉の対象である」という持論ですが、地域に参画をあおるだけの余裕がないのも事実で、地域に答を投げるのは、実は、社会構造の変革そのものだという認識が必要だと思います。

 本当に地域に帰ることが出来る社会でしょうか。また、地域で旗を振るのは、地域に帰った行政マンである、それだけの思いがある人間が、行政に着かないと、なぜ、地域の市民が行政に言われて喜んで動けるでしょうか。

 まず、行政マンが、地域のコーディネータや、マンパワーになる気概が必要です。皆、食うための仕事があるんですから。
 私が知る限りでも、趣味と仕事が人生で混じったような?つまり、ライフワークのような、天職の行政マンというのは、何人もおられます。それが、プロでしょう。



 ところで、新年度予算要求では、介護予防については、特に目新しいものはないのですが、認知症高齢者等地域生活支援事業が、重点化事業になっています。

 県下約4万人と推計される認知症の人や家族を地域で支えるための支援体制の構築や、6万人を越える独居高齢者等の孤立防止を推進し、高齢者や障害者が住み慣れた家庭や地域で、安心して安全に生活できるよう、支援を行う、とするものです。

 安全安心のまちづくりとも絡んでいます。

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