2003年10月3日(金)【福祉の村】

 本日は、生活環境保健福祉委員会の県内調査に一部合流。
 岡山市平田の「岡山県立おかやま福祉の郷」と「岡山県南部健康づくりセンター」を調査。さらに、個人で、隣接の岡山西養護学校を訪ねました。

 まず、結論を先に言えば、福祉の郷が、保健福祉部障害福祉課、健康づくりセンターが、保健福祉部健康対策課、さらに、西養護学校が、教育委員会と、行政の縦割りの所管の中で、それを越えた福祉ゾーンを作って行くべきである、と思います。


 敢えて言えば、この御南地域は、これから、ますます「化ける」こと必至です。
 言うまでもなく、外環状が通り、操車場跡地・岡山ドームには、JR新駅もでき、西部の新拠点化が進みます。

 あるいは、卸センター等も、様々な展開を見せていくとすれば、なにしろ、若い人が多い地域だけに、彼らが、本気で地域に根を張れば、これから急速に伸びることが約束されています。
 いくらでも、未来の街が描けるという点では、既存の中心市街地より、ある意味、先が読めれると思います。

 その時に、福祉や健康というのが、街づくりの基本コンセプトになりうる地域なのです。それだけ、関連施設が寄っています。


 そして、平成17年には、南方の国立病院跡地に、総合福祉ボランンティアNPO会館(仮称)ができますが、その中に、現在、福祉の郷の敷地内にある「児童相談所」と「女性相談所」(これも、子育て支援課、男女共同参画課と所管が分かれますが)。が、移転します。
 つまり、プールまで含めた全施設が、完全に民間委託されることになるわけです。

 この時期までに、全体の街づくりの方向を示さないといけません。ある意味、官民一体となって、全て組み込んだ動きでないといけません。



 旧岡山県総合社会福祉センターについては、「こころ」の中で、何度も取上げてきましたが、この4月から、施設部門を社会福祉法人旭川荘に委託しています。
 そして、名称を「岡山県立おかやま福祉の郷」と変えました。

 個人的には、チボリ公園の「再建」手法に非常に近しいように感じています。

 昨年度、私は、生活環境保健福祉委員会に所属していましたが、思えば、岡山県の作った民間委託先の要件に加えて、築30年になる老朽化した施設ごと引き受けられるのは、岡山県においては、旭川荘さんしかなかったようにも思います。

 いずれにせよ、措置費から支援費制度に変わる中で、原則として、措置に関わる2億円あまりの委託料と、県派遣の19人の人件費を除いては、独立採算の形を取り、正職員と臨時職員の割合を7:3にしたり、様々な民間のノウハウを活用して、県運営時の半分のコストに抑えているということです。
 「民間は、入って来る以上に使わない」のです。

 ただ、なにしろ、地区30年の老朽施設で、冷暖房等に不備があります。そういった維持補修をどこが責任を負うのか等々、委託施設の今後について、特に、前述の児相(児童相談所)、女相(女性相談所)が移転する17年度には、答えを出しておく必要があります。


 「職員が若返り、雰囲気が明るくなった」福祉の郷ですが、生活環境保健福祉委員会時にも、申しましたが、例えば、「星空サマーコンサート」に見られる地域との連携、さらには、内尾に、南養護学校ができるまでは、あるいは、それができても、狭隘な西養護学校との連携を、民間の運営の中で、垣根なく、どうフレキシブルに行っていけるか。

 意外に、個々の施設内の効率だけでは、捉えられないものが、非常に多いのではないかと私は思います。
 実は、採算を言わない行政の役割というのもあるのではないかな、そういったものも見直されてしかるべきではないかな、と私は思います。
 全体をコーディネートしていくというのは、非常に大きな役割だと思います。


 少なくとも、今ある、「岡山県立おかやま福祉の郷」と「岡山県南部健康づくりセンター」、「岡山西養護学校」は、同じ敷地内にあるとも言えるほど近接していますが、それぞれが、それぞれに、また地域に、開けていない面があります。

 なにより、素晴らしい森があります。 もっともっと、地域の方が、あの森を歩けば良い、地域の施設化、施設の地域化は、裏腹ではないかな。

 そして、子ども達が、もっと堂々と、福祉の郷やセンターの施設を使えないかな。福祉の郷の入所者が、もっとセンターの超一流の施設を使えないかな。
 このままでは、センターは、民間を圧迫するために行政が作った豪奢なフィットネスクラブになってしまいます。

 なによりも、支援費も、良いけれど、そのお金を、作業所や別の障害者に回せないかな。いつも誰かに支えられている障害者や高齢者がいるとしたら、お互いに、支え合うことができないかな。その力が、地域を支える力にならないかな。

 お金もかかるかもしれないし、効率は悪いかもしれませんが、新しい豪奢な施設が建ち並ぶよりも、システムとして、皆が繋がっている、それが、本当の「郷」で、村ではないかな。

 ・・・・・そんな「福祉の村」を考えます。


 福祉の郷が、保健福祉部障害福祉課、健康づくりセンターが、保健福祉部健康対策課、さらに、西養護学校が、教育委員会と、行政の縦割りの所管の中で、それを越えた福祉ゾーンを作って行くべきである、と思います。

 そこに並んではいるけれど、残念ながら、施設群、特にセンターは、そう他の施設と繋がってはいません。それをどう繋げるか、我々も知恵を出さないといけません。

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