2008年5月9日(金)【特定財源としてのゴミ有料化】

 ひどい年は、3日間が潰れるのですが、昨日で議会人事が終わったので、今日は一日得をしたような気持ちです。

 岡山地区保護司会の総会もありました。刑務所や少年院を仮出所・退院したり、刑の執行を猶予されるなどした保護観察対象者に対する保護観察官らの指導・監督権限を強化する「更生保護法」が6月1日から施行され、再犯防止に向けた更生保護制度が強化されます。

 被害者保護という観点も加わり、岡山市の政令指定都市化の影響もあったりで、街の篤志家というには、本当にたいへんな職務です。


 さて、昨夜、地元学区で、岡山市のゴミ有料化についての説明会がありました。正直なところ、たいへんに驚きました。
 県議会議員としてと言うと障りがあるかも知れませんが、一市民として、思わず意見を申し上げずにはおれませんでした。

 市内全学区で説明会を開催されるということですが、私が知るこの種の説明会で、最も、当局の準備が足りていないもので、今後の市政の円滑な運営のためにも、論理や資料をよく練って、出直した方が懸命であるように思います。

 市民感情的にも、考えられる最悪の時期で、下手をすると、市長の命取りになりかねない、逆宣伝で回っているようなものです。そもそも基本的に、喜べる話ではないのですから。


 ゴミ袋を有料化(45L=50円)して、10億円。当局には、取扱手数料ですからと抗弁するのではなく、これが事実上の特定財源の目的税、すなわち増税になるという意識がないようでは困ります。
 おそらく、一般家庭で、1万円増税して良いのかという話です。

 最終処分場の確保、老朽化するゴミ処理施設への対応を敢えて言わず、そのために逆に、ゴミ分別の促進による総排出量の抑制という「目的」に対して、不法投棄の増加という懸念や、現状のゴミ行政に対する不満を加えて、増税するという「手段」の論理的な連関があるのか?仮に、手段に、合理性があっても、「必要最小限」と言えるのか?なぜ、50円か?
 揮発油税の暫定税率の議論に、ちょっと似ています。

 森づくり県民税も、環境が全面に出ると、総論反対は誰もできませんが、ゴミ袋有料化は、形を変えた法定外目的税であるというセンスは持っていたいものです。
 それを踏まえた上での議論にしなくては、いちいち説明してまわりました、はい、それでは増税です、では、議論になっていません。


 多分、単純に、増税と同じだから反対です、というようなレベルの議論を良識ある市議会が、されていると思えませんし、逼迫する財政状況の中、61億円も、ゴミの処分にかかっている状況について、ゴミ袋有料化は、効果的な施策かもしれないという認識があるからこそ、全国的に広がっている流れなのでしょう。

 ただ、やはり、丁寧な説明が必要です。市議会が、ある意味、保留されているのは、ひとつの良識ある判断だと思いますが、だからこそ、議会も説明できる真摯な説明、合理性が必要です。

 現状では、私が首長なら提案できないし、議員なら、とてものめない状況です。いずれも、説明責任を果たせないのではないかな。

 ともあれ、市民として、注意深く見守りたい議論です。

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