2003年7月16日(水)
【児島湖はきれいになるのか?】

 今朝の山陽新聞に、でかでかと出ているように、国営総合農地防災事業児島湖沿岸地区について、計画変更になります。
 昨日の足守川パイプラインもそうですが、国直轄の事業です。


 そもそも、この事業は、児島湖の湖底に堆積した低泥を浚渫することにより、下水道整備事業等と相俟って、農業用水として利用している児島湖の水質を改善し、農作物への被害を未然に防止することで、農業生産の維持および農業経営の安定を図るものです。

 事業着手は、平成4年、本格的には、平成8年2月から、浚渫は開始されました。昨年度末までに、277億円、170万立方m、今年度、34億円で、20万立方m、累計311億円使ったところで、計画変更です。
 今年度終了予定を3年延長、浚渫量は、当初計画の7割、覆砂は、5分の1に縮小し、事業費は26億円の増です。

 浚渫しても、下からヘドロが吹いたり、深みに水が淀まないように、わざわざ覆砂していましたが、その上に、底泥が堆積するので、計画区域全域の実施を見直し、深部のみに変更しました。
 浚渫して、埋め戻すという感じが、なかなか分かり難いのです。


 さて、この311億円という金額ですが、下水道事業も、流域の普及率70%が50%までしか行かず、しかし、総額4000億円になっているのですから、その10分の1もかかっていない浚渫って、実に、安い!!ですね!?

 例えば、本格的な浚渫が始まって以降、全窒素は、環境基準値1mg/l(平成17年目標値1.4)を目指して、昨年度1.3で、クリア。全リンは、同0.1(同0.17)、同0.19で、3年横ばい。
 CODは、同5(同8.2)、同9.8と昨年度より悪化。これは、異常渇水によるものです。(達成レベル2)

 もしも、浚渫をしていなければ、とてもではないですが、こんな数値では済んでいなかったに違いありません!!そう信じます。


 まさに、下水道事業と市民の意識改革、なにより、浚渫の三位一体の効果があり、全国でも、誠に稀有なる農業用水の確保という名目の農林水産省が行う、いわば環境対策事業は、見事な成功を収めているわけです・・・・・・。


 うーーん、児島湖をきれいにする議員懇談会事務局長としても、頭痛い・・・。

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