2003年12月24日(水)
【岡山の性風俗産業について】

 クリスマスには相応しくないテーマですが、関心の高い方もおられると思われますので、連日の配信をお許し下さい。

 なお、3月21日の第1回自民党岡山県連青年部・局主催セミナーの基調講演の講師に、中谷元前防衛庁長官が内定いたしました。



 昨今、岡山の夜の街では、通称「尺八通り」という名の通りまで生まれ、俗に夜の街がえげつなくないのを教育県と言うわけですが、教育県岡山はどこへやら、一部では、何か退廃したムードすら漂っています。

 男性諸氏の中には、まだまだ高松や福山や神戸には敵わない。ゾーニングをして歓楽街を整備することが、観光客も呼び込むことにも繋がり、街づくりとして必要なのではないか、という声も多くあるのも事実です。

 とりわけ、私のまわりにも好んでいわゆる風俗店に行かれる方も多く、今時、男の甲斐性のように感じている輩もいないではありません。


 一方で、ある女性は、男女共同参画社会を謳いながら、一方で、ある女性は、男性の肉体的欲求のはけ口に、自らを落とし込むことを厭わない、あるいは、様々な事情で、そうせざるを得ない実態があります。

 そして、その背景に、「かたぎ」とも言えない勢力があることを誰もが分かっています。


 不景気の波は、ある意味健全な大人の夜の社交場をいかがわしい風俗店に変えてしまいます。
 時代がどうあれ、ニーズがあるのですから、商売として成り立つわけで、「必要悪」であるという意味では、「政治屋」同様、ある程度は要るのかもしれない、とすら思えます。

 ただ、どうあれ、野放図に広がっていくことは、防がなくてはいけません。
 あれだけ清楚な街が、ここ10年で、えげつない、なにより恐い街に変わって行く様は、中心市街地の人間としては耐えられません。

 それにしても・・・・・・・警察は何をしているのか?です。


 端的には、いわゆる「抜き屋」(何のことかわからない方は、わからないままにしておいて下さい。)が、なんであんなに増えるのか、あれは、合法なのか、です。

 結論から言えば、岡山県内に、合法的に存在しているのは、それは、どことは言いませんが、1軒だけです。

 ちなみに、その根拠条文は、新風営法で言う「性風俗関連特殊営業」のうち「店舗型性風俗特殊営業」の2号「個室マッサージ」です。これは、「届け出」で営業できます。

 しかし、実際は、28条にある禁止区域を県条例で定めており、岡山県では、条例施行前にできた1軒を除いて、営業は、禁止されています。
 ですから、本来は、個室マッサージ、その名称が、ファッションなにがしであれ、そんなにある訳がないのです。


 ところで、この条文の情けないところは、「無店舗型性風俗特殊営業」は、届け出で営業できることです。

 すなわち、派遣ヘルス、デリバリーなにがしは、違法ではありません。つまり、「同じ事」をしても、店舗があれば違法、出張すれば適法という、非常によろしくないことになっています。

 ピンクビラを剥がしても、スポーツ新聞等に堂々と広告が出ているのは、そういった事情です。


 さて、では、今ある「抜き屋」はいったいなんなのか?

 これは、実は、新風営法の言う「風俗営業」の2号「バー」による許可です。「客の接待をして、客に遊興させ、飲食をさせる営業」です。
 「許可」ですから、警察の外郭団体の防犯協会が、現地調査をし、「バー」として許可されてはいるはずです。
 ですから、おそらく適法に建っています。

 その「バー」が、要するに、「過剰サービス」をして下さっているわけです。こういう「サービス」をありがたがる人はおりこそすれ、怒る人も、そうそういないと思われ、これでは、なかなか実態は掴めません。


 とすれば、何を違法に取り締まるのか。

 あるとすれば、第9条の「構造及び設備の変更等」の違反です。変更には、公安委員会の承認が必要ですが、つまり、「バー」なのに、ベニヤ板で囲って個室があるとか、シャワーがあるとか・・・(えらい詳しいなぁ・・・。断っておきますが、私は、こういう店に行った事はありません。)、そういう構造上の違反で、一応取り締まれます。
 しかし、多分・・・・イタチごっこでしょう。


 浄化作戦と称して警察が検挙できるとすれば、「サービス」現場なら、禁止区域内での違反ですが、構造上の違反取締が一般的です。ただ、このあたり営業の自由との相克になります。

 だいたい歓楽街に、警察が、いつもいるのを市民が喜ぶかどうか。むしろ、警察の方がからまれて仕事にならないかも。

 また、例えば、一斉に警察が歓楽街に入るにしても、大掛かりな動きは、事前に察知されますし、店のシャッターを閉められたら、捜査令状でもなければ、こじ開けることはできません。

 ですから、2号営業に関する今年1月から12月中旬までの検挙は、営業停止・禁止などの行政処分が、5業者8店舗。指示処分が、24店舗に過ぎず、代表者や店名が変わり、営業が行われているのは、想像に難くありません。
 しかし、これは、警察力の限界であるのでしょう。

 ちなみに、岡山県迷惑防止条例違反で、客引きを逮捕しようと思えば、100mつけ回すとか、道を塞ぐとかした場合に限られ、夜中に、「お兄さん、良い子がいるよ。」と、声をかけるぐらいのことは、ただの営業努力であり、違反ではありません。


 要するに、地域が監視して、まずは、こういった物を作らせないことが重要です。構造上の違反が分かれば、警察に通報することも重要です。

 そして、できてしまえば、営業妨害と言われても、客に行かせないようにする方法を模索すること。
 考えられるのは、この手段かもしれません。
 「・・・・・・あなた、恥ずかしくありませんか?」と。

 ただ、周囲を見ていて、それを恥ずかしいと思うようなデリカシーのある人は、端から行かないような気がします・・・・・・。
 それでも、これしか手がないのかも。


 しかし、それでも、利用者は、己のスケベ心を自制する努力が必要です。いかに、自分が助平なことで、自分だけの快楽の追及が地域住民に、迷惑をかけているのか、自分の住む地域にあっても、堂々とあんたは、行けるのか、ある程度の恥は知らないといけません。

 だいたいが、客がいるから、営業ができるのですから、店の側にしてみれば、この不景気に、生き残りをかけて、お客さんに喜ばれる商売をして、ある意味立派じゃないか、この娘も、ある意味けなげじゃないか、と言われたら、あまり返す言葉がありません。

 しかし、それでは、世の中、みんな立派な人です。


 少なくとも、どこかで循環を断たなくてはいけません。己一人が助平でも良いだろう、その気持ちが、暴力団の暗躍に繋がり、時には、一人の女性の未来を奪うことにもなりかねません。
 まわりまわって、誰かを傷つけることになるよ、あるいは、自分自身を傷つけることになる、そういう自覚は持って頂きたいものです。

 ある意味、「にんげんだもの」を越えて、ストイックでないと、この連鎖は切れないのです。
 我々の欲望の様が、まさに街に投影されていることを我々皆が恥じるべきではないでしょうか。

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