2002年11月5日(火)  【汚泥という資源】

 本日は、決算特別員会の県内調査に一部だけ合流。財団法人岡山県下水道公社を訪ねました。

 昭和34年に、児島湖の一部を締め切って造られた人口湖、児島湖の背後地の都市化が進み、生活排水や産業排水が増加し、水質が急激に悪化したのを受けて、立ち後れた地域の下水道整備のため昭和47年に、児島湖流域別下水道整備総合計画事業が策定されました。

 財団法人岡山県下水道公社は、児島湖流域下水道事業を県が事業主体となり、岡山市・倉敷市・玉野市・灘崎町・早島町が協力して取り組むための公社です。

 財団法人の理事長は、元県土木部長、職員の22人中18人が県からの出向で、岡山県から、下水道維持管理業務につき、13年度は、約17億6500万円の委託を受けています。


 実は、私が、他委員会の調査にわざわざ合流したのは、全国有数の放流水のきれいさではなく、日量約61tに及ぶ汚泥を今後どうするかを知りたかったからです。

 基本的には、汚泥を搬出処分するだけで、受託事業費の約36%、6億3600万円が、かかるわけですが、この汚泥は、水島の環境事業団のクリーンセンターで、焼却され、最後は、埋め立てられています。

 循環型社会の実現の観点からすると、必ずしも、汚泥の焼却処分は、有効かつ唯一絶対の方法ではありません。
 有害な重金属が確実に除去され、さらには、カリが、加われば・・・・・・。

 問題は、焼却することで、減価償却を目指す施設を岡山県グループという系列企業内で、作ってしまっていることで、この循環を断ち切ると、総じて、岡山県グループがダウンし、結果として、さらに、岡山県民に、迷惑がかかるという、いたって融通性の利かない仕組みになっていることです。

 採算がとれない部門の切り捨て、競争がなく無駄が多いとされる系列企業の解体は、民間では、常識。昔のライバル会社と手を組んででも生き残りをかけるような時代に、お仕事を仲良くまわしあいっこして、人事交流もする岡山県グループ。なんとも歯がゆい気がします。

 その汚泥は、資源です。

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