2005年4月3日(日)【被害者支援の難しさ】

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 朝は小雨で、昼は暖かく、夜は冷え込み、桜も一挙に開花に向かうことでしょう。御神幸を経て、本格的な花見までは、今少し?
 本日は、家族で、朝4時起きで、朝起き会から京橋朝市。4歳児の我が子は、京橋朝市煎餅は、一袋食べてしまうほどの好物ですが、あちこちで色んなモノを貰って大はしゃぎでした。
 分かれて、私は、「壮年の集い」から、岡山県相撲連盟理事会。再び、家族と合流して、徳与寺の十三参りから、岡山ドームのキッズフェスティバル2005。母子も、子ども劇場に入っており、子どもセンターがらみの行事は、ウキウキして出掛けております。
 それにしても、出店で、朝食と昼食の不思議な佐藤家。
 再び分かれて、私は、(社)被害者サポートセンター(VSCO)設立総会および記念講演会へ。地下鉄サリン事件で、夫を殺された高橋シズヱ氏の講演を拝聴し、改めて犯罪被害者支援の難しさを噛み締めました。
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     ↓ 詳しくは

 マスコミへにも頻繁に登場される地下鉄サリン事件被害者である高橋氏への質問として、私は、正直に、「結局は当事者ではないので、わかったフリをしたところで、本当に分かるとは思えないし、適切な言葉が見つりません。」と申し上げました。

 実際に、10年前の地下鉄サリン事件で、大黒柱の夫を殺された方を目の前にして、講演を聞いた後でも、どう言って良いのかが、分かりませんでした。何を彼女に問うべきかが、分かりませんでした。
 むしろ、ある加害者の昔を知っているということも、とても適切な話題と思えません。
 皆様でしたら、何をどうお聞きになられますか?


 「分かるわけがありません。というか、人間は皆違うので、本当は分かるわけがないのです。」という答が、全てのスタートなのだと思います。まして、ある日、突然に、理不尽や不可解に襲わることは、想像できる域を遥かに越えています。

 誰でも、さほど親しくもない相手から、分かっているというそぶりをされることが、非常に感に触わることがあるものですが、少なくとも、誰や彼やに憐れんでもらう対象になることを何の咎もない被害者は、望んでいません。

 私は、人間が最後に守るべきものは、自分が自分であることの誇りや尊厳の部分だと思います。対人関係でも、「私で良いんですか?」と、謙虚すぎて丁度良いのでしょう。


 しかし、マスコミとの仲介も含めて、近くで寄り添うような第三者の支援は、やはり必要だとも思えます。家族だけで解決できる問題ではないのも事実です。


 もう一つ、被害者と支援者の間で重要なことは、「フィーリングが合うかどうか」というのも、なるほどなぁ、と思いました。
 理屈ではない部分というのは、確かにあります。こればっかりは、もういかんともし難いものです。
 ただ、一般の人間関係においては、フィーリングで全てを決めたら、成功や成長のチャンスを失います。



 ともあれ、
 今、私がなしうることは、昨年の国の議員立法による犯罪被害者基本法に基づいて、今後地方でも立てられる同基本計画や条例を少しでも先んじて、より犯罪被害者支援に資するものにすることと、法的には、かなり難しい問題も含のですが、犯罪被害者支援金を国が加害者に替わって支払い、後に、国が加害者に請求するような仕組みを創るよう働きかけることです。
 まずは、条例です。



 ところで、
 既に、VSCOに関わらず、様々なトラブルに巻き込まれた方に対して、多くのサポートをする方々がおられます。ある意味で、サポートする側のメンタルケアが必要なほど、誰かの問題を我が問題として考えることは、本当に疲れることです。受ける方には、逃げ場がないのですから。
 そういった方々やグループへの支援を進め、さらには、私自身も、こういった感性を磨きたく思います。

 もっとも、我々の仕事も実はそれに近いものがあります。批判であれ、要望であれ、受けて当たり前。私は、話すことよりも、聴くことの方が遥かに多い仕事だと思っています。
 話すとしても、多くは、自分のための言葉ではありません。
 誰かが、やらねばなりません。



 それにしても、
 夫の手帳の予定に「花見」と書いてあり、それを実行できぬままに逝ったことを思うと、この季節が大嫌いになったけれども、10年経って、やっと、桜を奇麗だなと思えるようになった、そして、貴方が被害に遭わなくて良かったねと思えるようになったという、高橋氏の言葉は、重いです。

 まさに、時が経つ、その力というのは、物凄いものであるけれど、それは、彼女が懸命に生きてこられたからこそ、感じられることなのだと思います。

 阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件から、はや10年・・・・・。

 我々が、今年の桜も奇麗に見えたら、それだけで、幸せなことです。

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