2003年7月10日(木) 【消防・警察連携】

 12歳の男子による4歳男児殺害事件は、子育て世代の親なら誰しも、いたたまれない気持ちになることに加えて、子育てへの不安を増幅させていることと思います。

 14歳未満の刑事責任云々の議論もあるのでしょうが、学校の成績は優秀である加害者の親の教育がどうであったのか、事件が何に起因しているのか、詳らかにすることも、親の責務であると思います。


 一方気になるのは鳥取県独自の「有事避難マニュアル」の作成。国民保護法が欠けている有事関連三法成立の中で、地方自治体が、国に先立って、成せるべき事を先にしたことは、大変に高く評価できるものです。
 是非、そのマニュアルの勉強もさせて頂きたいのですが、とりわけ、自衛隊、警察、消防三者の連携は気になるところです。

 言うまでもなく、地方公共団体が担う最も基礎的な役割の一つが、治安の維持ですが、警察は、都道府県が、消防は市町村が主体となって担っています。

 実は、戦前は、警察、消防は一体のものとして国家警察の下におかれていましたが、戦後、警察は一旦市町村警察を国家地方警察が補完する体制とされた後、昭和29年に、都道府県警察に、執行を一元化され、これに対し、国が一定の関与を行う制度とされています。

 そして、地方分権の流れの中で、地方分権改革推進会議等で、警察分野についても、国と地方の役割分担に応じた議論がなされていますが、治安情勢に応じた内部組織の基準は、より弾力的にされるべきでありますし、社会の国際化やIT化の進展に伴い、警察行政における地方自治という観点も、私は、極めて重要であろうと思います。

 いずれにせよ、こうした流れの中で、ある意味、目的も重なる部分がある県警察と市町村消防が、いかに連携するかは、今後極めて重要です。


 ところで、詳細は書けませんが、先般唐突に発表された「普及隊」に関して、警察サイドから消防への協力要請のあり方についてどうであるか、ここ数日、当局と議論を続けています。

 私自身も、半端ではありますが、消防分団員であり、警察との連携については、警察サイドからの十分な配慮が必要であると感じています。

 俗に言うボランティア的要素が強いにしても、分団員もまた、公務員であり、その道のプロです。また、地域への愛情と強い使命感、さらには、義理人情で繋がった消防団という強固な組織に対しては、警察側にも、「筋」や「礼」というものが求められて当然であり、あくまで、礼節を尽くした対等・協力の関係であるべきです。

 ともあれ、消防も警察も地域にとって欠くことのできない組織ですが、その連携強化は、時代の流れであると考えます。

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