2003年5月23日(金) 【駐在さん】

 今朝、ある地域の駐在所に、ほとんど警察官がおられないということで、善処のお願いに、ある署に地域の方と伺いました。地域にとって、本当に深刻な問題です。

 派出所は、事件、事故等警察事象が比較的多い都市部の地域に設置されており、原則として、1当務3人以上の交替制勤務の警察官によって運用されていますが、駐在所は、どちらかというと町村部で、警察官が家族とともに居住して勤務され、警察官であると同時に、その地域の構成員であり、地域のコミュニティー活動にも積極的に参加されています。

 明治以来の派出所と駐在所の両方を一般的に、「交番」と呼んでいるようで、世界でも稀有な制度として、近年では、アジア諸国での関心が高まり、例えば、シンガポールでも導入され、大きな成功を収めているようです。


 駐在所では、勤務員の不在時には、その夫人が、本来勤務員が行うべき業務である地理案内、遺失、拾得届の受理、交通事故届、被害届の取扱い等を行い、勤務員を助けていますが、問題は、都市部に近い駐在所。

 基本的には、派出所と変わらないほどの地域住民からのニーズがあっても、捜査の応援で出られたりで、いかにもたいへんです。非常に酷な状況になっています。


 地域では、地域に密着した「派出所、駐在所連絡協議会」を設けて、地域ぐるみで犯罪や事故のないまちづくりを進めていこうとしていますが、肝心の駐在さんが、いつもいない、という事態も発生しているようです。

 岡山県警は、約3000人。地域によっては、対人口比で、警察官1人当たりで900人を守るような計算になりますが、やはり駐在さんがおられることが、地域の安心の拠り所。いくらパトカーや署との連絡が取れるといっても、さすがに不安です。

 実際は過酷な労働条件でありますが、週休2日制も確保しようと思えば、1.5倍の増員が必要ですが、現実問題、80人の増員で、めいっぱいの状況です。
 しかし、最後は、いつも予算の話になります。


 さすれば、地域住民が補っていくしかないと思われますが、注意すれば、ぶち切れるような人間もいる中で、市民も、自衛のため武装しなくてはいけなくなるような時代が、もう既に来ているのかもしれません。

 事態は、極めて深刻です。

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