2001年5月28日(月) 【環境3条例】

 環境3条例について公聴会があり、一般傍聴も可能である、と新聞に告知されたという理由で、初めて公聴会なるものに、善良な一市民として「傍聴」に出かけました。

 6月8日開会の定例議会前のこの時期、一般質問の題材に、苦悩していると言っても過言ではありません。しかし、質問のための質問だと、あらゆる評価が下がりますので、毎回の事ながら頭を抱えるわけです。まるで獲物を狙うライオンのようです。
 案の定、公聴会の傍聴者は、私だけでしたが。


 さて、国においては、平成12年5月31日までに廃棄物関連10法案すべてが可決成立し、『循環型社会形成推進基本法』を中心に各個別法によって様々な施策が展開されているのはご案内の通りです。
 『循環型社会形成推進基本法』の概要は、下記をご覧ください。
ttp://www.nippo.co.jp/junka_1.htm

 ちなみに、「循環型社会」とは、@廃棄物等の発生抑制A循環資源の循環的な利用及びB適正な処分が確保されることにより、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り提言される社会、だそうです。


 一般的には、「循環型社会関連法」という言い方をし、「環境基本法」の「環境基本計画」を受けた「親法」が、『循環型社会形成推進基本法』で、これが基本的な枠組み法として基本原則、国・地方公共団体・事業者・国民の責務、国の施策が、示されています。

 そこから社会全体の枠組みを確立するための「一般法」ということで、<廃棄物の適性処理> として、『(改正)廃棄物処理法』が、<リサイクルの促進> として、『(改正)再生資源利用促進法』が、既に施行されています。

 これに、個別の品目を対象にした「個別法」として、『建設工事資材再資源化法(建設資材リサイクル法)』 、『食品リサイクル法』『グリーン購入法』さらには、この4月より既に施行されている『家電リサイクル法』、昨年4月から完全実施されている『容器包装リサイクル法』があります。

 一般的な表現ではありませんが、こういった基本法(親法)、一般法、個別法という流れの中で、法体系に沿って『家電リサイクル法』が、位置づけられることは、ご理解頂けると思います。


 とりわけ、「循環型社会関連法」で、企業、消費者、行政の役割分担を決めた上で、国の方針として拡大生産者責任(EBR)が明文化され、使用済み製品の回収や処理に企業の責任が示されたのは、画期的とされています。



 この、国の『循環型社会形成推進基本法』の理念をベースに、屋上屋を重ねる、もとい、具体化するのが、『岡山県循環型社会形成推進条例(仮称):廃棄物対策課』です。

 これに、『きれいな環境の創造に関する条例:環境政策課』と『改正岡山県公害防止条例:環境管理課』を加えて、環境3条例すなわち『快適な生活環境づくりのための条例』と言います。
 「快適生活圏おかやまの創造」から、来ているのでしょう。



 こう書いてくると、ややこしくて、なにか物凄いことのようですが、要するに、各課が各々条例を分担し、ついでに内容を重複させているのです。

 『岡山県循環型社会形成推進条例(仮称)』は、どの県にもある国の法律を受けた条例で、私は、別に要らないものだと思います。

 一方、『公害防止条例』については、制定30年経って、工場・事業者に対する規制に加えて、消費者、県民の責務も定めようとする大改正です。罰則がなくても、義務規定ですから、充分な議論が必要です。


 特に、真新しいのは、『きれいな環境の創造に関する条例:環境政策課』でしょうか。この条例は、落書き、空缶ポイ捨て、自動車・自転車の放置、光害を禁止行為とする画期的なものです。
 これは、県の独自施策で目玉と言えると思いますが、音害や臭気には触れておらず、罰則についても、まだ練れていないという印象を受けました。いじれるとすれば、これです。


 今後、公聴会を津山と倉敷で行い、これを環境審議会に持ち帰り、12月議会にかける(できれば来年4月施行)ということだそうですが、通常、県議会議員が見るのは、知事の諮問機関である審議会の報告以降からでしょう。
 そんなことで、条例制定の流れや問題がわかるわけがありません。

 公聴会自体は、良い仕組みだと思います。しかし、議会に来る時は、市民の声が変容されているとしたら、やはり、議員は、公聴会の時期まで遡らないといけません。それを痛感しました。

 はっきり言って、それをすれば、執行部に「なめられる」ことは、絶対にありません。要するに、数年でころころ入れ替わる課長より、議員が、もっと勉強すれば良いのです。期数も年齢も、関係ありません。


 とりわけ、市民代表の声が多かった環境教育の重要性については、総合的な学習の時間とからめることもできます。今日突然の思い付きですが、県立児童会館は、環境学習の施設にできるかもしれません。



 環境問題繋がりで、夜には、リサイクルフォーラム主催の『2001ゴミゼロの日集会』に出席。
 「ほっとプラザ大供」に頻繁に出入りする変わった自民党県議?ウィズや、さんかくより、行き易いです。

 個人的には、市職労が選挙で私を支援して下さることは間違ってもないと思いますが、市職労の市民と協動する姿勢、その誠実で真摯な動きには、尊敬の念すら持っています。なかなかできることではありません。立派です。
 良いものは良いので、それで良いのです。

 本日は、8月に本稼動する西大寺の「東部クリーンセンター」の問題についての報告等がありました。国の政策から、市町村の現場ではどうなるのか、非常に興味深いものがありました。
 他県の生ゴミを使った発電などの紹介も、ほほぉ・・という感じでした。



 ともあれ、昨日の教育改革、今日の環境政策、明日の道路政策など、国、県、市町村という流れで、国の力の大きさを痛感します。
 同時に、岡山市にとって県はどうなのか、という懸念もあります。特に、商工関係で、市・県の連携はどうか、疑問も感じます。

 はっきりしているのは、それは国の指導に従います、それは市町村の対応に委ねます、としか言わない県なら、そんなんいらんがな、ということでしょうか。

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