2000年8月12日(金) 【北欧話 自転車考】

 ホームステイ先のご主人が、スェーデンの子どものキャンプに合流すると言って自動車で出てしまったので、ソーホェ(デンマーク)での移動は、自転車になってしまいました。(車はTOYOTAでした。)

 ご主人の自転車は、乗れば即、足をつるほど、サドルが、高かったので(っていうか、私の短足は、国際的なので)、お隣から、子ども用の自転車を借りまして、堂々たる体躯で豪快な奥さんのアンネさんの後ろをえっちらおっちらついていきました。早ぇーのなんの。
 デンマークは、最高でも174メートルの高さの妙に平らな国で、おまけに、高原の気候ですから、自転車に乗るには最適のところです。

 アンネさんは、5キロメートル以内は、自動車を辞め、自転車にすれば、CO2の排出が、35%削減できると主張し、なるべく野菜は自給自足するという日本で言うグリーンコンシュマーなのです。
 ちなみに、彼女は、家政専門学校の先生で、役場の税担当の職員のご主人より、労働時間も長く、給与も高いのです。彼女に言わせれば、芋を剥くぐらいのご主人は、KINGだそうな。ついでに、二人とも再婚です。

 北欧の街(もちろんコペンハーゲン、オスロ、ストックホルムのような大都市も)では、自動車道と自転車道と歩行車道が、分かれています。また、多くの自動車は、後ろに自転車が、2台積めます(ベンツでもVWでも)。
 ついでに、列車に自転車も乗りますし、駅の構内もしばしば自転車を押して歩く人に出会います。
 その分、コペンハーゲンで、駐車場を探すのは至難の技で、路場駐車も厳しい制約があります。(飲酒運転もスピード違反も、一般的に取り締まってはいませんが。)
 自転車は、極めて有用な乗り物と評価されているようです。

 ソーホェは、人口16000人の小さな街ですが、大通りの裏に湖と森があり、(犬ならばここに生まれたいと思いました。)自転車で行くには最高の街でした。自然と共生して暮らす、人間の本来の姿がある気がしました。
 もっとも、夏には午前4時から午後10時まで明るい分、冬には午前10時から午後4時までしか明るくない、ホーソェの暮らしに耐えられるかどうかは分かりませんが。

 岡山に帰って、この夏の中、歩道の上を通行人を縫うようにして、買い物カゴをいっぱいにした自転車をこぐ年配の方を見るにつけ、駅前や商店街の駐輪の様を見るにつけ、日本の北京と言われるぐらい自転車の多い、のっぺりとした岡山の街で、自転車は、なんとかならんのかい!と前にも増して思うようになりました。なんたる違い!!
 もちろん、復権させるという意味で。どうにかしたいです。

 また、後楽園や、なにより吉備路のことを考えています。岡山は吉備路自転車道という、最高の自転車道を持っていますが、皆さん最近自転車で、行かれましたか?
 もし、アンネさんが、岡山に来てくれたら、後楽園や吉備路を自転車で、行きたいけれど・・・。

 岡山に北欧に負けず劣らずの自転車文化の素養があると思うのは私だけでしょうか。

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