2001年6月16日(土) 【津田永忠記念公園構想】

 先の岡山市長選挙で、落選された現職候補の政策ビラに、岡山市で一番好きな風景を三野公園の前の旭川のあたりと書かれていました。私も、大好きな景色です。
 若く亡くなった娘さんが、幼い頃、散歩のたび、あのあたりの旭川の小さな中洲を「わに島」と呼んでいて、あそこを通るたびに、その娘さんを思い出す、といったくだりがあり、私も、それを読んで以来、なぜか妙に切なく感じてしまうようになりましたが。

 ともあれ、その「わに島」の東向こうから、百間川は、始まります。
 そして、そのあたりの、百間川は、なんとなく、草がボーボー生えているというイメージがあります。


 実は、この草ボーボーの広大な遊水地を既存の歴史遺産の保存と周辺の自然を生かした「津田永忠記念公園」として保存したい、という、市民主体の動きがあります。
 本日は、「津田永忠記念公園構想MAP完成記念」の市民シンポジウムが高島公民館で、行われました。


 しかし、それよりもなによりも、百間川とは、なんぞや、です。市民が、わかっているようで、わかっていない川かもしれません。特に流れ方が、もうひとつはっきりしません。
 正直、私は、選挙区外ということも手伝い、岡山市なのに、竹田や藤原、高島、国府市場では、いまだに迷子になります。これは、恥ずかしい!!


 以下、竹田下バス停前の国土交通省の看板(!)より引用。

 《 岡山城の築城(1590〜1598)に伴い、旭川の流路を蛇行して付け替えたことで狭くなってしまい、城下は、度重なる洪水を受けることになりました。
 特に、承応3年(1654年)の大洪水を契機に、熊沢蕃山(陽明学者)が、「川除け(かわよけ)の法」(越流堤と放水路を組み合わせて洪水対策を行うこと)を考案し、津田永忠に語ったのが、百間川築造の発端とされます。

 当時の百間川は、三段方式の荒手(越流堤)により、旭川の洪水を竹田地区下流に、越流氾濫させるもので、寛文6年(1699)に着工し、貞亨3年(1686)に完成しました。しかし、堤防は、極めて小規模なものでした。

 なお、百間川の由来は、「二の手」(中島竹田橋下流)の幅が、導流堤を含め百間(180m)あったことによるものです。


 当初の百間川は、約300年もの間、城下の洪水対策に役立ってきました。現在の百間川の整備は、旭川に6000立方m/秒の洪水が出たとき、2000立方m/秒を百間川に分派する計画として事業が進められています。

 昭和49年度より、本格的な工事を開発し、堤防・低水路掘削、橋梁や用排水路付け替え工事等が行われていますが、平成9年3月には、全川にわたって「堤防」が、完成しました。
 また、百間川は、岡山市街地を貫流しており、その空間は豊かで潤いのある水と緑のオープンスペースとして、多くの方々に利用されています。 》

 また、これに加えて、百間川河口水門(四つ手網でお馴染みの付近)の大規模な拡幅が拡幅が進められています。
 さらに、光ファイバーケーブルが敷設され、22台のテレビカメラが、洪水時の河川・樋門の監視はもちろん、平常時の河川空間の利用状況やゴミの不法投棄の把握がされています。
 けっこう、力を入れて、国が直にやっています。


 ところで、やや、ややこしいのは、一級河川ですから、もちろん国土交通省の管理ですが、百間川原尾島遺跡というのがあり、遺跡については、岡山県古代吉備文化財センターttp://www.pref.okayama.jp/kyoiku/kodai/kodaik.htmすなわち県の管理。
 スポーツ施設などは、岡山市が占用していますから、市の管理。


 今回の津田永忠記念公園構想地は、昭和63年来の市民ゴルフ場建設で、問題となったところ。岡山市の都市公園とするなら、計画変更の必要があり、その場合、県も当然絡んできます。

 そうはいっても、この津田永忠記念公園構想は、当該地に手を加えようというのではなく、保存しようという公園であり、周辺地域も、ホタルやアユモドキが生息するなど、自然環境に恵まれ、また住民の方々の意識の高いところ。
 素晴らしい構想で、そんなにハードルは、高くない気がします。市長次第?

 それにしても、MAPを見ると、ワクワクするほど、このあたりには、生き物がいるんですね。
 思いのほか、市街地からも近く、子ども達に残せる、体験型の絶好の自然公園といえると思います。今日に至るまで、良く知らないのが、非常にもったいなかったと思います。ここで、もっともっと遊べてました。

 私は、是非、この「津田永忠記念公園」が、実現して欲しいと思います。


 たちまち、募金とか、署名が云々という話ではありませんが、こんな身近にこんな自然が、あったんだなぁ、と実感するのが重要かも?

 さしずめ、私も、ちょっくらホタルを見に行こうと思います。

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