2000年8月11日(金) 【家族に帰ろう!!】

 今回のデンマークのホーソェでのホームステイや、北欧を経巡りつつ気づいたのは、彼ら北欧人(欧米人一般か)が、「家族」を単位に動いていることです。そして、自由にも分が、あるということです。

 デンマークの離婚率は50%を越えるそうですが、それは喧伝されるフリーセックスの淫乱な人達が、とっかえひっかえ(それは日本人。)で、相手を変えてなどという低レベルのものではなく、要するに「家族」での各々の役割を果たさなくなった時に、最後通牒が出るわけです。
 もちろん、なんやかやで50%を越えてしまう高い税率に裏打ちされた手厚い社会保障が、容易にふんぎらせる側面があることは、否めないでしょうが。

 ちなみに、彼らは、共産主義を嫌う、社会民主党政権(立憲君主制)の国民ですが、様々な規制をかけて、制限をし、最後は相続税で思いきり均されてしまう、某国の方が、より左翼政権に思えます。
 税率の高さは、若いうちは多少不満があるけれども、高齢になれば、あるいは不測の事態には、還元されると認識されているようで、額面割れ必至の保障を強制される不安感は、理解の外にあります。
 医療費・教育費はタダ、病院・学校(大学を含む)は全て公設、医師は公務員・・・・・日本の常識は日本の常識にすぎないのです。

 週の労働時間は、37時間と法定され、地方では、繁華街でも平日は午後7時、土日は基本的に休み、やっと開いていても、午後5時まで、それを不便と思うのは、日本の常識です。(いや、昔は日本もそうだったかも?)そして、4週間の夏休み。

 その労働時間以外を彼らは、「家族」と過ごすのです。なぜなら、一番「家族」が、大切だからです。社会的な自己実現も重要ですが、「家族」あっての自分なのです。 その「家族」を越えるほど重要なものは、この世に存在しないのです。
 そして、楽しみは「家族」と共にあります。例えば、そこにチボリが、アウトドアが、あります。彼らは、「家族」という単位で楽しむのです。

 逆に、「家族」には、役割があります。「家族」という共同体が、円満であるために、それぞれの立場に責任があります。つまり、分もあります。子どもは、子ども。犬は犬です。夫の家事参加であれ、子どもの自立であれ、「家族」という規制の中で行われます。

 そして、そこには暗黙の倫理・道徳があります。あからさまな性の形をありのままに表現しても、堪えうる社会規範があります。そして、それは、障害を持つことや老いるといった、人間として、人間なら、普通にあることを決してタブー視しない、真正面から論じる、強さや優しさと背中合わせなのです。

 そういった、倫理・道徳・社会規範が、厳然とあっての「家族」であり、「個」なのです。あるいは、「家族」こそ、倫理・道徳・規範の場なのです。社会も、学校も、職場も、「家族」の延長線上や、「家族」にリンクして初めて存在するものです。
 多分、これらは宗教的な背景もあると思います。

 この結果、「家族」を犠牲にしてまでする仕事や、社会活動や趣味は、美談でもなんでもありません。むしろ、人間として恥じるべき、理解しがたい行為になります。本末転倒とも言えるでしょう。
 ここが、日本人が、真の豊かさや楽しさを知らないと言われるところです。
要するに、個人の満足など、「家族」全体の喜びに比べれば、微々たる物です。いくら、仕事で一発当てようが、酒を食らって飲み屋の姉ちゃんに、もててようが、「家族」の評価がなければ、意味がないのです。

 また、その限界になる規範を理解しないものに、自由はありません。したがって、子どもに自由はありません。(女子高生が援助交際してはいけない理由は、これで説明できます。) 大人になるというのは、社会規範を認識することです。逆に、子どもを叱るだけの、無軌道な自由を制限するだけの倫理・道徳・社会規範の実践が大人には必要です。(だから、私は、親になるのに困っているのです。)


 佐藤は、西洋にかぶれたんか、と言われそうですが、実は日本に近いものがありました。「家」です。そして、「恥」です。個人的には、老若男女問わず、「家」を省みない「恥っさらし」の日本人が、増えたのだと思います。
 そのことが、翻って社会問題、教育問題を生み出しているのだと思います。

 そして、21世紀日本人が名実ともに復興するためのキーワードは、「家族」だと思います。
 例えば、このことは、若者に迎合することが文化であったり、街の活性化のためには、若者が来なくてはいけないと思い込むといった一時のブームに媚びへつらうような戦略の変更を促すと思います。

 「家族」を動かせば、老若男女全てが動きます。「家族」単位で考えると、ハードもソフトも、ずいぶん変わってくるはずです。
 後楽園は、チボリは、教育は、福祉は・・・どう、組み立てられるでしょうか。


 私は、常に、主戦場たる本会議の一般質問に向け、議員として動いています。視察も、しかりです。9月議会に、どれだけ還元できるかが、私の勝負です。視察費用は激安だった、と言われなくては意味がないと思います。

 「家族」という言葉は、今後の質問のキーワードになるかもしれません。

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