2000年10月5日(木) 【やはり汚い児島湖】

 環境指導課で、児島湖浄化について、伺いました。

 児島湖は、農業用水の確保、塩害防止及び湖水面を低位に保つことによる排水改良を行うため、国営児島湾沿岸農業水利(締め切り堤防)事業で、児島湾を締め切って造った、人造湖です。
 締め切り堤防建設工事は、農林省(現・農林水産省)により、昭和26年2月に着手され、昭和37年3月に完成しました。

 この児島湖が、全国5位(10年度は全国3位)前後と、おもいきり汚い人造湖というのは皆様ご存知でしょう。

 実は、児島湖浄化に対しての超党派の議員連盟があるのはあるのですが、たいがい本会議中の昼休みに、食事しながらの総会なので、基本的なことが、分かっていませんでした。児島湖について、本当は特別委員会が、動いても良いというぐらい問題の根が深いということ、ただ、できることも限界がある中で、議員として真剣に取り組むべきであり、現に取り組んでおられる革新系、保守系の議員も、多くおられることを付言致します。

 環境庁の類型では、児島湖は湖沼(天然湖沼および貯水量1000万立方メートル以上の人造湖)のAA,A,B、CのB類型になります。
 すなわち、利用目的は、水産3級、工業用水1級、農業用水に適応するというものです。ちなみに、水産3級は、コイ、フナ等富栄養湖型の水産生物用で、児島湖産は関西方面に出荷されているようです。

 問題は、児島湖の化学的酸素要求量(COD)が、B類型の基準値5mg/リットル以下をはるかに越え、C類型(8mg)すらも越えていることです。
 実は、県ではこの5mgという環境庁の基準が、たちまちの実現不可能として当座の暫定目標8.8mgを立てていますが、測定開始後14年間、9mg以下になったことすらないのです。
 全窒素、全リン濃度も、同じような状況です。

 ちなみに、児島湖の汚泥浚渫は、平成7年から15年まで、総額331億円の農林水産省すなわち、国の事業ですが、周辺市町村の負担もあり、事業効果について、早晩大問題になると思います。

 稲作の現況を見るなら、いっそのこと堤防を取ってしまえという乱暴な意見もあり、科学的な浄化作戦も検討されています。
 しかし、結局は汚れの原因の半分は、生活雑排水です。ここから先は、お馴染みの話です。その啓蒙指導が、県の役目です。

 ただ、実は、CODの発生の3割は、その他の排水です。その他、これがこの問題をより複雑にします。すなわち、山林・田畑・畜産等の排水です。
 工場の排水には、かなり厳しい規制がかかっていますが、第一次産業に関わる「排水」も、あるのです。

 辞められた先輩議員の流れで、この問題に関わっていくことになりそうですが、厳しい話もあることを充分認識した上で、進めていきたいと思います。

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