2001年3月3日(土) 【『社会貢献』について】

 昨年の12月議会の議事録が県議会のホームページに加わりました(最後にアドレスあり)。間抜けな語り始めを是非ご覧ください。

 受験勉強から途中で何度か脱走しながら、しこしこと、ああでもないこうでもないと資料やインターネットをほじくりながら、それでもなんとか8回目の一般質問の大枠が見えてきました。
 「新おかやま国際化推進プラン」「岡南飛行場」「DV(ドメスティック・バイオレンス)」「岡山県社会貢献活動支援条例」「岡山県看護職員需給見直し」の5項目ですが、小項目にすると質問数は30を越え、過去最大です。
 今回は、予想するに、答弁者が半端な数ではありません。

 中には、一行問題でさらりと書きながら、実はかなりややこしい質問もあり、週明け以降の毎度お馴染みの財政課とのやりとりの間に、闇に消える質問もあろうかと思います。 できれば、5日(月)には、提出してしまおうと鋭意執筆中です。


 とりわけ、「岡山県社会貢献活動支援条例」については、かなりマニアックな質問かもしれません。しかし重要です。


 全国的にも先進的な「特定非営利活動法人に係る県税の特例に関する条例案(自動車税の免除など)」が、示されたことは大歓迎であり、NPO法人の活動の大きな励みになると思います。

 ただ、同時に提案された「岡山県社会貢献活動の支援に関する条例案」ですが、「社会貢献活動」という文言について疑問を持っています。「特定非営利活動促進法」は、ひとつの言葉を巡って、きったはったをしてできた法律ですが、その文言が、県で変えられたのです。

 そもそも、平成10年に、多くの困難を越えて議員立法で制定された「特定非営利活動促進法」を受けて、各県で「特定非営利活動促進法施行条例」および「特定非営利活動促進法施行細則」が、制定されました。

 それに加えて、さらなる特定非営利活動法人支援のために、今回県税の特例に関する条例案を示して下さったわけですし、この4月より、岡山市は、特定非営利活動法人のみならず、それをさらに拡大して、非営利公益活動団体から申請があり、審査会の公益性などの審査を経れば、特定非営利公益事業に指定し、様々な支援(会場使用料の免除など)を行うといった「岡山市協働のまちづくり条例」を施行します。


 「岡山県社会貢献活動の支援に関する条例案」を一読すれば、昨年10月に示された「岡山県ボランティア・NPO活動の促進に関する基本指針」を条文化したことが見て取れますが、なぜ敢えて「特定非営利活動促進法」の下に、こういった屋上屋のような県条例が必要なのでしょう。

 とりわけ、国の「特定非営利活動促進法」が論議の末に、「特定非営利活動」とは、「別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。」と極めて抽象的に定めたのに代えて、また、ボランティア・NPOともせず、「社会貢献活動」としたのでしょう。

 「社会貢献」という言葉は、現在ボランティアよりもむしろ、ある種の見返りも期待する「企業メセナ」に対して使われる言葉で、条例では、特定非営利活動法人以外の活動に枠を広げながらも、かえって範囲を狭めた印象を与えます。
 ボランティアの自発性、無償性の原則から言っても、「自発性及び自立性を損なわない」と条文中でうたおうとも、「社会貢献」という言葉自体が一定の価値を含んでいるのですから言葉の矛盾です。

 そもそも「社会貢献」という価値的な評価を誰が行うのでしょうか。この条例の趣旨を生かすならば、同時に完全に民間の「社会貢献活動評価委員会」のような組織が、必要なのではないでしょうか。

 ちなみに、三重県では、県内で地域作りにかかわるNPOを支援する新しい補助金制度を創設しましたが、これは宝くじの売上に応じて定められた補助金を県内9圏域それぞれの中で、「NPOや行政の作った組織」が補助率や限度額を各々決められるといったもので、各圏域のビジョン作り、その推進に資するものです。

 と、こんな疑問なのですが。


 私は、議会が立法の場でありながら、条例の条文解釈や文言が、質問に取り上げられたり、議論されることがなかったのが、極めて疑問でした。行政の施策については、尋ねるけれども、行政に対して、「法の支配」を及ぼすべき議会が、条文そのものについて無神経なことに対する問題提議を私なりにしたいと思います。

 実は結構細かい、私は、A型!!

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