2002年5月25日(土) 【DV被害者サポート】

 昨夜、「DV防止サポートシステムをつなぐ会」の総会および研修会に参加させて頂き、DVに関しての岡山市の取り組みを具体的に伺いました。
 自民党系の女性議員が、市、県におられないため、自民党県議で、こういう会に出席するのは、勢い私だけになります。

 「利家とまつ」を見て、文句を言い、妻に甘えてばかりの真ちゃんが、男女共同の会に出るとは、世の中、なんとも皮肉なことでございまする。

 ちなみに、拙者は、岡山市の「さんかく岡山」は、スタッフの方を含めて、かなり好きなのですが、岡山県のNTTクレドビル内の男女共同参画推進センター(ウィズセンター)だけは、息が詰まりそうで、正直、勘弁して欲しい、と感じている、そのような男でございまする。←なぜ、侍に?



 さて、男女が人権を尊重しつつ、性別にとらわれることなくそれぞれの個性や能力を十分発揮することが出来る、いわゆる「男女共同参画社会」の実現に向けた取り組みは、法整備等からすると、ざっと以下のようになります。

 なお、男女平等・男女共同参画社会に向けての国内外の動き(年表)は、
 ttp://www.city.okayama.okayama.jp/search_fortop.aspに詳しいです。



 平成11年6月23日に、国の「男女共同参画社会基本法」が公布・施行されました。この基本法では、男女共同参画社会をつくっていくための5本の柱(基本理念)を掲げ、行政(国、地方公共団体)と国民それぞれが果たさなくてはならない役割(責務、基本的施策)を定めています。

 平成12年12月12日に、基本法に基づく初めての基本計画である「男女共同参画基本計画」が閣議決定されました。基本計画では、11の重点目標を掲げ、平成22年度までを見越した施策の基本的方向と、平成17年度末までに実施する具体的施策の内容を示しています。

 また、平成13年10月13日に、男女共同参画社会の形成に重要な役割を果たすDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)が、施行されています。



 一方、岡山県では、「岡山県男女共同参画推進本部」を設置し、関連施策の円滑かつ効果的な推進を図るとともに学識経験者等で組織する「岡山県男女共同参画推進協議会」を設置し、「おかやまウィズプラン21」を策定。
 また、平成13年10月1日から、「男女共同参画の促進に関する条例条例」が、施行されています。
ttp://www.pref.okayama.jp/seikatsu/danjosankaku/jyourei.htm

 この条例の施行にあわせて,社会問題となっているDV(ドメスチック・バイオレンス)に対応するため、女性相談所とウィズセンターをこの条例に基づく被害者支援施設と位置づけるとともに,ウィズセンターの相談員を増員しています。
 県の一時保護施設として、女性相談所とウィズセンターが、法的にも、明確になったわけです。

 さらに、DV被害者の自立支援を含め支援施策に係る関係機関の連携強化のために、関係の行政機関による岡山県DV対策会議を設置。

 さらに、平成14年4月岡山県男女共同参画審議会が、岡山県男女共同参画の促進に関する条例に基づき、設置されています。
 加えて、振興局レベルでの総合的な相談(DV、児童虐待、青少年、不法投棄・・・)ネットワークも、できつつあります。



 一方、岡山市は、原案作りから市民協働で、平成13年10月1日に「岡山市男女共同参画社会の形成に関する条例(さんかく条例)」を施行。
ttp://www.city.okayama.okayama.jp/search_fortop.asp
 第9条に基づいて、基本計画ができるという流れです。

 パブリックコメントもしっかり反映した岡山市の条例は、県条例に比して、かなり具体的で、とりわけ、阻害要因としてのDVに関しての規定が非常に多くなっています。

 特に、第21条に規定される「さんかく岡山」内の「男女共同参画相談支援センター」は、6福祉事務所とも連携、相談ホットラインは、職員の携帯電話にも転送でつながり、緊急一時保護も、24時間対応。

 また、DV防止法が、3年後に見直すとする「被害者の保護及び自立支援」も第24条に規定しています。




 ただ、やはり、DV被害者サポートについては問題が目白押しです。

 まずは、シェルターの必要性。
 国も一定の基準を満たす民間施設等に対して委託できる制度を創設しましたが、女性相談所の一時保護機能を強化する一方で、何らかの形でシェルターの充実が急務です。
 この点は、突き詰めれば、要するに、行政と民間は、どう役割分担をしていくのか、という話です。

 また、自立に向けて、就労(就業能力)支援ができないか。市営住宅など公共住宅に優先入居できないか。とりわけ、就職や住居の賃貸、各種行政の資金貸付けに伴う保証人をどうするのか。理解がある会社や大家のサポート体制(情報網)が、必要ではないのか。

 被害者同士が精神的に支えあうことができる自助グループが必要ではないのか。司法の場で、十分な理解がされてDV被害者がサポートされているか。被害者の書類届け出等日常の事に同伴できるサポートはないか。

 加えて、精神的負担が強いられる相談員のメンタルヘルスをどうしていくのか。市町村レベルでは、どうケアされているのか。

 さらに、肝心の男性への啓蒙はどうなっているのか。自身が、児童虐待の被害者であり、暴力が循環しているような男性にどう対応するのか。
 根本的な育児・家事等に対する女性の意識の変化にどう対応するのか。
 加害者・被害者という対立の図式で根本的な解決があり得るのか。



 今年度所属する生活環境保健福祉委員会でも議論は出ると思いますが、私もしっかりと勉強させて頂き一歩でも前進させたいと思います。



 今年度は、県も「岡山路「男女共同参画を詠む」吟友の集い」など事業には、苦慮されているようです。

 昨年の「ウィズフェスティバル2001」では、そもそも、男性の参加が少ない上に、理解しようと参加した男性にとっても、思わず首をかしげたくなる論調の講演等もあり、DVに至る前の段階で、まずは和気藹々とした男女共同参画事業を期待したいところです。
 少なくとも、女性議員だけが専門分野として話すべき内容ではありません。

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