2000年11月29日(水)【市民に追いつかない議員】

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 本年4月1日施行の地方分権一括法で、自治体の課税自主権が、認められたことを受け、岡山県庁内の若手で結成する「地方税を考える研究会」が、NPOの優遇税制の創設などを提案する「中間報告」をまとめました。
 このうち、石井知事は、NPO優遇税制の提案の早期導入を指示し、全国に先駆けて、早ければ来年度から実現する見通しになったのは、既に報道されている通りです(28日)。

 早稲田の先輩である橘(元)議員のご活躍、NPOサポートネットワークなどの地道な活動も奏効したのでしょうが、毎議会事の私のひつこい保守系からの一般質問も、少しは効いたかな、と自負しています。
 ただ、私の関心は、次の段階、NPOの自己評価に進んでいます。12月議会でも、NPOについては、緩めません。
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 本日、『「人にやさしい柳川筋再発見」ワークショップ報告と意見交換会』に、平和町北部町内会副会長と称して、出席しました。
 いわばお馴染みの方々の集まりですが、内容もさる事ながらボトムアップして、行政と対等に渡り合っていこうとする市民活動の手法にいつもながら感嘆します。
 同時に、全くのボランティアとして、私財を擲って、時間と情熱を投下される方々を見ていると、議員の役割について改めて考えさせられます。
 いったい議員が、何をしていると言うのでしょう。

 実は、今日のように市・県職員の方々が、いらしゃれば、発言に気を遣うのは、私たちも同じで、かえって議員になったことで、自由にモノが言えなくなった気すらします。
 思い切ってそのことを特に、ではなく、まんべんなく事を荒立たせずに、と一見熱気を失ったようになってしまいます。こんなはずではないのですが。

 まず市民が走り、行政が追っかけ、ずっと遅れて議員が追認する。そんな図式になっている気がします。とりわけ保守系議員は顕著です。
 ともに汗をかく姿勢を失ったわけではないのですが、ある側で、同時に、動くことが困難なケースも出てきます。ご労苦を労って回るほど、偉くなったわけではないのですが。
 いつの間にやら、待ちの姿勢になって行く自分をおそれます。

 もっとも、インターネットは、時には県より早く国の情報に接することができ、また時間と情報を一般の方々と常に共有することを可能にしています。
 個人的には、議席は、「道具」であり、議員の活動は、むしろ仲間とのチームで展開して行く時代に入ったと思いますし、その中で、政策を共有するものが、政党であリまた党員であることが、当たり前になってくると思います。
 市民(民間)サイドにも、それだけの圧倒的な情報が、入ってくる時代です。知らさずに依らしめることなど、もはや不可能です。
 議員も、行政に聞いていないから知りませんでした、では済まなくなるでしょう。

 市民と行政の間で、どっちつかずのあやふやなものではなく、市民とともに、否、市民の一人として行政と対峙する、これからの議員は、そんな当たり前の形に少しずつ向かっていると信じます。

21世紀の地方議員の「最低」レベルを私にしないといけません。

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