2000年8月9日 【コペンハーゲン・チボリ公園】

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 7/26から北欧に派遣されている主人から第2弾が送られて参りました。今回はチボリ公園についての内容です。
また、約2週間留守をしておりましたので、皆様にいろいろとご迷惑をお掛けいたしましたが、本日夜岡山に戻って参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
                             (佐藤 まゆみ代筆)
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スカンジナビア派遣もいよいよ終盤になり、今日はいよいよ「チボリ公園」を訪ねました。個人的には今回の最大テーマであり、9月議会質問のメインテーマと考えています。

 さて、「倉敷チボリ」がコペンハーゲンを模しているなら、将来は極めて暗いと断言せざる得ません。両者は似て非なるもの。換骨奪胎のただの「テーマパーク」が、157年の歴史を誇る公園に匹敵する道理がありません。個人的には、本場のチボリ公園は決して「テーマパーク」ではないと思います。デンマークの伝統・文化・思い出そのものです。

本場のチボリは4月中旬から9月中旬だけのオープンで(但しクリスマス期間を除く)、大人49Kr(約700円)で、スケールには差はありません。しかし、この期間は特にサマーバケーション(4週間)と重なり、北欧最大の「首都」コペンハーゲンに人がどっと押し寄せます。しかも、周辺には王宮(デンマークは女王)や伝統建築物が立ち並び(借景になっている)、北欧最大の歩行者天国が間近にあり、鉄道の中央駅の正面がまさにチボリの入り口です。

そもそも、太陽を惜しんで外で食事をする傾向のある北欧人にとって、オープンカフェは当たり前で、園内にはそんなレストランが30ケ所あり、要するに明治神宮がアミューズメントパークで、オープンカフェが並んでいるのだとイメージして頂ければ良いと思います。人は来るのです。

そして、中の建造物は中国風建築を除けば昔ながらの北欧のそれで、公園の内外の違和感が全くありません。生活の中に存在しているのです。老若男女、特に「家族」を基準に(昼は)考えられた遊び場です。昨日、今日とってつけたようなものではありません。(アンデルセンも然り)

倉敷チボリは確かに美しいですが、そこは生活の場でもありませんし、我々岡山人の伝統・文化とは全くかけ離れたものです。個人的には後楽園界隈をオープンカフェで囲む方が遥かに芽があると思います。なぜそちらにもっと目を向けないのでしょうか。少なくとも地方自治体としての県は、「チボリ公園」から少しずつ「離れる」べきだと思います。極めて危険です。

北欧の婆ちゃん達とピアノの弾き語りを聞きながら思いました。

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